仕事量を減らさずに一日6時間勤務を実現!2児を育てるママの効率的な仕事術

2017年01月13日

仕事と家庭を両立!働くママの最新事例
株式会社マンダム 萩原奈津子さん

マンダム社 萩原様

萩原奈津子さんのプロフィール
2003年大学を卒業、新卒で株式会社マンダム入社。2009年にIT関連企業に勤務する夫と結婚、2度の産休・育休を経験。5歳の男の子、2歳の女の子の2児を育てながら仕事を続けている。営業、営業企画、開発部署を経て、現在、東京・南青山にあるマーケティングオフィスに勤務。商品PR室主任。

現在のお仕事内容を教えてください。

私の仕事は大きく分けるとふたつで、ひとつめは女性誌やWebなどのメディアに対して女性向け新商品を売り込むことです。「マンダム」といえば男性用商品のイメージが強いと思いますが、女性向けのコスメアイテムも扱っているんです。

そしてもうひとつは、社会人や学生向けに、においケアの啓発を中心とした「身だしなみ啓発セミナー」を開催し、身だしなみ意識を高める活動です。企業や学校へ出向いて私自身がお話しをします。このようにメディアや商品を通じてケアの大切さや快適な生活を提案するといったPR業務を行っています。

学生のころ、就活するにあたり「自分が好きで楽しくできる仕事でなくては、長続きしない」と思い、業界を化粧品とお菓子メーカーのふたつに限定しました。そのころ、マンダムグループの女性用コスメブランドが流行していましたし、「マンダム」といえば、父親の整髪剤など子どものころから身近に商品があったので安心感もあり、当社に入社を希望しました。もともとメイクやファッションに関心があったので、自分が好きな化粧品にかかわる仕事ができて、毎日が楽しく充実していますね。先ほどの「身だしなみ啓発セミナー」というのは、実は私がプレゼンして採用された企画なんです。自分の提案を実現できてやりがいを感じています。

一日の流れを教えていただけますか?

夫の仕事が忙しく、平日は家庭のことはほとんど私が担っています。上の子と下の子は別々の保育園に通っているので、送り迎えだけでも一大行事です。毎朝6時に起床し、子どもが起きる前に、自分のメイクや身支度をすませています。それから子どもを起こして朝食を作って食べさせて、自分もしっかり食べてから保育園へふたりを送って、それから出社ですね。今朝なんかは、出かけようとしたら、ふたりともおもらししちゃって「うわ~っ!」でした(笑)

9時30分に始業で、今は時短勤務なので繁忙期以外は16時30分の退社です。時間があれば買い物、ふたりを保育園に迎えに行って帰宅後は夕食作り、片づけ、お風呂、洗濯、翌日の登園準備、寝かしつけまで分刻みのスケジュールです。疲れていっしょに寝てしまうこともありますが、子どもが寝たあとの時間を使って、リメイクやハンドメイドなどの趣味を楽しむことも忘れません。そうすると就寝時間は0~1時と遅くなってしまいますが、手を動かすことが私のストレス解消法ですね。今日つけているピアスも自作なんです。

マンダム社 萩原様

「マンダム」に勤務して13年。営業、営業企画・開発部署を経て、会社を知り尽くしてからの商品PR室配属でさらなるキャリアを積む

仕事と家庭の両立をつらく感じることはないですか?

平日は戦争のようですが、夫が忙しいなりにフォローしてくれるのでなんとか夫婦で協力しながらやっています。日帰りや1泊の出張に行くことができるのも、夫のおかげです。でも、やはり職場の環境は大きいと思います。

私は学生のころ「結婚したら仕事をやめて、専業主婦になるのかなぁ」と、漠然と考えていました。しかし、現在の上司が結婚→出産→育休→職場復帰という手本を見せてくださいました。周囲の理解と協力があれば、女性がライフイベントを乗り越えながら働き続けることができる、という確信が持てたのです。私もせっかく手に入れた好きな仕事を手放したくないと思うようになり、あとに続けと結婚後は二人の子どもを出産し、育てながら働いています。

職場に復帰されてから、仕事の仕方は変わりましたか?

復帰してからは9時30分から16時30分までの勤務なので、フルタイムの頃と比べて4分の3以下程度に仕事にかけていた時間を短縮しなければならず、最初はとても大変でした。でも、時短勤務でやってみるうちに、思ったよりも仕事に集中して、時間内にぎゅっと凝縮できるということがわかりました。子どもにいつ何が起こるかわからないので、優先順位を設定していかに効率よく仕事をまわすか、前倒しで片づけられる仕事はないか、などを以前より考えるようになったからですかね。

またこれまでは仕事があふれた分もなんとか自分でカバーしようとしていたのですが、子どもを持ってからは、自分しかできない仕事かどうかを見極めて、ある程度、人に仕事を任せることができるようにもなりました。上司が産休・育休の間、私に仕事を全面的に任せてくださって、自分が大きく成長できたという経験もあったからです。ママになり、時間に限りができても、以前と同じように会社に貢献できる働き方を心がけています。

萩原さん以外にも、お子さんを持つ社員はいらっしゃいますか?

私のチームは自分を含めて7名ですが、結婚し家庭を持っているメンバーが大半です。ですから、誰かに何かがあったときはチーム全体でフォローしながら、部署としてスケジュールに遅れを出すことなく、スムーズに仕事が進められるようにしています。お互いの家庭の事情や業務の進捗状況を理解するため声をかけ合うことや、密にコミュニケーションをとることが大切ですね。当社では、男性社員の育児休暇取得にも積極的に取り組んでいて、厚生労働省のイクメンサポーター登録企業でもあります。実際に、同じチームの30代の後輩男性社員がこれから育休をとる予定です。

育児勤務者だけではなく、ほかにも介護、または育児・介護の両方を担う社員も仕事が続けられるように、場所や時間にとらわれず、フレキシブルに働くことができる環境になることを期待しています。

マンダム社 オフィスの様子

その日にチームが座る場所は、毎朝くじ引きで決めるというユニークなシステム。オフィスはまるでカフェのようなインテリアで、窓際のゆったりとした空間で仕事をする日もあるという

最後に、U29女子に向けて一言お願いします。

仕事と家庭の両立って、例えば家庭で行き詰まることがあっても、職場に来ると自然とパチッと気持ちを切り替えることができます。違う自分になれるというか、仕事=好きなことなのでリフレッシュにもなるんですね。どちらか一方だと、私はきっと息がつまって苦しくなっていたと思います。仕事があると「自立している」という安心感もありますし。

私は、女性の生き方の中に仕事を含めると、選択肢が増えていいと思います。結婚する・しない、出産する・しないなど、女性の岐路はたくさんあって、どれをどのように選ぶかは人それぞれですが、いろいろな道が見えてきますよね。男性よりも生き方の幅が広くて、いかようにも、人生を豊かにすることができるのではないでしょうか。だから女性は「こうあるべき」と決めつけず、自由に何でも選択して自らの力で人生を切り開いていってほしいと思います。

マンダム社 萩原様

「産休・育休を経ても、同じ部署に戻って仕事を継続できる制度がとても助かります。上司が復帰後バリバリ働く姿を見て、自分もできる!と思いました」

(インタビュー/兼子梨花 構成/風来堂 撮影/清水信吾)