第二の思春期!? アラサー女性の“モヤモヤ”解決法
多くの企業でメンタルヘルスのカウンセリングやコンサルティングに取り組む「株式会社ハートセラピー」代表の柳原里枝子さんに、解決法をうかがいました。
アラサー女性に「第二の思春期」が訪れるワケは?
女性にとって20代後半から30代前半は、結婚や出産、仕事のキャリアなど、具体的に自分の将来を意識し始める年齢です。周りの友人と自分を比べ「私も早く結婚したい」「年齢的に私もそろそろ出産した方がいいのでは」と焦ったり、会社では中堅になり始め、「この仕事を続けるべきか」などと悩んだり。かといって、決定的な答えがすぐに見つかるわけでもなく、“モヤモヤ”した気持ちを抱えることも多いでしょう。
こうした「第二の思春期」の“モヤモヤ”に対処するには、自分の状況を見つめ直すことが大切です。そのためには具体的にどうしたらよいのか、解説していきましょう。
ひとりで抱え込まずに誰かに相談する
ひとりで悩んでいても“モヤモヤ”した気持ちはなくなりません。漠然と不安になったり悩んだりしないで、友人や会社の同僚、先輩など、誰かに話を聞いてもらいましょう。
また、「周囲と自分を比較して焦る」理由のひとつに、自分の求める価値観や理想像が定まらず、将来本当になりたい姿が見えないことが挙げられます。他人に話すことで自分の不安や悩みを客観視でき、目指す姿やゴールがひらめくきっかけになることも。
ただし、話す相手はきちんと見極めることが大切です。「話したらもっと気分が滅入った……」なんてことにならないよう、ネガティブなことを言いそうな人は避け、話をきちんと受け止めてくれて、ポジティブなアドバイスをしてくれそうな人を選びましょう。
「解決志向のアプローチ法」で、気持ちを整理整頓
「漠然と自分の将来に不安を感じるものの、どうしたらよいかわからない」といったときには、「解決志向のアプローチ法」が有効です。これは、自分の気持ちや目標を書き出し整理整頓することで、問題を解決する方法です。具体的な手順を見ていきましょう。
<解決志向のアプローチ法>
【例】:部署のマネージャーになる。
【例】:昇進してお給料が上がり、部下ができることでやる気もアップ。同期から「すごいね」と褒められ、自分は笑顔で応えている。
そのときの自分の気持ちや周囲の言葉、表情など、映像としてイメージできるくらい詳細に想像して書き出してください。これはゴール達成に向けて動き出すエネルギーになるので、どんな小さなことでも書き出すのがポイントです。
【例】:「マネージメントについて学ぶために本を購入した」「チーム内でのコミュニケーション能力が高い」「マネージャーの仕事について、上司から話を聞いている」。
ここに書き出したものを「資源」と呼びますが、意外と多くの人が、「資源」をたくさん持っていることに気づいていません。そのため自信が持てず、“モヤモヤ”と悩む原因になるのです。自分では気づけない「資源」を、友人などに教えてもらうのもよいでしょう。
【例】:現在4点。マネージャーになるために必要なことについて上司からレクチャーを受け(2点)、マネージメントの本を読んでいる(1点)。コミュニケーション能力が高い(1点)。
【例】:マネージメントの勉強会に申し込む。
「小さな達成感」が“モヤモヤ”を解消してくれる
ここまで自分の気持ちの整理整頓ができたら、あとはゴールに向かってスモールステップを地道に、そして確実に実行していきましょう。自分の今の状況を客観視して、たとえ小さなことでも、ゴールに近づいていく「達成感」を感じられると、“モヤモヤ”した気持ちも薄らいでくるはずです。
アラサー女性の“モヤモヤ”は、「現状への不満」や「将来への不安」が大きな要因となるので、このようにして少しずつ解決していくことが大切です。そして、1週間、2週間……1か月と続けるうちに、ゴールに近づいていくのが実感できるでしょう。
看護師、産業看護師、産業カウンセラー、認定心理士。大学病院での勤務や大手企業の健康管理室勤務を経て2008年、株式会社ハートセラピーを立ち上げる。現在、メンタルヘルスに関わる多くのセミナーで講師を務めるかたわら、ハラスメントやメンタルヘルス対策コンサルティング、解決志向による職場活性化支援を行っている。
※この記事は2018年2月時点での情報です。