将来を見据えてさまざまな経験を積もう!子育てと仕事をうまく両立するコツとは?

2016年03月04日

「自分を変えたい」と思ったとき、みなさんはどんな行動を起こしますか?
引っ越してみる、いつもとは違う友だちに会ってみる、職場を変えてみるのも一つの方法かもしれません。でも、転職にはなかなか勇気がいりますよね。
そこで、さまざまな理由で過去に転職をした先輩女性に、一体なにを変えたかったのか、そして転職により、なにが変わったのかを伺います。みなさんの迷いを解決するヒントが見つかるかもしれません。

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向井さんは、一児の母でありながらフルタイムで働くワーキングマザー。受付の仕事、広告代理店勤務などを経て、現在の化粧品販売会社に転職しました。「女性が幸せに働ける環境づくり」を社外に知ってもらいたい一心で広報部を立ち上げ、現在は、製品開発部で新製品の企画から製品化までを担当しています。
今回は働くママである向井さんに、育児と仕事の両立のコツや、ワーキングマザーを支援する会社の制度について伺いました。

【向井さんから学ぶ成功の秘訣】

・担当分野外の仕事にも挑戦し、さまざまな経験を積むこと
・社内で情報共有して効率化し、前倒しで仕事をすること
・子育ての経験が仕事に活かされることもあると知ること

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担当分野外の仕事にも挑戦して、経験を積む

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-さまざまなご職業を経験されていますが、どのように転職を決めたのでしょうか?

前職は、入社当時20人ほどしかいない小さな出版会社でした(グラフa)。もともとは営業事務として入社したのですが、支社の立ち上げに参加したことで、人事からライター、経理などあらゆる仕事を経験でき、やりがいを感じていました(グラフb)自分が担当する仕事以外にも、いろいろなことをやりたいタイプなんだと思います。
勤めていた8年間、うれしいことに会社がどんどん成長して社員の数も200人を超えました。

しかし、ずっと勤めてきた会社が大きくなるのはうれしい反面で、人が増えてきたこともあり部署外の仕事がだんだんできなくなったんです。そこに不満を感じ、「もっといろいろなことをやりたい!」という思いが募ったことで、転職を考えるようになりました。

といっても、そこまで積極的ではなく、ライトな気持ちで求人を見ていたところ、今の会社を見つけたんです。「楽しそうな会社だな」という第一印象と、すごく人が足りていなさそうだなと思いました(笑)。また会社の成長に携わりたいという思いから、転職を決意しましたね。

-今の会社は、社員の9割が女性ということもあり、育児支援にも力を入れていますよね。そういうメリットからも、この会社を選んだのでしょうか。

いえ。出産したのは入社してからなんですよ(グラフc)。実は、転職してすぐに妊娠が発覚しました。申し訳ない気持ちで報告をしたら、快く受け入れてくれて。人が足りない状態で入社してすぐに戦力外になってしまったのに、「育休後に復職していいよ」と言われたんです。この恩は、必ず仕事で返そうと思いました。

産休を取るのは私が3人目だったのですが、そうとは思えないくらいスムーズに育休から復職できる制度が整っていてすごい会社だなと思いました。この制度をもっと社外の方に知ってほしいと思い、もともと担当していた経理の仕事はアウトソーシングして、広報部を立ち上げました。

余裕を持って働くことでストレスなく育児と両立できる

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-女性社員のなかで、お子さんがいらっしゃる方はどのくらいの人数なのでしょうか?

40人いる女性社員の半数は育児をしながら働いています。産休中が5人ほどいて、昨日2人が妊娠を発表しました。少子化とは思えないくらいの出産率ですよね(笑)。
最初は独身女性のみの会社でしたが、社長が出産をしたことを機に育休の制度を整えました。育児と仕事を両立しているロールモデルができたので、女性社員たちも躊躇なく子どもを作ることができるんだと思います。

-現在、育児をしながらフルタイムで働いていらっしゃいますが、仕事と育児を両立させるためにどんな工夫をされていますか?

