【職種図鑑】人事
採用から評価まで。企業を支える縁の下の力持ち
仕事内容は?
人事は、会社や組織内での「人」に関わる業務のすべてを行います。具体的には雇用スタッフの異動や退職、昇進、評価などの管理、新卒・中途採用などの採用活動、社員の給与待遇など。会社の規模により複数の業務を兼任する場合もあります。通常業務以外に、新入社員の入る4月やボーナス月など季節やイベントによって発生する業務も多く、分野によって繁忙期も異なります。また、企業により人事部門が独立している場合もあれば、総務部門に人事が含まれている場合もあります。人事は仕事の結果がはっきりとした形にならないので、明確な結果を求める人には不向きかもしれません。一時の感情に流されることなく、柔軟な発想で行動できる人が求められます。また、社内外の人との関わりが多いので人と関わることが好きなこと、個人情報を多く取り扱うので機密保持ができること、細かい処理が多いので根気よく仕事ができることが必須。雇用形態は正社員や契約社員が多いですが、派遣スタッフでの仕事や繁忙期のみの仕事も増えています。
必要なスキルは?
これがなければ人事や総務の仕事はできない、といった資格はありません。関連する資格として、労務や人事などのエキスパートの証明である社会保険労務士や衛生管理者を取得しておくと、活躍のチャンスが広がるでしょう。労働法の知識を有していると採用のポイントになります。採用や研修、福利厚生、備品管理に関しては、実務が未経験でも事務経験やエクセル、ワード、パワーポイントなどの基本的なOAスキルがあれば大丈夫です。一方、社会保険や労務管理、給与計算に関しては、1年程度の実務経験や専門知識が求められることが多いでしょう。人に関わる仕事なので、高いコミュニケーション能力はもちろん、機密保持ができることや細かい事務作業が苦にならないことも重要です。
活かせる経験やスキル
・労務・人事の実務経験
・柔軟なコミュニケーション能力
・エクセル、ワード、パワーポイントなどの基本的パソコンスキル
・事務処理能力
・社会保険労務士資格
・衛生管理者資格
・労働法の知識
転職お役立ちデータ
●転職難易度 … ★★★☆☆
●平均給与 … 19.9万円
●求人募集の未経験OK比率 … 54.2%
●活躍の場
・1位 … サービス 14.5%
・1位 … 人材派遣 14.5%
・3位 … 各種コンサル 9.9%
※2012/4/1-2013/3/31間のとらばーゆ掲載原稿より集計
身に付くこと、キャリアステップ
年金や医療保険などの知識などが身に付きます。これらを活かして社会保険労務士の資格を取得することも可能です。また、経験で得た人事制度の知識を活かして人事コンサルタントとして活躍できる道もあります。また、教育研修や人材育成分野の経験を積むことができるので、将来、研修講師などの道で活躍することもできるでしょう。採用業務の経験は、キャリアカウンセラーや採用コンサルタントへの道につながります。このように、人事部門での経験は、あらゆる専門職に活かすことができます。人事部門のマネジメント職への道もあるでしょう。