この『ヘブンズ・ドア』はどんな映画?
大森さん「余命わずかと宣告された若い2人が、
さまざまなハプニングに巻き込まれながらも、残された人生を全力で駆け抜けていく。死に向かっていく話ではあるんですが、悲観せずに、だからこそ今を生きようという、そんなメッセージが込められた映画です」
リミットがあるからこそ、今を精一杯生きる大切さがわかるという…。
大森さん「そうですね。今しかないから、今を楽しむ。私自身もそういうタイプで、せっかちだから、何でも今日中に決めたいんです(笑)。もちろん、鬱々と悩む時期も必要だけど、そうやって躊躇したり、よどんでいる時間がもったいなくて…」
決断力があるんですね。
大森さん「これ以上、状況が良くなることはないと思ったら、もう次のことを考えますね。考えながら地盤を固めて、今だと思ったら行動する。瞬発力はあるほうだと思います」
大森さんがOLからテレビ局のADになったのも、その瞬発力で?
大森さん「マスコミセミナーでテレビ局の制作部長の話を聞いたらすごく面白くて。セミナーのあと、エレベーターまで素早く追いかけて行って名刺をもらったんです。それからしつこく電話をして(笑)、フリーのADとして制作現場に入らせてもらいました」
不安はなかったですか?
大森さん「どんなに慎重に事を進めても、失敗は誰にでも起こるもの。だから私は失敗を楽しむようにしています。実は私、よく道に迷うんです。この間、波照間島を一人旅したときも、自転車でぐるぐる回っていたら、帰れなくなっちゃって(笑)。でも、海辺で猫の集団に出会ったり、汗だくになりながら、ギリギリまで冒険を楽しみました。そうやって道に迷っても、思いがけないものが見つかったりするんですよね。だから、やれることはやっておかないと」
先のことは誰も予測できないから、まずは行動してみる。
大森さん「そうですね。今回の映画の春海(福田麻由子)も、ずっと病院暮らしで動き出すきっかけがなかったけれ
ど、勝人(長瀬智也)に出会って1本の筋が見えた。だから思わず走り出した。そうやって少しでも光が見えたら、光のある方向に歩き始めてみることが大切なんだと思います」
そういう“光”を見つけるには?
大森さん「自分はどんなことに興味があるのか、常に意識しておくことですね。好きなものへのキーワードに敏感になっておく。そうやってレーダーを張っておけば、雑誌を読んでいても、電車に乗っていても、『これ面白そう!』と思えるきっかけに出会えますから。今は冒険しにくい世の中かもしれないけれど、自分の本能を閉じてしまっていると、ストレスになることもある。パワーを貯める時期も必要だけど、飛び出すときも人生には必要で、それがチャンスにつながっていくんだと思います」