U29(ユニーク) 女子プロジェクト

【第2回】悩めるお仕事女子を救う! 尾木ママ 愛のお悩み相談室

尾木直樹氏(尾木ママ)

仕事、転職、結婚、出産…ライフイベントを前にしてモヤモヤするとはよく言われますが、実際のU29女子の頭の中はもっともっといろいろなことに不安で真剣で、向き合えたり向き合えなかったり、とても複雑なものだと思います。
そんなU29女子が直面するリアルなお悩みに、人生力豊かな尾木ママが愛あるアドバイスを贈ってくれました!

 

【相談1】魔女修行中さん(27歳・アミューズメント関連会社企画)

お悩み:退職して世界一周旅行に行きたい!それって逃げですか?

エンターテイメントが好きだったので、大学卒業後にアミューズメントに関わる会社に就職。入社5年目でようやく仕事の本質を掴みかけたものの、自分のこだわりたい部分と会社で重要視される部分が違っていたり、上司とうまくいかなかったりと悩みも多くなってきました。また、「食や睡眠など、人の根本にある生活の豊かさに関わる仕事がしたい」などの新たな気持ちも芽生え、葛藤するように。

退職を機に、かねてからの夢だった、世界一周旅行に行くことを決意。現在は食に関する仕事がしたい、世界に関わる仕事がしたい、と漠然と考えています。しかし、こんな中途半端な状態では帰国後の自分が心配……。結婚を考えている彼氏には専業主婦で全く問題ないと言われていますが、これまでバリバリやってきた分、本当にそれで終わっていいのか? 逃げではないのか? と自問しています。

回答:世界一周旅行は充電期間。自ずと答えが見つかるはず

勤めて5年目くらいはちょうど仕事にも慣れ、自分の現状や今後を見つめ直す時期。転職するときは皆こんな風に悩みます。ボクだってその頃は新聞の求人欄ばかり、毎日見ていましたよ(笑)。

世界一周旅行がキャリアのブランクになるのでは? 専業主婦に収まるのは逃げか? という2つの迷いが生じているようですね。

まず、世界一周旅行についてですが、これは全くマイナスにはなりません。むしろ、絶好のチャンスだと思います。「食に関する仕事、世界に関わる仕事がしたい」という問題意識は既に持っているのだから、きっとそういうニュースなども自然と目に留まっているはず。自分なりの興味・関心の芽が、あなたの中にはたくさん育っているんだと思います。世界一周旅行に行って、さまざまな国や地域の食文化に触れたり、いろいろな経験をすることで、それらが次々と刺激されて、人生がガラリと変わるほどの大きな成果が得られるかもしれませんよ。

例えば、日本の食料余剰問題に関心を持っていたら、食品関連企業や量販店に売れ残った、賞味期限内でまだ食べられる食品と、食べ物に困っている人や施設を繋ぐフードバンクのようなところで働きたいと思うようになるかもしれません。または、世界に関わる仕事のイメージが湧いて、もっと語学力を身に付けて国際的な機関で働いてみよう、と考えるかもしれません。

世界各国を旅するうちに、自分の将来のイメージが湧いてきて、これから何をしようかというのが自ずと見えてきます。また、そのために必要なスキルや資格が見つかったら、帰国後に詳しく調べて、習得するなど進めていけばいいのです。

2つ目の専業主婦になるかどうかについても、旅行後に答えが見えて来るはずです。自分のやりたいことに向かって取り組みつつ、機が熟したのなら、結婚すればいいと思います。

仕事と家庭を両立している人は大勢います。また、現在働き方については社会的にさまざまな議論が交わされています。これからの社会は、より女性が働きやすい環境が整っていくはずですし、そうでなくてはなりません。

評論家みたいに「どうなんだろう?」と頭で考えて心配ばかりしていないで、行動あるのみです!動けば、自分の進みたい道がきっと見えてきますよ。

仕事をしてきた自分のキャリアに自信を持ってください。
ボクは卒業生に贈る色紙に「ありのままに今を輝く」といつも書いています。今輝いていれば明日も輝くし、10年後も輝くんです。感謝の気持ちを持って、今を一生懸命生きていれば、明日も明後日もなんとかなる! それがボクの持論です。

今まで100人以上の卒業生が巣立って行き、その中にはやはり就職後3~5年してから転職した人も多数います。例えば、「収入は半減したけど、自分のダンス教室を立ち上げて日々充実している」という人など、みんな輝いていますよ。
自分なりの答えを探しに行く旅だと思って、大いに世界一周旅行を楽しんできてください。

 

【相談2】しずくちゃんさん(27歳・販売)

お悩み:自分のやりたいことが分からない。どうしたら見つかりますか?

