【第1回】悩めるお仕事女子を救う! 尾木ママ 愛のお悩み相談室
仕事、転職、結婚、出産…ライフイベントを前にしてモヤモヤするとはよく言われますが、実際のU29女子の頭の中はもっともっといろいろなことに不安で真剣で、向き合えたり向き合えなかったり、とても複雑なものだと思います。
そんなU29女子が直面するリアルなお悩みに、人生力豊かな尾木ママが愛あるアドバイスを贈ってくれました!
【相談1】りんごのコンポートさん(27歳・商品企画)
お悩み:周りの人が口にするネガティブな話に耐えられない!
現在入社5年目で、商品企画の仕事をしています。私の悩みは、細かいことを気にしすぎてしまうことです。例えば、同僚や取引先の人が軽いノリで他の人を馬鹿にしたりグチを言ったりするとき、些細なことでも耳にするのが耐えられないくらい辛いのです。悲しくてさびしい気分になってしまう。「そんな言い方は間違いだ!」といきなり泣きながら抗議してしまうこともありますが、上司には「そんなことを気にしていたら、もたないよ」と言われます。実際、私は会社員に向いていないんじゃないかと思ったりします。自分の使う言葉、耳にする言葉を選んで、気持ちよく生きていたいのです。でもそれは逃げなのでしょうか。
回答:考え方をプラスに生かせる道がきっとある
自分の居場所を選んで気持ちよく生きたいと考えることは、決して「逃げ」ではありませんよ。そして、他の人も我慢しているからといって、無理をして耐えることが正解というわけではないと思うの。同じ言葉でも、あなたにとっては「耳にするのが耐えられないくらい」苦痛なのですから、何かを変えなければ、自分が辛いですよね。では、どうすればいいでしょうか。
具体策の1つとしては、もしあなたが今の会社で今の仕事を続けたいなら、身近に自分と同じ感覚を持つ仲間を見つけることです。自分だけ孤立していると感じる環境では、一人で抱え込みすぎてしまい、ストレスでつぶれてしまう恐れも。「わかる!私もそう思う」と、それこそグチを言い合える仲間が1人、2人でもいれば、辛さは半減されますし、もしかしたら職場の雰囲気も少しは変わり始めるかもしれませんよ。諦めずに自分の考えを周りに伝え、味方を探してみてください。同じ職場でなくても、SNSやメール、電話や、たまに会ってグチを言い合うなど、気分転換できるような仲間が見つけられるといいですね。
一方で、もし現在の職種や職場に強いこだわりがなければ、会社内での異動や転職という手もありますが、あまり現実的な対応策ではないようにも思います。
なぜなら、異動や転職した先も、同じような環境である可能性も大いに考えられるからです。また、この先、他の職場で仕事をするにしても、結婚や子育てなど新たなライフステージが広がった場合でも、周囲の人のグチや悪口を耳にする機会は、増えることはあっても減ることは残念ながら考えにくいでしょう。
もちろん、悪口や度を越えたグチは良くないかもしれません。ただ、程度や内容にもよりますが、悪口やグチは、言っている本人にとっては、ガス抜きの効果もあるのです。周囲の人の発言をコントロールするのは難しいかもしれませんが、職場の雰囲気を良くしたいのであれば、あなた自身はそういったネガティブな言葉を使わないようにしたり、職場から減らすような雰囲気づくりに取り組んだり、工夫できるかもしれません。そんなあなたの姿に共感してくれる人が増えればしめたものです。
むしろ社会で働き、生きていく上では、そのような、自分にとって耳障りな会話などもうまく聞き流したりかわしたりできる力も、今後は必要になってくるかもしれません。
急には難しいかもしれませんが、受け止め方の工夫を模索してみてくださいね。応援しています。
【相談2】モヤモヤ女子さん(30歳・事務)
お悩み:ずっと働きたいけれど、手に職がなくて将来が不安…。
事務の仕事をしています。入社8年目で、仕事は一通りできるようになったものの、これといって得意分野はなく、このまま事務の仕事を続けていけるのか、不安に襲われるときがあります。私の代わりなんてたくさんいるし…。
プライベートでは、遠距離恋愛中。結婚の話は出ていませんが、仮に結婚するとしても転勤族。でも自分の仕事は続けたい…。仕事もプライベートも迷走中です。
回答:将来を不安に思うより、今を充実させることを意識して
入社8年目で事務の仕事は一通りできるようになって、さてこのままでいいのかとお悩みのようですね。自分の将来が見通せず不安な気持ち、わかります。でも、「迷走中」とおっしゃいますが、捉え方によってはワクワクしませんか?
今の事務の仕事に一定のキャリアを積み、自信もついてきているあなたは、なんらかの一歩を踏み出す時機を迎えているように思います。
もちろん引き続き同じ仕事で、さらにスキルを積むこともできるでしょう。一つ一つの仕事の質をアップするためにどう工夫すればよいか考え、効率性のさらなる向上を追求するのに、ゴールはありませんからね。
一方で、例えば何か資格を取得したり、事務職や異業種の仕事に関する研修会に参加するなど、視野を広げてみるのもオススメです。そういった機会を通じて、今の自分を見つめなおせば、今後のやりたい方向性や、具体的に必要なスキルが見えてくるかもしれませんよ。もともと働き続けたいという意欲が高い方のようですので、いつか異動や転職する状況になっても自信が持てると思います。実際になんらかの行動を起こすことで、前向きになれたり、モチベーションアップにも繋がるのではないでしょうか。
最後に、プライベートについて。今の彼がとても気の合う安心できる人で、こんな人にはもう巡り会えないと思うのであれば、Bさんから結婚の話を出してみてもいいんじゃないかしら。結婚すると今の会社で働くことは難しくなるかもしれませんが、「ここしかない」と決めつけないで。人生は思いがけない出来事の連続です。もちろん自分のやりたいことや将来のビジョンがしっかりあることは素敵なこと。でも、将来のことを必要以上に不安に思わずに、時には運命に身を任せるのも、人生の醍醐味ですよ。与えられたチャンスの中で思ってもみなかった新しい方向性が見つかることも多いんです。63歳にして尾木ママになったボクの経験から、自信をもってそう言えますよ。
尾木直樹(尾木ママ)
教育評論家。法政大学教職課程センター長・教授。臨床教育研究所「虹」所長。中学校、高校、大学で教壇に立ち、現在はその経験を生かして「尾木ママ」の愛称でテレビなどメディアで大活躍している。「尾木ママの7つの人生力」(海竜社)ほか著書多数。またブログ「オギブロ」http://ameblo.jp/oginaoki/では、日々のニュースや社会情勢に対する意見も発信し、人気を呼んでいる。