無理なく続けられる「プチ投資」のすすめ

2017年09月13日

ボーナスはほとんど貯金。だけど本当は、将来に備えて少し積極的にお金を増やしたい、という人も多いはず。「資産運用なんてお金持ちだけの話」という考えは過去のもの。投資はぐっと手軽で身近なものになっています。

投資デビューにあたっての考え方や、数ある投資向け商品の中から、少額で始められる「プチ投資」にピッタリの商品について、女性ならではの視点でマネープランを提案しているファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんにアドバイスをいただきました。

 

発想を転換して「先取り貯蓄」を始めてみよう

投資のスタイルには大きく分けてふたつあります。ひとつは、お金を大きく増やし、利益が出たら海外旅行にでも行きたい、と考える「攻めのスタイル」。もうひとつは、将来の年金不安や老後不安に備え、貯金だけではお金が増えないので資産運用を、と考える「守りのスタイル」です。セミナーなどで接する20代女性の中でも、後者の堅実なスタイルが増えているようです。

投資デビューがこれからで、かつ将来に備えるための資産運用を考えているのであれば、手間をかけずにコツコツ投資するスタイルを実践したいところ。

そこで、ぜひ始めてほしいのが「先取り貯蓄」です。収入から生活費を差し引き、余ったお金を貯蓄に回すのではなく、毎月一定額を貯蓄と投資資金として先に確保し、余ったお金で生活する、というように発想を転換してみるのです。

「生活費が余ったら」と考えても、毎月計画どおりに出費を抑えられるとは限りません。また「残ったお金を貯めよう」と考えると必要以上の節約志向に陥ってしまい、気持ちの上でもゆとりがなくなってしまいます。「先取り貯蓄」であれば、「残ったお金は1円残らず使ってもOK」なので、気も楽になります。
 

100円からでも購入可能な投資信託

20代後半の女性の場合、毎月の手取り額が20万円として、そのうちの2割である4万円を貯蓄分に確保するのが理想的ですが、例えば東京で一人暮らしとなるとやや厳しい金額かもしれません。であれば、毎月3万円は「先取り貯蓄」に回したいところです。3万円のうち2万円を定期預金に回し、1万円を投資に回すのがバランスとしてよいでしょう。

毎月1万円で、手間も時間もかけずにコツコツスタイルで投資デビューするのなら、「投資信託」がおすすめです。投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配されるしくみの商品です。

さらに、毎月決まった日に一定額を購入する「投信積立」を利用すれば、いつ投資信託を買うか悩むことなく投資ができます。最近では、一部の証券会社で毎月100円から積立ができるようになっており、そうした手軽さも大きな特徴といえます。
 

投信積立なら、毎月の購入額が変更できて継続しやすい

投信積立は、毎月の積立金額を1000円単位や100円単位で変更できるのが特徴です。したがって、「毎月1万円のやりくりがつかなくなったのでやめた」と途中リタイアすることなく、状況に応じて積立金額を調整しながら投資を継続することができます。もし昇給などで収入が月1万円アップしたら、その半額である5000円を毎月の積立金額に上乗せすることも検討してみましょう。

また、投信積立は銀行でも行えるので、「いきなり証券会社はちょっとハードルが高い」と思っている人でも入りやすいでしょう。
 

毎月一定額を貯蓄と投資資金として確保し、余ったお金で生活する「先取り貯蓄」を始めてみましょう。手取り額が月20万円なら、毎月3万円を「先取り貯蓄」。3万円のうち2万円を定期預金に、1万円を投資に回すのがバランスとしてグッド。

確保した投資資金で「プチ投資」するなら、100円から始められる投資信託の積み立て(投信積立)がおすすめ。毎月の積立金も変更できるので、無理なく投資が続けられます。

 

記事監修:大竹のり子
株式会社エフピーウーマン代表取締役。ファイナンシャルアカデミー取締役。書籍・雑誌の編集者を経て、2001年にファイナンシャルプランナーとして独立。正しいお金の知識を伝えることで多くの女性の人生を支援したいという想いから、2005年4月に「女性のためのお金の総合クリニック」として株式会社エフピーウーマンを設立。現在、講演、雑誌、テレビなど多くのメディア出演を通じ、女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)、『パートナー♂に左右されない一生のマネー計画』(梧桐書院)など著書多数。
エフピーウーマン http://www.fpwoman.co.jp/

※投資信託には元本保証および利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じるリスクがあります。商品の特徴を十分ご理解のうえ、ご購入ください。
※この記事は2017年8月時点での情報です。