子どもの急な発熱などに対応できるように、まずは仕事のスケジュールをしっかり決め、決めたスケジュールよりも前倒しで業務をこなすようにしています。だいたい、締め切りの2日前には終わらせますね。仕事にとりかかる前にその仕事のゴールや目的を明確にし、部内での情報共有を徹底することで仕事を効率的に進める工夫も欠かせません。幼稚園のお迎えに間に合うように、時間に対する意識を常に持っているからだと思いますね。
長女も5歳になり、あまり手がかからなくなったのですが、風邪などで登園許可がおりない際はかなり大変ですね。そういうときは会社の制度を利用している部分が大きいです。

-どういった制度を利用されているのでしょうか?

「病児シッター制度」ですね。先ほど話した通り、登園許可がおりないと家で子どもの面倒を見なければならないので、会社に行くことができません。でも、シッターは1日利用するだけで約2万円かかってしまいます。普通の会社員では手が出せない値段ですよね。しかし、この会社では1日300円でシッターを利用することができる制度が整っています。
先週、子どもがおたふく風邪になり1週間幼稚園に行けずに病児シッター制度を利用しました。治ったと思ったら今度はインフルエンザになったんですよ(笑)。会社を2週間も休むことなんてできませんし、預けられる人が周りにいないので、この制度にすごく助けられています。ただ、私は子どもが病気になったら全部シッターにお任せするのではなく、子どもが辛そうなときは会社を休んで看病し、子どもの症状が落ち着いてきたらシッターに任せるようにしています。

子育て中にやむを得ず会社を休むときに感じる「周りに迷惑をかけてしまうのではないか」というストレスは辛いものです。そういった意味でも、子どもをプロであるシッターに預け、安心して仕事に集中できる病児シッター制度はとても便利ですね。
また、時短社員とフルタイム社員は勤務時間の差が1時間ほどしかないため、業務に支障がでにくい特徴があります。そのおかげで、時短でも役職に就くことができるんです。

子育ての経験があるからこそ、今の仕事がある

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-現在は、広報から製品開発部に移られたそうですが、子育ての経験が製品開発に活かされることはありますか?

そうですね。今年の1月に、私が2年かけて企画から開発までをやった補正下着が発売になりました。
この補正下着を企画しようと思ったきっかけは、自分自身が抱えていた悩みなんです。産後は、胸の形をきれいに見せることよりも、すぐに授乳できることを重点に置いて下着を選んでいました。でも、育児がだいぶ落ち着いてきたある日、自分の胸の形が崩れたかもと気づいてショックを受けてしまって…。さっそく補正下着を着用しようと思ったのですが、市販されている補正下着は、体をきつく締め付けるものが多く、「着たい!」と思える商品がありませんでした。

そこで、部署外の人も就業時間外に自分で開発をして企画を出すことができる「製品開発塾」という制度を利用して、自分が着たくなるような補正下着の企画をたてることにしました。企画書の書き方もわからなかったのですが、製品開発部の方たちに協力してもらいながら、なんとか企画が完成。協力してくれる会社も見つかり、製品化につなげることができました。

私自身の悩みからのものなので、この補正下着は自信を持ってオススメできます! この経験をふまえて、製品開発をするときは、周りの人が本当に欲しいものを作ることを意識するようになりました。そのほうが結果としてお客様の満足度の高いものが作れるのではないかと思いますね。

U29女子へのアドバイス「産休・育休後も働けるよう、さまざまな経験を積んでおくこと」

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-最後にU29女子へのアドバイスをお願いします。

子育ては大変ですが、それ以上に子どもと一緒にいると面白いことがたくさんあります。

仕事を手放すのは簡単だけれど、子どもができてから再就職することは今の日本ではかなり大変だと思います。ですから、担当している業務のスキルを磨くことや、専門外のことにもチャレンジして経験を積むなど、産後も仕事ができるように自分のキャリアを成長させる準備も大切です。今のうちに蓄えたスキルとキャリアだけでなく、子育ての経験が、産休・育休明けの仕事や転職に活かされるはずです。あきらめずに頑張ってほしいですね。

 

(モニカ+プレスラボ)