面接に遅刻…人事担当者が明かす、「NG面接マナー」

2013年10月28日

面接シーン

志望動機や自己アピールの構築、キャリアの棚卸し…。面接前にはさまざまな準備が欠かせません。しかし、いくら完璧な準備をしても、基本的な面接のマナーがなっていないとすべては台無し。そこで、とらばーゆ編集部での取材で聞いた企業の人事担当者が遭遇した“マナー違反の実例”を紹介しつつ、面接で嫌われる「NG行動」を探っていきたいと思います。

まずは「服装」のマナーについて。面接はスーツが基本ですが、ある程度服装の自由が許されている職場もあります。ただ、そうした場合でも気を付けるべきポイントはあるようで…。

●「販売スタッフ募集に応募してきた未経験者の方。面接に来たその方の服装は、当社のショップのテイストとはかけ離れすぎたギャル系…。どうやら、当社がどんなショップを展開しているのかを調べずに応募されたようでした。当然ながら会話は盛り上がらず、採用は見送ることに」(アパレル/人事担当者)

●「看護師募集に応募してきた、40代のベテラン看護師の方。即戦力として期待していたのですが、面接にやってきたご本人からは香水の強い香りがプンプン…。さすがに、勤務中は香水を使うことはないとは思いますが、面接であっても医療の場に香水をつけてくるのは非常識」(総合病院/人事担当者)

また、面接の受け答えにも注意すべきマナーは潜んでいます。特にありがちなのが、意欲が空回りして結果的に「空気が読めない人間」というレッテルを張られてしまうケース。

●「面接時間は、通常30分を予定しているのですが、1つの質問に対して40分近く話された方がいました…。今、自分が何を求められていて、どうパフォーマンスすべきかという場の空気を読むことは、お客さまとお話をするときも同じです。それだけの熱意を持って応募してくださったことはうれしいのですが、残念ながら採用は見送りました」(ブライダルプロデュース/人事担当者)

さらに、面接の段になって応募先の企業についての“勉強不足”が露呈してしまうことも。事前のリサーチは面接に臨む最低限のマナーといえるだけに、印象は当然よろしくありません。

●「20代後半の、販売経験者を面接したときのこと。『何か質問はありませんか』と尋ねたら、『どんな商品を扱っているんですか?』と聞かれて唖然としまし た。当社の商品も知らずに応募してこられたとは…」(美容系食品・コスメメーカー/人事担当者)

●「面接の10分前に、『道を教えてください』と、最寄駅から電話をしてきた方がいました。どうやら、当社の住所や地図を調べずに来られたらしく…。意欲がある方は、事前に本社の場所を下見する、道に迷うことを考えて早目に近くまで来ておくなど、しっかり準備して面接に臨んでくださいます」(美容系食品・コスメメーカー/人事担当者)

一方、受付や待合室でも油断は禁物。応募者本人の気づかないところで、こんなマナー違反が目撃されています。

●「面接には履歴書を持参いただきます。受付でスタッフが受け取りますが、横柄に投げつけるように渡す方がときどきいらっしゃるんです。そんな方も、面接ではマナーに気をつけて笑顔で話して帰られますが、受付での態度はスタッフからちゃんとこちらに報告が入ります」(不動産会社/人事担当者)

●「面接の順番を待っている間に、気が緩むのか、日ごろの素顔を見せる方がいらっしゃいます。先日も、面接に来られた方に、クリニックの待合室でお待ちいただいたところ、足を組んで座り、携帯電話を取り出してメールを熱心に打ち始め…。待合室には、患者さまの待ち状況を確認するために防犯カメラを設置していま すので、その状況はすべて録画されています」(歯科クリニック/人事担当者)

中にはその場で面接を中止されてもおかしくない、こんな言語道断ともいえるマナー違反も。

●「面接時に、人事担当者(私です)の目の前で、履歴書に写真を貼り付けていた方には驚きました。「のりを貸してください」と要求され、断るのも何なので貸して差し上げましたが…」(ブライダル会社/人事担当者)

面接は、応募者の能力を見極めるとともに、同じ職場で気持ちよく働ける相手かどうかを探る場でもあります。人間性を疑われてしまうような、重大なマナー違反はくれぐれも慎みたいものですね。