U29(ユニーク) 女子プロジェクト

長く働いても給与が上がらず、将来が不安…【働く女子お悩み相談】

20代から30代の働く女性は仕事やキャリア、そして恋愛、今後の人生プランなどいろいろと考えることも多いハズ。そんな悩みを抱えるとらばーゆ読者にキャリアカウンセラーの水野順子さんがアドバイス。リアルなお悩み相談に解決の糸口を見つけます。

今回の相談者【今回の相談者】
高橋優さん(31歳/仮名)

短大を卒業後「食べることが好き」という思いから飲食業界に入る。アルバイト、契約社員などで2社ほど転々とするが、21歳の時に大手飲食企業で派遣スタッフから正社員雇用となり現在10年目。未婚・彼氏なし。

勤続年数は長いものの、給与があがらず将来を考えると不安

水野さん:高橋さんはずっと飲食業界にお勤めなんですね。現在の会社で派遣スタッフから正社員になった経緯は会社側からの提案ですか?

高橋さん:そうです。月給はそこまで変わらないですが、賞与や保険などの待遇面を考え受けました。

水野さん:現在のお仕事内容はどのようなものでしょうか?

高橋さん:本社での管理事務です。ただ、繁忙期になると店舗に派遣されて接客もしたりといろいろな仕事を任されるんです。それなのに給料が低くて…。

水野さん:そこが悩みですね。

高橋さん私より社歴が浅い人のほうがどんどん出世して給与が高いんですよ。接客の方がマネージャーや店長など職位がつくので給与が上がりやすいんです。でも、事務職は職位がつかないポジションで給与が上がる可能性はかなり低い

水野さん:接客の仕事にシフトしようとは思わないのですか?

高橋さん:数字に対する意欲が薄いので、お店の売り上げに貢献できないと思うんですよね。会社からは好きなポジションにいって構わないと言われていますが。

水野さん:高橋さんは会社から信頼されているんですね。派遣スタッフから正社員になったことをはじめ、ポジションを選ばせるなんてことは決してありません。

高橋さん:10年いますから接客をはじめ、いろいろな業務を担当してきました。だから、一通り仕事はできるんですよね。

水野さん:その中で自分の適性である事務業務に就いているものの、経験がある分どんどん仕事を任されてしまうんですね。

高橋さん:その通りです。でも、給与はあくまで事務職としての額面なんですよ。

水野さん:確かにそれは不満ですね。給与の不満を会社側に言ったことはありますか?

高橋さん:何度もあります。その度に少しずつ上げてはもらっているんですが、納得する額面にいくまでにはならなくて

水野さん:納得する額面とは具体的にいくらぐらいでしょうか?

高橋さん:額面で30万円は欲しいですね。もしかしたら一生結婚しないで生きていく可能性もありますからそれぐらいはないと厳しいかなと。

自分の市場価値を調べて具体的に給与を交渉すること

水野さん:ちなみに、給与以外の不満は?

高橋さん:ないんですよね。今の仕事は嫌いじゃありませんし、職場の人間関係も良好だし。10年もいるのでやりたいようにやらせてもらっている部分もありますので。ただ、ちょっとほかの会社も見たい気持ちも出てきまして。

水野さん:給与以外で不満がないのならお試し転職はオススメしません。“ちょっとほかも知りたい”ぐらいで転職をすると失敗する可能性が大きいです。環境は給料に変えられないもの。転職して月に30万円もらっても人間関係が悪くなってしまうこともあります。それでもいいから給与を重視したいというなら別ですが。

高橋さん:う~ん、確かにそれは嫌ですね。

水野さん:高橋さんの場合はまず、社内でもう一度交渉してみてはどうでしょうか。ちなみに今まではどのような交渉をしていましたか?

高橋さん:もう少し給与をあげてほしい…みたいな感じですね。

水野さん:もっと具体的に交渉しましょう。まず、勤続年数と現在の業務内容で市場ではどれぐらいの給与なのかなど情報収集をし、明確に数字を出したうえで交渉すべきです。なんとなくの交渉では、なんとなくの結果しか得られませんよ。

高橋さん:情報収集なんてしたことありませんでした!

水野さん:まずは自分の市場価値を客観的に調べましょう。そうすれば転職の際も大きな武器になりますよ。

水野
■プロフィール
水野順子
株式会社キャリアコレクション代表取締役。キャリアカウンセラー、ビジネスメンタルトレーナー。女性とキャリア研究所主宰。女性のライフプランとキャリア支援を得意とし、これまで2万人以上、6万人以上の講演・研修を行っている。著書に『責めない しがみつかない 投げ出さない』。

オフィシャルサイト http://www.mizunojunko.com

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