U29(ユニーク) 女子プロジェクト

心理カウンセラー・心屋仁之助先生に聞く!
第2回【がんばらないトレーニング】

恋愛、結婚、出産、仕事…と将来を思うと不安でいっぱいになったり、自信をなくしてしまったり。そんな悩めるU29女子たちは、いかに自分自身を受け入れ、自分らしく働き、生きていくことができるのか?多くの人の心の悩みを聞いてきた心屋仁之助先生に、将来への不安を抱える悩み多きU29女子たちの心を軽くするコツを聞いてきました。
第2回は、「がんばらないトレーニング」です。

がんばらない勇気は親不孝する勇気!?

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前回、「がんばらないで、ダメ人間になる」ことが将来の不安を取り除く方法だとお話いたしました。とは言え、がんばり屋さんはがんばらない方が難しかったりするもの。がんばらないためには、とてつもない勇気が必要なんですよね。その勇気というのは、自分のお母さんを放っておく勇気でもあるんです。お母さんが幸せだろうが不幸だろうが私には関係ないと思う勇気、お母さんを無視する勇気、お母さんが喜びそうなことをやらずに悲しみそうなことをやる勇気。
勇気を出して親不孝をしてみると、今まで自分がやってきたことの多くが、実は親基準でしていたことだったということに気づくはずです。親基準で生きているということは、自分の基準で生きていないということでもあります。だから、行き詰まると胸の中に不安ができてしまうのです。

 

がんばらない私になるための親不孝トレーニング

このように、がんばらないためには親不孝になることがとても大切なのです。試しに、1人で「お母さんが不幸になってもいい」「お母さんを捨ててもいい」というセリフを口に出して言ってみてください。不思議なことに、がんばり屋さんはこのセリフをなかなか言うことができなかったりするもの。さらに上級だと「お母さんはあれでも幸せなんだ」というセリフも。
この3つの親不孝ワードを何度もブツブツと口に出して言ってみると、きっと体の中から変化していくのが分かるはずです。言い続けているうちに「適当でいいか!親なんてどうでもいいや!とりあえずランチ行ってこよう〜」と、グンとがんばらない私に近づけるのです。

 

ダメ人間側の世界は行ってしまえば怖くない!

これまでがんばることが当然となっていた人にとっては、「がんばらないでダメ人間になる」ということは怖いことでもあると思うんです。職場で、デキる女のイメージを持たれている人はなおさら。でも、そういうデキる女の人を職場の男性はどう見ているかと言ったら、「役に立つけど痛い人」なんですよね。「そんなにがんばらなくていいのに」と痛々しい目で見ていたり、役に立つからと仕事を任せて、仕事のできない女の子とデートに行っちゃったりする。「君は仕事できるから仕事あげる!君はかわいいからお花あげる!」と。それを見て「何であんな子!」と思いつつ、どこかで自分の魅力のなさを責める、だからがんばるという無限のスパイラルに。
いきなりダメ人間になるのは、ひんしゅくをかったり文句を言われたりしそうで怖いと思いますが、ダメ人間側に行ってしまえば、意外とそんなことは気にならなくなり、居心地がよくなるもの。がんばり屋さんは自己評価が低いところがあるので、人に言われたことを過剰に気にしてしまいがち。しかし、ダメ人間になってしまえば、自然と自己肯定感が強くなり、周りに何を言われてもあまり気にしなくなるのです。最初は嫌な気分になることもあるかもしれないけど、それもみな、お母さんへの罪悪感から来るものなので、「お母さんが不幸になってもいい」「お母さんを捨ててもいい」「お母さんはあれでも幸せなんだ」の3つのセリフを言い続ければOK。言い続けているうちに世の中の見え方がきっと変わってくるはずですから。

 

がんばればがんばるほど将来は不安になる

日本人の多くは、がんばることが素晴らしい、がんばれば報われる、がんばらないと大変な目に合うという、「がんばる教」の信者なんです。がんばればがんばるほど、泥沼にはまったり、思い悩んだりしてしまうのにね。僕は「なんか知らんけど教」。「なんか知らんけど、ヘラヘラしていたらお金いっぱいもらっちゃった。なんか知らんけどヘラヘラしていたらモテちゃったみたいな。カマキリのように一生懸命ガツガツ獲物を捕りに行くのではなく、ちょうちょのように綺麗な服を着て、いろんなところに遊びに行って、ヘラヘラしてうまくやっちゃおうというもの。
「がんばる教」のみなさんは、がんばり屋さんが報われるという考えは今すぐ捨てた方がいいですね。

