スペシャルインタビュー

仕事探しにちょっと疲れたり、転職活動中に立ち止まってしまったりすること、ありますよね。このSpecial企画では、今注目の人から、今の仕事、そして仕事との向き合い方についてインタビュー。あなたに仕事探しや生き方のヒントをお届けします。
芸人・俳優 塚地武雅さん
メインphoto
profile
つかじむが●1971年11月25日生まれ。大阪府出身。大学卒業後にメーカーに就職するが、お笑いの夢をあきらめられず、養成所(JCA)へ入学。1996年、相方の鈴木 拓と共に「ドランクドラゴン」を結成。バラエティ番組「はねるのトビラ」や「エンタの神様」に出演し人気芸人となる。「子犬のワルツ」など、ドラマで俳優としても活躍し、2006年に公開された映画『間宮兄弟』では第30回アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の賞を受賞している。
『ハンサム★スーツ』2009年3月13日(金)DVD発売
サブカット
母親の遺した定食屋「こころ屋」を営む心優しいブサイク大木琢郎(塚地武雅)。新人アルバイト寛子(北川景子)に恋するもフラれてしまい失意の毎日。そんなある日、着るだけでハンサムになってしまう「ハンサム・スーツ」を手に入れ、人気モデル光山杏仁(谷原章介)として新しい人生を手に入れるが…。観ている誰もが元気になれるスーパードリーム・エンタテインメントが念願のDVD化。
公式サイト
http://www.handsome-suits.com/main.html
芸人だけでなく、最近では映画『ハンサム★スーツ』に出演し、役者としても注目、そして評価されている塚地武雅さん。しかし、意外にも芸人デビューは遅い。会社員から芸人を目指した理由、そして、役者としての自分を語ってもらいました。
塚地さんは、もともと会社員からお笑いの世界へ飛び込んだ“超異業種転職者”ですが、きっかけは何だったんですか?
塚地さん「ちゃんと働けばそこそこ暮らしていける会社だったんですけど、気が付いたら仕事中に手帳へネタを書いてたりしてて。別に、当時やっている仕事が嫌ではなかったんですけど“このまま死んだらどうするんやろ”って思ったんです。もし、不治の病にかかって死ぬ前に何を言うかと考えたとき“良かった、オレの人生”じゃなくて“オレ、お笑いやりたかってん”と言うなって。お笑いはホンマにやりたかったことなんですけど、大学まで出してもらって就職もせんかったらシャレにならんと、世間体を考えて会社員になったから、親にも友達にもずっと隠していたんです。仕事って“この仕事メッチャ好きや”と思って働くか、“あんまハマってない仕事やけど、食うために続ける。そのかわり休みの日はサブカット自分の趣味に没頭する”か、にわかれるんじゃないでしょうか?当時はその両方ともできてなかったんです。きっと、どっちかになれていたら会社員は続けてたんやないかな」
周りの反応はどうでしたか?
塚地さん「もう、ドン引きですよ。会社の上司や友達や親戚とか“アホちゃうか”って。会社辞めるときも相当のパワー使いましたし。ドラマで見る辞表をドカンと出して、それで終わりなんてのをイメージしてたもんですから、辞表出して上司から“残り1カ月頑張って”なんて言われて“あと1カ月も働かなあかんのか”って呆然。辞表出したヤツがカタログとか見て商品覚えてるんですよ。今後、確実に何の役にも立たんのに(笑)。家に帰れば帰ったで、夕飯がみんなステーキなのに僕だけチキンラーメンやったり」
そんな逆境を乗り越えて、お笑いの世界へ飛び込んだわけですが、最初は泣かず飛ばずだったんですよね。
塚地さん「会社員を辞めて、お笑いやってるっていう気合や自信みたいなのがあったから、すごく斜に構えていた。でも、そんなイジりにくい芸人、誰もからんでくれんわけですよ。でも、僕がどんどん太ってきたら、“太ってんなぁ”みたいな感じでイジられるようになってきた。この辺りから、斜に構えてカッコいいオレではなく、カッコつけずにやったほうが目立てるし、オイシイなと思い始めたんですよ。それで、笑いの方向性を少しずつ変えていったんです。自分が思っていたことを転換するのって難しいけど、それに気付けると新しい可能性が見えてくるんですよね。それに気付いたからこそ、こうやって『ハンサム★スーツ』で主演のお話もいただけましたし」
映画の中でモテない男、琢郎を演じていますが共感する部分はあったんですか?
塚地さん「料理が上手とか、友達が多いとかまったく違うところもありますけど、モテへんとか女性に対してのひがみや、イケメンへのジェラシーなんかは共感しましたね。て、ゆーか、これオレですもん(笑)。だから、役を飛び越えているところもたくさんあって、琢郎が片思いしている北川景子ちゃん演じる寛子に“告白してくれて嬉しかった”と言われるシーンで、“なぐさめなんかいらん”と僕が怒りのセリフを言うんです。でも、あのセリフは『琢郎が寛子』に、ではなく完全に『塚地が北川に』キレてましサブカットたね。そんなん言うからブサイクは辛いめにあうねん!みたいな。カットがかかった後も“あーゆーこと言うヤツおんねんから、ブサイクは困るんですわ”って監督に怒りをぶちまけてましたね」
もしも、ハンサムスーツを1日だけ着てハンサムになれるとしたら、塚地さんだったら何をしますか?
塚地さん「うわ〜、難しい質問しますねぇ〜。もう、やらしいことしか浮かんできませんわ(笑)。そうやなぁ〜、まる1日オフの日に極上の女性を朝から晩までナンパする。ハンサムをフルに活かして、なんとかその日中にモノにする!って、やっぱりやらしいことしか思い付きません
インタビュー・文/中屋麻衣子、撮影/早坂卓也、スタイリスト/松本祐輔(UPWARD)、ヘアメイク/松澤真弓(TTA)、衣裳/VAULT 03-5785-3214
女性の求人・転職:とらばーゆ