大学卒業後、化粧品販売会社に就職して現在5年目。就職活動時はアミューズメント企業や、ブライダル系の会社を目指していましたが、当時は就職状況が厳しかったのもあって幅広く受験し、合格した会社の中から今の会社に入社しました。

二度の転勤を経験し、現在は化粧品の使い方などをお客さまにお伝えする仕事をしています。土日のイベントに参加することが多いため休みも不規則で友達との時間も取りづらいし、不快なことを言ってくる上司もいたりで、決して楽しくはありません。

転職も考えましたが、自分が何をやりたいのかが分かりません。ちょうど今月、同じ部署の同期と後輩が退職をすることに。二人は留学や、他にやりたいことを見つけての転職など、前向きな理由で会社を去っていきます。仲間たちは次のステージに進んでいるのに、わたしだけ置いて行かれているようで……。
彼氏はいますが結婚をなかなか切り出してくれず、そちらも期待できません。

回答:悩むことはステキなことです。自分に自信を持って。そして行動を!

ボクはこういう人、大好きなの(笑)。周りが前向きな動機を持って会社を辞めていく後ろ姿を見て、焦っているのね。でも、それは周りが動いているから、自分が止まっているように感じてしまうだけです。

悩むこと自体はネガティブなことではありません。悩みは成長に繋がります。だから、こういう悩みを持つことはステキです。

だけど、厳しかった就職活動の経験を少し引きずってしまっているかもしれないですね。かつてやりたいと思っていた仕事に就けなかったことで、今後に関しても大きな希望を持つことが後ろめたいのかもしれないけど、そんなことにこだわらずに、もっと自分に自信を持っていいと思いますよ。

どこの会社に就職するかは、いわば出会いみたいなものです。あなたに能力がなかったわけじゃなくて、そのときたまたま相性が合わなかったというだけ。

現在の会社に不満を持っているようですが、やりたいことが見つかっていない今は、転職のタイミングではないと思います。
では、「どうしたらやりたいことが見つかる?」か。
もしかしたら、今の会社でもやりたいことが見つかるかもしれません。あなたは日々の仕事の忙しさに追われるあまりに、今の仕事や働き方の深掘りができていないのではないでしょうか。

同じ仕事でも視点を変えて本気で取り組めば、やりがいを感じたり、周囲との関係や上司の評価も変わってきたりしますよ。
それでもやはり、今の職場が自分の居場所ではないと感じるのなら、積極的に研修会、セミナーなどに参加してみましょう。いろいろとリサーチして、情報も集めましょう。
いろいろな刺激を受ける中で、自分のやりたいことがきっと見つかりますよ。それから自分は何ができるか、どんな能力を身に付ける必要があるかを考えて、ベストを尽くしてみてください。

そして、感謝の気持ちを持つことも大事です。仲間が去っていって、おいてきぼりになったように感じただけで、あなたは会社をクビになったわけでもないし、仕事で何か大きな失敗をしたわけでもないでしょう?

たとえどんなに不本意な状況に見えたとしても、そこにある自分の良さや幸せを発見しそれに感謝することができたら、それは前向きになるためのエネルギーに転化できます。
感謝の気持ちを持って現状を受け止め、誠実に自分の悩みにぶつかってみてください。

あと、「彼氏はいるけど、結婚を切り出してくれない」って、こちらもかなり受け身ですね。この人だと思ったら、自分から結婚を申し込んでもいいのかも? まずは一歩、踏み出してみてください!

尾木直樹(尾木ママ)

尾木直樹(尾木ママ)
教育評論家。法政大学教職課程センター長・教授。臨床教育研究所「虹」所長。中学校、高校、大学で教壇に立ち、現在はその経験を生かして「尾木ママ」の愛称でテレビなどメディアで大活躍している。「尾木ママの7つの人生力」(海竜社)ほか著書多数。またブログ「オギブロ」http://ameblo.jp/oginaoki/では、日々のニュースや社会情勢に対する意見も発信し、人気を呼んでいる。

ほかの記事もチェック