“知り合い転職”で給料激減!今後の方向性に迷う…【働く女子お悩み相談】
20代から30代の働く女性は仕事やキャリア、そして恋愛、今後の人生プランなどいろいろと考えることも多いハズ。そんな悩みを抱えるとらばーゆ読者にキャリアカウンセラーの水野順子さんがアドバイス。リアルなお悩み相談に解決の糸口を見つけます。
【今回の相談者】
村山さやかさん(34歳/仮名)
大学卒業後、マスコミ業界に正社員として就職するも激務のため退職。しかし、仕事の楽しさから派遣スタッフとして再びマスコミ関連企業に。途中、正社員になるも給与が減るなど待遇面に不満を持ち、会社を辞めて実家に帰ろうか悩んでいたころ、知人から誘われ34歳で小規模の人材派遣会社で経理を担当するようになる。未婚・彼氏なし。
“知り合い転職”の落とし穴に意気消沈
水野さん:マスコミ業界から経理とは異例の抜擢ですね。経理の仕事は今まで経験あったのですか?
村山さん:いえ、まったく。簿記の資格もありませんし。転職してから現場で覚えていっている感じですね。
水野さん:それは素晴らしい! 経理業務は初心者だとなかなか任せてもらえませんよ。今のお仕事は「知人に誘われて」とのことですが、この方は…?
村山さん:実は、以前友人の結婚式で一緒に幹事をやった方で、昔からの知り合いでもなんでもないんです(笑)。幹事の集まりで私が余興の買い物の計算や支出をまとめているのを見て「経理に向いている」と誘われたんですよ。従業員4人の小さな会社を経営している方で、いわゆるワンマン社長(笑)。
水野さん:社長の目に留まるくらい、しっかり仕切っていたんでしょうね。
村山さん:ただ、そんな“知り合い転職”をしてしまったので、給料を決める際も「今、いくら貰っているの?」と聞かれて正直に前会社の月収を答えたら「じゃあ、同じ額で」って感じで。おまけに正社員入社なのに、ボーナスなしで年収にしたら、相当下がってしまったんです。
水野さん:給与は書面でのやりとりでなく口約束ですか?
村山さん:はい…。でも、知り合いということもあって、一度決まるとなかなか給与アップのことを言い出しづらくて。貯金を切り崩しながら生活している状態ですし、もう、東京の会社を辞めて愛知県の実家に帰ろうかなと思っているところです。
水野さん:今の仕事に就く前も実家に帰ろうと思われていたんですよね。なぜ、実家に?
村山さん:親が「結婚もしないなら帰って来い」ってうるさくて。それにもう、34歳ですから愛知県で働くなら1歳でも早いほうがいいかなって。
水野さん:ちなみにご結婚は?
村山さん:彼氏もいませんし、結婚願望も薄いです。
実家に戻るよりもチャンスを活かし、スキルを積むことが今は重要
水野さん:給与のことは置いておいて、村山さんは今のお仕事は好きですか?
村山さん:好きですね。経理はずっとしたかった仕事ですし、実際にしてみて自分に合っているとも思います。
水野さん:先程も言いましたが、経理は未経験で入るのが難しい職種なので、異業種から経理を任された村山さんはすごくラッキーなんですよ。その好機を自ら捨ててしまうのは勿体ないと思いますね。経理は年齢よりも経験値が重視される仕事ですから、1年もたたずに辞めてしまっては、転職の際、経理経験は不足とみなされてしまいます。
村山さん:どれぐらい経験すればいいですか?
水野さん:最低でも2年ですね。まずは決算まで経験をしないと。今の会社で経理業務に携わりながら、簿記の資格を取得したりするなどして経験値を積んでいきましょう。転職するならば、そのスキルを武器に転職することをおススメします。年齢を気にされていましたが、スキルがあれば34歳も36歳も変わりませんよ。
村山さん:給与の面はどう交渉したらいいでしょうか?
水野さん:入社されて10カ月ということなので、1年たったところで自分の実績をアピールしながら交渉しましょう。気を付けてほしいのは、必ず年収の額面で交渉するのと、額面が変わった場合は書面を残すことです。
村山さん:わかりました! 両親には申し訳ないですが(笑)、もう少し東京で頑張ろうと思います!
■プロフィール
水野順子
株式会社キャリアコレクション代表取締役。キャリアカウンセラー、ビジネスメンタルトレーナー。女性とキャリア研究所主宰。女性のライフプランとキャリア支援を得意とし、これまで2万人以上、6万人以上の講演・研修を行っている。著書に『責めない しがみつかない 投げ出さない』。
オフィシャルサイト http://www.mizunojunko.com