ついにスタート! 投資初心者向け「つみたてNISA」ってどんなもの?

2018年02月27日

投資に興味はあるけど、なかなかきっかけがなくて……という人、多いのでは? そこで今回は、2018年1月から新しく始まった「つみたてNISA」をご紹介。経験もないし、いきなり高額な投資はちょっと……という投資初心者が、資産を効率的に増やす手段として注目を集めている制度です!

投資初心者にとってメリットが多いといわれる「つみたてNISA」ですが、どんな特徴があるのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんにうかがいました。

 

将来の自分を守るために……若いときにこそ資産運用を

貯金で資金を増やしたり、公的年金だけで老後を暮らせる時代も今や昔。これからは「自分の将来のお金は自分で準備しておく時代」です。老後なんてまだまだ先だし、日々の生活でそんなに余裕もない……なんて言ってはいられません。将来の自分を守ることができるのは、自分だけ!と心得て、時間も体力もある若いうちから、先を見据えて早く行動するのが賢い選択です。

でも、いきなり資産運用や投資をするのは不安ですよね? そこで、将来のために資金を効率的に増やせるようにと、国がバックアップ制度を整えたのが「つみたてNISA」なんです。以前からある「NISA」と比べても、資金が少ない若い世代や、投資未経験者に対してのハードルが低く、税制などのメリットが大きくなっているのが特徴です。
 

「つみたてNISA」のメリットとは?

まず、従来の「NISA」と、新制度の「つみたてNISA」の特徴を比べてみましょう。


※1 証券取引所に上場している投資信託。株価指数などの指数に連動するように価格が設定されている。
※2 多くの投資家から集めた資金で不動産に投資し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する商品。

ずばり、「つみたてNISA」ならではのメリットは、大きく次の2つ

少額からでも運用可能
1年間で40万円まで投資可能です。最低投資金額は金融機関によって異なりますが、ネット証券大手の中には最低金額100円から積立てできるところも。少額から無理せず運用可能なのが最大の魅力です。

長期運用でコツコツ資金UP&リスク分散
つみたてNISAでは2037年までの「最長20年間にわたって、分配金などの利益が非課税」になります。つまり2018年から始めて20年間、年間40万円を積立投資していけば、最大投資額800万円で得られた利益が非課税という恩恵が受けられます。対して、現行のNISAでは非課税メリットを受けられる最大投資額は600万円までですし、非課税が適用される期間も短い設定です。つみたてNISAは、長期運用することで、リスク分散を図ることもできます。

つまり、少額からの長期運用で大きなリスクを回避し、無理なく少しずつ、安定的に資金を増やしていきたい人にピッタリなのが「つみたてNISA」なんです。
 

「つみたてNISA」はどうすれば始められる?

それでは、つみたてNISAを実際始めるにはどうしたらいいか、見ていきましょう。

(1)専用口座を開設しよう

まず必要なのが、金融機関で専用口座を開くことです。ここで鍵となるのが「どの金融機関で口座を開くか」です。なぜなら、つみたてNISAの対象商品は計135本(2017年12月現在)と金融庁により決められていますが、金融機関によってそのうちの取り扱い商品内容や数が異なっているからです。そのため、つみたてNISA専用口座を開くときは、投資したい対象商品を扱っている金融機関を選ぶ必要があります。もし、投資商品を選びきれないという場合は、取り扱い商品数が多い金融機関を選ぶのもよいでしょう。

(2)投資する商品の選び方
投資する商品の内容は大きく2タイプに分けられます。投資先が日本国内などひとつだけの「特定の投資対象に投資をする投資信託」と、日本、先進国、新興国など世界中の投資先がバランスよく組み合わされている「バランス型投資信託」です。日本で応援したい企業などがある場合は「日本の株式に投資をする投資信託」を、世界中の経済成長の恩恵(利益)を求めるのであれば、世界中に投資先が分散されることでリスク回避もできる「バランス型投資信託」がオススメ。

(3)購入前に、安定性&過去の実績を確認してシミュレーションを

気になる商品を見つけたら、購入前に必ず「過去の投資実績」を確認しましょう。長期にわたって利益実績をあげている商品は、今後も実績をあげ続けていく可能性が高いといえます。リスクとリターンのバランスや効率性を数値化している、「シャープレシオ(効率係数)」という指標がありますが、この、シャープレシオ値(※3)が高いほど、ローリスク&ハイリターンを表していることになります。こういったものを活用し、今後どれくらい利益やリスクがあるのか、インターネットなどで運用シミュレーションをして、納得してから購入しましょう。

※3 リターンをリスクで割った数値で、「1リスクあたりのリターンの大きさ」を表す。投信評価サイトやネット証券の投信情報ページなどで確認できる。

(4)定期的に運用内容のチェックを
運用を始めたら、金融機関に管理を任せっぱなしではダメ! 運用会社から送られてくる月々の運用報告レポートをチェックして、自分の資産がどのように運用され、利益がどれくらい出ているかを必ず確認しましょう。最初はレポートの内容が細かく理解できなくても、自ら確認し続けることで、理解も深まっていくはずです。さらに、経済ニュースをこまめにチェックしたり、金融機関などが行っているセミナーに通うなどして、知識を増やしていくことが、リスクを回避して利益を安定的に出していく一番の秘訣です。
 

大切な資産を賢く増やすためには、デメリットも知っておくことが大切。つみたてNISAは、他の投資に比べてリスク分散されているので、大損する可能性は高くありませんが、決して「元本保証」されている訳ではないことを理解しておきましょう。

しかし、金融機関に預けているだけでは、これからの時代、資産UPは望めないのも確か。まずは月1万円からなど、無理のない金額から始めてみてはいかがでしょうか。

 

記事監修:山中伸枝
株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役。確定拠出年金相談ねっと代表。アメリカ・オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカー勤務を経て、日本FP協会認定 ファイナンシャルプランナーに。これからは自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代という考えのもと、お金のアドバイザーとして講演・相談・執筆を中心に活動中。『ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本』(翔泳社)をはじめ著書多数。

 
※投資には元本保証および利回り保証のいずれもありません。商品の特徴を十分ご理解のうえ、ご購入ください。
※この記事は2017年12月時点での情報です。