オフィスで着ぶくれしたくない女子注目! スマートな冷え対策まとめ
だけど冷え対策とはいえ、ストールやひざ掛け、レッグウォーマーで着ぶくれて、“もっさり”するのはちょっと……。そんな悩める女子を救う「スマートな冷え対策」を、東洋医学に詳しいイシハラクリニック副院長の石原新菜先生に教えていただきました。
オフィス冷えの原因「頭熱足寒」を解消する、体の温め方
昔から、頭を冷やして足を温める「頭寒足熱」が健康によいとされています。しかし、冬のオフィスはその逆。暖房で頭がのぼせて下半身が冷えやすい「頭熱足寒」の環境にあります。
なので、この時季のオフィスでは下半身を重点的に温めるようにしましょう。おすすめは、腹巻き。女性は男性と比べて筋肉量が少ないため体内で熱を発生させにくく、男性よりも冷えやすい体質なので、腹巻きは冬のみならず24時間365日着用してほしいアイテムです。いまは薄手のものもいろいろ売っているので、アウターにもひびきません。下着1枚で体感温度が1℃上昇するといわれていますので、肌着、レギンス、スパッツなどを着用するのでも体感温度が違ってきます。
また、首、手首、足首などは、筋肉や脂肪がほとんどないため、血管から熱が逃げやすい部分です。手首ウォーマー、足首ウォーマーで、ピンポイントに保温してあげましょう。
カイロでお腹や腰を温めるのも効果的です。胃腸が弱い人はへそ上、生理痛のある人はへそ下、とにかく体が冷えるという人はへその中心を。腰を温めるなら、内臓の神経が集まった仙骨のある、お尻の割れ目の上あたりを。肩こりがツライときは両肩甲骨の間を温めます。
休憩タイムは、「爪もみ・ツボ押し・腹式呼吸」で血行促進
冷えの改善には血行をよくすることが大切です。次はオフィスで簡単にできる血行促進方法をご紹介します。
「爪もみ」はデスクでもできる、手軽な方法です。爪の付け根をもむと副交感神経が活性化されてポカポカしてきます。足の冷えは「ツボ押し」で解消。足の親指と人差し指の骨が交わるところにある「太衝(たいしょう)」は、足先の血行をよくするツボ。また、内くるぶしから指幅4本ぐらい上にある「三陰交(さんいんこう)」は、全身の冷えを改善するツボです。
「ひねり腹式呼吸」もぜひ試してみてください。椅子に座ったまま正面を向いて、大きくお腹で息を吸って、上半身を右に90度ひねって3秒間息を止めます。次にお腹の息を吐きながら正面に戻ります。これを、左右3回ずつ繰り返します。
これらを休憩時間などに取り入れて毎日続けると、全身に血がめぐってずいぶん違ってくるはずですよ。
毎日の習慣で、発熱ボディを手に入れよう
オフィスでもそれ以外でも、食事や生活習慣を意識して、日頃から冷えにくい体づくりをしておくことも忘れずに。発熱ボディを手に入れるためのポイントは次のとおりです。
■食事
漢方の考え方では、体を冷やす「陰性」の食べ物と、体を温める「陽性」の食べ物とがあります。陽性の食べ物の特徴は、色が濃い(赤、黒、橙など)、寒い地域が原産、冬が旬。たとえば、にんじん、ごぼうなどの根菜類、りんご、玄米、赤身の肉・魚などです。逆に陰性の食べ物は、色が薄い、熱帯が原産、夏が旬のもの。たとえば白米、バナナ、トマトなどがそう。
■飲み物
ドリンクには陽性のしょうが紅茶を。しょうがの成分であるジンゲロールは温めるとショウガオールに変わり、体の内側から温める効果があります。すりおろしたものでも、粉末でも構いません。しょうがの辛味が苦手な人は、体を冷やす精製された白砂糖ではなく黒砂糖を加えて。コーヒーは黒いけれど陰性なので、陽性のシナモンを加えるといいでしょう。
■運動
体全体で発生する熱の4割は筋肉によってつくられます。つま先立ちやスクワット、壁腕立て伏せなど、室内でできる筋トレを生活習慣に取り入れて、体内から温まる発熱ボディをつくりましょう。
■入浴
毎晩、湯船につかりましょう。よく半身浴がよいといわれますが、冬場はたっぷりのお湯に肩まで10~15分つかるとよく温まります。汗が出はじめたら体温が1℃上ったサイン。入浴でかかる水圧はむくみとりにも効果的です。
医師、イシハラクリニック副院長。医学生の頃から内科医の父・石原結實(ゆうみ)とともに自然医学への造詣を深める。現在は漢方医学、自然療法、食事療法により冷えをはじめとするさまざまな症状、病気の治療にあたる。TV、ラジオ、雑誌などでも活躍中。著書に『1週間で体が変わる「温め美人」生活』(三笠書房)、『美人は食事でできている。』(宝島社)など。
※この記事は2018年1月時点での情報です。