今年こそ“なりたい自分”になる! 「フィジカル×メンタル」の新習慣&継続のコツとは?
今回は、フィジカルとメンタル、両サイドからのアプローチで目標達成をコーチングしている矢谷淳さんに、“なりたい自分になる”ためにおすすめの新習慣と継続のコツをうかがいました。
なぜ目標を達成できない? 理由は脳の“思考停滞状態”にあった!
人生のステージにおいて、30歳前後は変化の大きな時期。「自分はこのままでいいのかな……」「これまでの自分を変えたいけど、どうせムリかも……」と悩んでしまう人も多いと思います。こうした悩みにとらわれている状態を、私は“思考停滞状態”と考えています。
頭の中であれこれ考えているにもかかわらず、悩みの本質や解決策が整理されていないため、きちんと前に進むことができないのです。またこのとき、人は「過去の後悔」や「未来への不安」にばかり気をとられ、「今」という時間に焦点が合っていません。目標達成のためには、「今」に意識を集中する必要があるのです。
今年こそ「なりたい自分になる!」と決めたなら、何か不安や焦りにとらわれていないか、まずは自分の心の状態をよく観察してみてください。そして、頭の中で考えているだけではなかなか抜け出せない“思考停滞状態”から脱出するために、ぜひフィジカル面からのアプローチも取り入れてみましょう。
試しに深呼吸をするとよくわかると思います。息をゆっくり吸ってゆっくり吐くだけでも、気持ちが落ち着いてきませんか? このようにフィジカルとメンタルには密接な関係があるのです。体を動かして、血流を全身に行き渡らせ“好循環”の状態をつくれば、血流にのって脳にも酸素がよく行くようになるので、思考もすっきりしてきます。また、体の感覚に意識を集中することは、心を「今」に取り戻すことにも役立ちます。
“すっきりエクササイズ”で思考停滞状態から脱出!
毎日の新習慣として取り入れやすく、全身の血流がよくなるエクササイズをひとつ、具体的にご紹介しましょう。普段、あまり体を使っていない人は、最初は【ステップ1】を1セットだけでも大丈夫です。徐々に【ステップ2】【ステップ3】……と行っていき、最終的には【全ステップ1セット×1回】を目指しましょう。
【ステップ1】
椅子に深く腰掛けるようなつもりで、ひざを曲げ、お尻を斜め下に引いていきます。このとき、すねと背中のラインが平行になるよう気をつけて、10秒間キープ。
【ステップ2】
【ステップ1】の姿勢をつくり、両ひじを曲げて両手のひらが前を向く形でひじを外側に開き、耳もとまで上げます。肩甲骨を内側に寄せるように意識して、胸を張りながら、10秒間キープ。
【ステップ3】
【ステップ2】の姿勢をつくり、両ひじを伸ばし、腕をまっすぐ上げます。両手はなるべく背骨と垂直になるようまっすぐに保って、10秒間キープ。
【ステップ4】
【ステップ3】の姿勢をつくり、両かかとをゆっくり上げます。そのまま10秒間キープ。
忙しかったり、疲れていたりして上記のエクササイズが難しいときは、普通にまっすぐ立ったまま「かかとを上げて10秒間キープ」というエクササイズを1回やるだけでも構いません。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれており、下半身の血流を上げるポンプの役割をしているため、ふくらはぎの筋肉を使うと血の巡りがよくなります。大事なのは、「毎日、体を好循環状態にする」ことです。
行動が自然と目標達成へと向かう“継続のコツ”とは?
本来、「目標」が明確であり、かつ本当に達成したいという“思い”があれば、そのための「行動」は自然と伴うものなので、継続は難しいことではありません。ですが、その「目標」は、常に意識して達成したいと心から思っていないと、つい忘れてしまいがちです。それは、あなたが悪いのではなく、脳の性質上そういうものなのです。
たとえば、「ダイエットで5kgやせる」ことが目標だとしても、どうしても食べ過ぎてしまうのは、脳が目標を忘れてしまって、そのとき“楽”なことを選択しているからなのです。
ですから、目標を達成するためには、“脳の性質を活かす”必要があります。脳に本来の目標を定着させて、忘れないようにするためには、視覚情報を与えるのが効果的です。たとえば、目標をわかりやすく文字にするなどして目につきやすい場所に貼っておいたり、前述の例なら、ダイエットに成功したら着たい服を部屋に吊るしておいたり。「この人のようになりたい!」という憧れの女優さんの写真を貼っておくのもおすすめです。
そして、脳の性質を活かす方法としてもうひとつ、すでにあなたが目標を達成した姿をイメージしながら、“楽しくワクワクした気持ち”になることも大事。たとえば、「日常会話ができるくらいに英語をマスターする」という目標を掲げたとしたら、海外旅行に行って現地の人々とワイワイおしゃべり。とっておきのレストランを教えてもらって……という具合にです。
人の脳は「快」と感じる方向へ向かうようプログラムされていますので、「目標を達成している自分」を詳細にイメージして、そこにワクワクした「快」の感情が伴えば、無理なく自然と行動が目標達成へと向かっていくようになります。
また、夜寝る前に「今日、目標達成のためにやったこと」について振り返りながら、できたことを記録し、小さな自信を積み重ねていくのも大事です。先の英会話の例なら、「英語の歌詞の音楽を聴きながら通勤した」など。
このとき、「試しに映画を字幕なしで観てみたけど、ほとんど理解できなかったな……」などと、「できなかったこと」には着目しなくて大丈夫。できなかったという記憶は、「次もダメに違いない」という思い込みをつくり出すきっかけになってしまうので、できなかったことはすっぱり忘れて、気持ちも新たに朝を迎えることも大切です。
エクササイズメンタルコーチ。株式会社プラスワイ代表取締役。フィジカル面とメンタル面の双方を重視したアプローチで、子供からシニア、アスリートから経営者まで、幅広い人々への個人コーチングを行う。「こうなりたい!」という、個々の目標に合わせたきめ細やかなサポートに定評があり、現在は大手企業をはじめとする法人向け健康経営支援も実施。また、「健康×AI」を絡めたアプリケーション開発も手がけている。
※この記事は2018年1月時点での情報です。