がんばったという後ろ盾がなくなると、将来が不安になりそう…という人もいるけど、今がんばっているのなら、将来はもっとがんばらないといけなくなりますよ。自分ががんばって10をキープしている状態で男の人に好かれて結婚したとしても、ずっとがんばり続けなきゃいけないわけでしょう。ヘラヘラして、4の状態でいるときに好かれたなら、がんばらないでヘラヘラしたままでも好きでいてくれる。将来への不安というのは、がんばることで10をキープしているから、11、12と上を目指さなくてはいけない不安だったり、「いつまでがんばり続けなきゃいけないの?」という不安だったりする。
なら、がんばらなければいい。がんばらなくても助けてもらえる、好きになってもらえるということを一度知ることができたら、「このままでいいんだ」と楽に暮らしていけますよ。それは仕事でも一緒だと思います。

 

気持ちを上げる魔法のフレーズ

がんばり屋さんはがんばらないことに慣れていないから、最初のうちはうまく行かないこともあるかもしれませんね。そんな時に使える魔法のフレーズを紹介します。
まずは、「あ〜あ、世の中ちょろいわ」というセリフ。できたら椅子に偉そうに座って言ってみてください。そうすると体が笑うはずです。他にも「あ〜あ、私、愛されているのよね」「あ〜あ、愛されちゃった」「いや、私素晴らしいんですけどなにか?」なども。言ってみると、体がぽかぽかしてくるんです。これは細胞が笑っている証拠。そうやって褒められることの抵抗をなくしていくと、楽しくなってきます。例えば、友だちや男性に褒められたときも謙遜するのではなく、「でしょ?そうなの、私素晴らしいのよ」と受け止めてください。謙遜してしまうと相手がくれた褒め言葉を否定してしまうことになるけど、「ありがとう!」と受け入れると相手も褒めてよかったとなるし、自分も素直に受け入れることで気分がよくなり自信にもなるのです。

 

素敵なダメ人間になってヘラヘラと生きて

将来に不安がある人は、がんばらず、いい人にならず、ダメ人間になって、やりたくないことは「やりたくない〜」と放り投げて、好きなように生きてしまえばいいのです。これも最初はなかなか難しいんですけどね。ダメ人間になって、超わがまま人間になること、それが自分らしく生きるコツだし、結果的に幸せへの近道だと思います。勇気を出して、ダメ人間の世界に踏み出してください。最初の一歩を踏み出せれば意外と簡単に行けますよ。ぜひ、嫌な女、ダメな女、ひんしゅくを買う女になってほしいな。がんばらないことができないというのなら、「がんばらないことをがんばる」「がんばってダメ女になる」くらいでいいと思います。ヘラヘラ生きていろんな人に優しくしてもらって楽しく生きてください。ぜひ、素敵なダメ女を目指して、がんばってがんばらないでみてください。

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「本当に?」とちょっと疑問に思いつつも、心屋先生に教えてもらったフレーズを声に出して言ってみると、不思議とがんばらないこと、ダメ人間になることをポジティブに捉えられるようになってくるような気がしてきます。
将来が不安で「もっとがんばらないと!」と思っている方は、試してみる価値ありですよ。がんばらず、自分らしく、ヘラヘラと楽しく生きていきたいものですね。

 

<プロフィール>
心屋仁之助(こころや じんのすけ)

主に個人のクライアントを対象として「性格を変える」「自分を好きになる」サポートを行う、性格リフォーム心理カウンセラー。
兵庫県出身。大学卒業後、佐川急便に新卒で就職、その後、自身の家庭や性格の問題解決を通じて心理の世界に出会い、心理カウンセラーとして起業。
現在は、京都を拠点として独自手法の‘言ってみる’心理カウンセリングや、その手法を広めるためのカウンセリングスクール・セミナー・講演・執筆活動などを行っている。
代表著書に「心が凹んだ時に読む本」(王様文庫)など。

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