【職種図鑑】治験コーディネーター(CRC)
スムーズな治験の実施のため、医療機関や協力者の調整役として活躍
仕事内容
厚生労働省の省令に基づき、新薬の効果を確かめるために患者や健康な人に薬を使用してもらい、その身体的データを集めることを「治験」と言います。治験コーディネーター(Clinical Research Coordinato)は、この治験の作業がスムーズに実施できるよう、医療機関や製薬会社、治験の協力者との間に立って調整役を務めます。治験開始前には医師、CRC、関連部署のスタッフが治験実施上の問題点と改善策、スケジュールの確認などを行い、治験コーディネーターはこのミーティングの事前準備を行います。被験者の体調管理やメンタル面でのケア、スケジュール管理も重要な仕事の一つです。主な勤務場所は、医療機関、医療機関を代行して治験の支援を行う「SMO(治験施設支援機関)」、依頼者である製薬会社を代行して支援を行う「CRO(医薬品開発受託機関)」など。治験コーディネーターは、外資系メーカーの勢力拡大に伴う国際的競争の激化により、近年ニーズも高まっている仕事です。
必要なスキルは?
必須の資格はなく、未経験でもチャレンジできる仕事です。医療業務や医薬品に関する知識が必要とされるため、未経験の場合にはまず医療関係の仕事に就き、幅広い知識を身に付けるのがいいでしょう。看護師や薬剤師、臨床検査技師など医療関係の資格を持っていれば、治験コーディネーターとしてステップアップやキャリアチェンジを目指すときに活かせます。また、医師や製薬会社など、さまざまな人と連携をとりながら仕事を進めるため、柔軟なコミュニケーション能力や、信頼される人間性が必要となります。また、医療・医療機器は日々進歩しているので、新しい知識や技術を常に吸収し、勉強する向上心が必要です。思いやりや気配りも欠かせないスキルでしょう。
活かせる経験やスキル
・医療業務や医薬品に関する知識
・看護師や薬剤師、臨床検査技師などの国家資格
・柔軟なコミュニケーション能力
・向上心・気配り
転職お役立ちデータ
●転職難易度…★★☆☆☆
●平均給与…21.9万円
●求人募集の未経験OK比率…66.7%
●活躍できる業種
1位……医療(その他) 57.1%
2位……福祉関連 19.0%
3位……人材派遣 14.3%
身に付くこと、キャリアステップ
治験に関する知識、医療業務や医薬品に関する深い知識が身に付きます。医療業界の将来を左右する仕事なので、日々の業務をこなすうちに責任感とともに正確に業務を遂行できる能力がつくでしょう。また、被験者の精神的サポートを専門的知識の面から行うため、相手に対して気配りや配慮ができるようになります。多くの人と協働するため、コミュニケーションスキルも高まります。業務を行う中で、勉強して高い知識と技術を習得していけば、スペシャリストとして活躍できるでしょう。
この仕事に就く人のナマ声!
・新しい薬の開発に関与できる。(35歳/東京都)
・専門職なので、需要があり、給料も高めです。(28歳/東京都)
・研修をしっかりと行ってくれるので、未経験でも頑張ろうと思えます。(26歳/福岡県)
・これまでの経験や知識も活かしつつさらにスキルアップできる。(31歳/大阪府)
・未経験の業種だったので、必要な知識を一から理解しないといけない。(26歳/福岡県)
・被験者やドクターのスケジュールを調整するのが大変。(31歳/神奈川県)