仕事もプライベートもどちらも楽しむ! “ワークライフブレンド”から見る理想の働き方
仕事とプライベートの両立がなかなかうまくいかない。そんな悩みを抱えるU29女子は多いのではないでしょうか。「ワークライフバランス」を守って働きたいというのは、多くの人々の希望ですが、一方で、「ワークライフブレンド」という言葉が今、新たに注目を集めており、すでに欧米ではこの新しい働き方・生き方が取り入れられていると言われています。
「ワークライフブレンド」とはどのような働き方なのか、どういったメリットがあるのかを、独自の自由なワーク&ライフスタイルを実践する、株式会社スプリー代表 安藤美冬さんに伺いました。
「ワークライフブレンド」とは?
ワークライフブレンドとは、一体どのような働き方なのでしょうか?
「『ワークライフブレンド』とは、仕事とプライベートをひとつだと考える働き方です。例えば、仕事のためにプライベートを犠牲にしたり、プライベートを重視するために仕事をあきらめたりするのではなく、どちらも共存させて人生を楽しむために、あえて仕事とプライベートを区別せず、融合させるライフスタイルのこと。
では、これまで盛んに言われてきた「ワークライフバランス」とはどのように違うのでしょうか?
「『ワークライフバランス』は、遊び、学び、子育てといった仕事以外の時間を犠牲にしないために、仕事の合理性や効率性を重視し、残業や長時間労働を減らしていくのが目的です。この考え方もとても大事ですが、『ワークライフバランス』は仕事とプライベート(アフター5)を明確に分け、『生活のために最低限の時間で最大の効果を上げられる仕事をする』というようなイメージがあります。
一方で『ワークライフブレンド』は、仕事とプライベートとの区別をつけないライフスタイルです。例えば、仕事で得た知識をプライベートな時間で活かしたり、有給休暇を取得して向かった旅行先でひらめいたアイデアを仕事に活かしたりといったようなこと。そのライフスタイルの根底には、『仕事もプライベートもひとつの人生としてまるごと楽しむ』という考え方があります」
「ワークライフブレンド」のメリットとは?
仕事とプライベートを分け隔てなく、すべてを楽しむ生き方「ワークライフブレンド」を実践すると、どのようなメリットがあるのでしょうか? 安藤さんに、3つのポイントを教えていただきました。
1.仕事のモチベーションがさらに上がる
「例えば、仕事で学んだことを友達に伝えてみたり、土日のプライベートな時間を使ってボランティアをしてみたり。仕事をプライベートにも活かすことで、友達や社会に自分の得意なことで貢献するチャンスを得ることができます。こういった行為により、仕事がプライベートへの充実につながり、仕事においても、『もっと良い仕事をしよう」という大きなモチベーションになります」
2.やりたいことが見つかる
「『やりたいことが分からない』と悩む人は、すべてのプライベートな時間を使ってとことん遊び、友達をつくり、新しいことを学び、子育てなどへも全力投球してみること。すると、プライベートな時間の中で『私はこんなことが好きだったんだ』『もっとこれを極めてみたい』という発見ができます。この発見と体験を使って転職活動をしたり、人によっては好きなことで独立をしたりというよい流れを作り出すことができます」
3.仕事もプライベートもいっぺんに楽しめる
「仕事のために、遊び、学び、子育てなどのプライベートをあきらめない。遊びであったり、新しい人と知り合うことだったり、趣味やお稽古を極めることや子育てなどをしっかりやることなどで、その経験が仕事へリターンできるという考え方にシフトできます。そうすれば、仕事もプライベートも、いっぺんに楽しむことができます」
U29女子がうまく「ワークライフブレンド」を取り入れるには?
それでは、仕事とプライベートのバランスで悩むU29女子が、「ワークライフブレンド」を実践したいとき、まずはどうすればいいのでしょうか? 上手にスタートするコツを教えていただきました。
「まずは、仕事もプライベートも楽しんでいる『人生の先輩』を見つけてください。職場や、学生時代の同級生、両親や親戚、セミナーやイベントなどで知り合う人など、これまでの人間関係や新しいつながりの中から1人でも実践している人を見つけ、一緒の時間を過ごしながら真似してみると効果的です。ぜひ、仕事と遊びの達人を目指してください」
まとめ
これまで、仕事とプライベートや家庭のはざまで悩んでいた方も、「ワークライフブレンド」という考え方を知って、働くことと生きることの捉え方が大きく変わったのではないでしょうか。仕事とプライベートがお互いに良い影響をもたらし、どちらも犠牲にする必要はないと思えば、楽になる部分も多いですよね。
あなたも「ワークライフブレンド」の考えを取り入れ、新しい働き方・生き方を見つけてみませんか?
(プロフィール)
安藤美冬(あんどうみふゆ)
1980年生まれ、東京育ち。慶應義塾大学を卒業後、株式会社集英社に新卒入社。ファッション誌の広告営業と書籍のプロモーション業務を経て2011年に独立。フリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した、肩書や専門領域にとらわれない独自のワーク&ライフスタイルを実践、注目を浴びる。雑誌『DRESS』の「女のための女の内閣」働き方担当相、 月間4000万PVを記録する人気ウェブメディア『TABI LABO』エッジランナー(連載)などを務めるほか、商品企画、大学講師、コメンテーター、広告&イベント出演など幅広く活動中。著書に7万部突破の『冒険に出よう』、『20代のうちにやりたいこと手帳』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、寄稿に『女子が旅に出る理由』(いろは出版)などがある。