女のマネー講座:貯金100万円で投資を始めたい
vol.7 貯金100万円で投資を始めたい。大きな損をしないで済む方法はあるの?
営業・正社員/S・Hさん(25歳)
profile 大学卒業後、セールスプロモーション、イベント企画などを手がける現社に新卒で入社。現在、4年目の中堅どころ。東京都23区内で一人暮らしをしている。
ある程度リスクを取らないとお金はふえません。投資を始めるなら、まずは大きな損を避ける方法を知りましょう
Sさん:「貯金が100万円ありますが、銀行に預けるだけだともったいない気がしています。投資を始めたいのですが、人生を狂わせるような失敗をする人もいると聞いて、手が出ません」
溝渕先生:「貯金する習慣がついているので、投資を検討するにはちょうどよいです。(カウンセリングシートを指して)Sさんは、“リスク(※)の低い運用方法が知りたい”と書いていますね。これは株式のように株価が上下することで大きな損をしたくない、という意味ですか?」
Sさん:「はい、そうです」
溝渕先生:「投資において、リスクはある程度ないと、お金はふえません。預金、債券、株式の順にリターン(値上がりの期待)は高くなりますが、個人向け国債(10年)が0.57%くらいで、預金より少しマシなだけ。真剣にお金をふやすならば、投資信託や株式をする必要があります。株式投資で大損するのを避けるには、いくつか方法があります。まず一つは、ある一つの国や会社に投資金額をつぎこまないこと」
Sさん:「そうなんですね。株式投資をするほど、短期間で大きくお金をふやしたいわけでもないのですが、どの商品ならば、私に合っているのでしょうか?」
溝渕先生:「ゆっくりと時間をかけてお金をふやす投資信託(※)を検討するとよいでしょう。初めて投資をする人は特に、日本株と外国株、日本債券と外国債券などを組み合わせる分散投資(※)をしてください。ちなみに投資を始める前に、なぜお金をふやしたいのか、考えたことはありますか?」
Sさん:「働けなくなったとき、ひもじい生活はしたくないですし、病院に満足に行けないのも嫌です。年金が十分にもらえるとは思えませんし」
溝渕先生:「老後の不安があるということですね。では、“老後のため”という目的に合った商品を選べるよう、独立系FPや銀行主催のセミナーや書籍を利用して勉強してくださいね。ほかに気になることはありますか?」
Sさん:「月々7000~8000円の生命保険に入るようすすめられているんですが…」
溝渕先生:「独身の間は、入院保険(※)で十分です。25歳ならば、保険料が月3000円くらいで済みますよ」
◆結論1 :
金融商品を買う前に、お金をふやす目的を考えましょう
投資に失敗する代表例として挙げられるのが、一つの国・会社にたくさんのお金をつぎこんだケース。バブル時代に、日本株だけを買っていた人は、バブル崩壊とともに、大きな損をしています。これは、分散投資をすることで、避けられた失敗です。お金をふやすには、ある程度のリスクがある投資をする必要があるので、大きな損をしない方法は、基本ルールとして確実に押さえておきましょう。
◆結論2:
投資で大きな損をしないよう、基本ルールを知りましょう
Sさんのように“銀行に預けているだけだと、もったいない”と、投資を検討し始める人は多くいます。投資を始めるには、「お金をふやす目的を決め、目的に合った金融商品を選ぶ」というフローに従ってください。また、商品によって自分で管理するもの(株式ならば、株価のチェック、売買の手続き)もあるので、投資に割ける時間が、商品を選ぶ際のチェックポイントとなります。
マネーがどんどんわかる!基本ワード
リスク
投資においては、期待以上の収益を上げること、または期待以下の収益になることの両方を指す。リスクには、価格変動リスク(市場環境、内外の経済・政治情勢などによる価格変動)、為替リスク(外貨建てをした場合の為替変動による)などがある。
入院保険
医療保険の一種。月々決まった保険料を支払うことで、病気やケガで入院や手術をしたとき、保険会社から入院給付金が受け取れる。独身の仕事を持つ女性が選ぶならば、「保険料が上がらないもの」「一生保証されるもの」「入院初日から給付金が出るもの」がおすすめ。