悩みながら見つけた「自分らしいライフスタイル」
30歳を目前に「自分が本当にやりたいことは何だろう?」と不安になることもありますよね。かつてU29女子だった先輩女子に、当時のリアルを聞いてきました!今回は、転職をして“自分らしいライフスタイル”を実現したという大貫さんをご紹介します。
どこかで違和感を持ちながらも、銀行で働いた4年間。
20代後半に1年間フリーターをしながら模索した時期があったという大貫さん。
一体どうやって今の働き方を実現できたのか、お話を伺いました。―新卒で就職されたときは、なぜ銀行を選んだのでしょうか?
就職活動の面接が苦手で…。大学の推薦枠があったので、それで銀行に就職しました。キャリアを積みたいというよりは、定時に上がれる一般職がいいなと。当時は、20代前半で結婚するだろうと思っていたのもあって(笑)。趣味でやっていたカメラや洋服作りの時間がちゃんと取れることを重視していましたね。
―銀行のお仕事はどうでした?
イメージとちょっと違って、残業が多くて…。定時の17時に帰れたのは入社初日だけ。通っていた料理教室もドタキャンせざるを得なかったりして、自分には合わないと感じていました。なので、モチベーションもあまり上がらず…。
―逆に銀行のお仕事で良かったことはありますか?
スペシャリストとしての仕事なので、お客様への対応や、他の業務一つ一つをとっても、一流の仕事ができていたと思います。他の会社でも、自信を持って働けるスキルがつきましたね。
自分らしい生活を取り戻したい!でも、何をしていいのか見えない日々。
――銀行を辞めようと決断したタイミングは?
入って1年目から、私の求める働き方との違いを感じていたので、その頃から転職は考えていましたね。次の仕事に就くためには、何か成果を残さなくてはと思い、あと1年がんばって辞めようと思っていました。(グラフ:a)
最後の1年は、ちょうどそのとき家族が亡くなったこともあり、仕事をがんばることで、悲しさを紛らわしていたというのもありますね。
――辞めたときは、次のお仕事は決まっていたんですか?
決まってなかったです。少しゆっくりしたいと思っていたので。午前中はジムに行って、午後はパン作りをしたり、洋服を作ったり。
でも、そこで改めて仕事があることが幸せなんだと思うようになって。心の安定というか。それが分かってきたので、イタリアンレストランでアルバイトを始めました。
――これまでと違うお仕事ですが、なぜレストランに?
「衣・食・住」をちゃんとしたかったので、料理を覚えたいのもありました。でも、そこではホール担当になったので、料理はできなかったんですけど…(苦笑)。
――レストランでの仕事はどうでしたか?
不規則な勤務時間だったり、夜遅かったりで、銀行のお仕事とのギャップが大きかったです。調理担当でなかったのもありますけど、ちょっと自分が思い描くライフスタイルとして納得がいかない部分はありました。レストランで働いた3ヵ月間、何をしていいのか見えなくなってしまって…。自分が本当にやりたいことは何なのかを、ずっと考えていました。
――自分探しに悩んでいた?
そうですね。一時は鬱なんじゃないかと思うくらい、寝ても覚めてもそのことを考えていました。楽しいことをしても、楽しいと感じられなくなって、モチベーションの上がらない日々でしたね。でも今は悩むときだと思って、とことんもがいていました。
――そんな中で、転職活動を始めたのですね。そのとき焦りはありましたか?
グラフでもかなり落ち込んでいる時期(グラフ:b)かと思いますが、モチベーションを保つためにしていたことはありますか?
焦っていました。とは言え、面接では嘘もつけないし、何を言ったら受かるんだろう…って悩みましたね。銀行での職歴に自信はあったんですが、それでも難しかったです。
「きっと運命の会社は現れるはず!」と、なるべくポジティブに考えるようにしていました。
そんなとき、自信を持って笑顔で面接ができた会社が、今の会社だったんです。手ごたえがあったというか、ビビッと来るものがありました。
自分に合う会社で心に余裕ができて、人のために働こうと思えるように。
――それはすごいですね。モチベーションも急上昇していますね(グラフ:c)。
そうですね。やっぱり相性とか、ご縁っていうのは大きいと思います。
他の決め手としては、定時・事務職というのは前提で、あとは社長との距離が近いってことですかね。自分の意見も、ある程度は通すことができるので。
――入ってからもイメージ通りでしたか?
はい、16時45分が定時で、ほぼ残業もありません。私のライフスタイルにすごくフィットしています。社員もみんな気さくで、本当に良くしてもらっていますね。
あと、銀行時代は「自分の成果を上げたい」という思いがあったんですが、今は「前線で働く人のお手伝いができればいい」と思うようになりました。働く気持ちに余裕ができたんだと思います。
慌ただしくならないように、ていねいな暮らしへ。
――仕事へのスタンスも、ずいぶん変わったんですね。今は趣味など、好きなことにも時間が取れているとのことですが。
そうですね。休日はなるべく体を動かすことをしています。あとは、ものを大切にして、ていねいに暮らしていきたいなと思うようになりました。整理整頓すると、気持ちにもゆとりができますよね。予定もあまり詰め込まないようになりました。
――自分に合う仕事を見つけて、気持ちにまで変化があったんですね。
銀行時代の反動もあると思いますが、30歳を過ぎて、そんなに急がなくてもいいのかなって思うようになったんです。以前は、結婚したいという思いも大きかったんですが、最近はそればかりでもなくなってきたので、気持ちにもゆとりができた感じがします。
――今後はどうしていきたいですか?
そうですね、それでも結婚はしたいです。結婚してからも、今の会社で働きたいと思っています。フリーター期間や転職活動で悩んだので、ある程度自分の思う通りに、働けているって、すごくありがたいと思うんです。
結婚・出産しても、ていねいに、自分に合ったやり方で暮らしていきたいですね。
穏やかにていねいに話してくれた大貫さん。悩んだり、あくせく働いたりという20代を乗り越えて、今の自分らしい働き方を見つけられたとのこと。転職活動がうまくいかないときもポジティブに乗り越えた、というエピソードが印象的でした。
<U29女子へのアドバイス>
働く女性は20代後半、悩む時期があると思います。そのときに、周りと比べて焦ったり、マイナス思考で心に余裕をなくすよりは、自分が大切にしたいこと、長い人生という視点で考えて大事にしたいことなどに立ち返ることが大事。ひとりで悩まず、ときには友人や家族などに相談することも必要なんだと、今では感じています。苦悩の時期を乗り越えれば、きっと自分に合った生活に巡りあえるはずなので諦めないでくださいね。