Q1.仕事に関して「これが得意」といえるものはある?

仕事に関して得意なものの有無とその内容


新卒の就職活動で、面接担当者に質問されることが多い「長所と短所」。転職活動では、実務経験にもとづいた「得意なこと」や「できること」を聞かれることがよくあります。皆さんは、自信を持って答えられるものはありますか?

今すぐには転職を考えていないとしても、いつも自分には自信を持っていたいもの。「これなら私に任せて!」といえるものがあると、毎日の充実度もぐっと変わってきます。そこで今回は、仕事に関する「得意」をテーマにアンケートを実施しました。

まずは得意なものがあるかを聞いたところ、61.8%の人が「ある」と回答。これを年齢別に見ると、24歳以下は52.4%、25歳以上は64.1%と、約12ポイントもの差が開く結果になりました。得意なことは、経験を積む中で身につけていくものだといえそうです。

「得意」の内容を見てみると、左の表のようなスキルが挙がりました。これも年齢別に見ると、2位の「段取りよく」と3位の「臨機応変」が得意な人の割合が、年齢に伴って増える傾向にあります。場数を踏むことで、仕事の応用力を高める。そんなふうにして得意なことを伸ばしているんですね。

Q2.得意なものは、仕事で活かせている?

次に、得意なものがある人に、それが仕事で活かせているかを聞いたところ、何と86.4%もの人が「Yes」と答えました。年齢別に見てもこの傾向は同じ。どの年代の人も、得意なことがある人は職場でちゃんと発揮しているようです。

では、活かせている人とそうでない人は、何が違うのでしょうか。活かせている人から寄せられたのは、「ミスなく処理するので社員よりも頼りにされている」など、自分を認めてくれる人が周囲にいることが伝わってくるコメント。一方で、活かせていない人からは、「上司のやり方を押しつけられる」といった声が聞かれました。自分の得意を発揮するには、どんな仕事を選ぶかだけでなく、どんな職場で働くかも大切だといえそうです。

また、「もとは引っ込み思案だが、仕事だと思えば社交的に話せる」など、自ら得意なことを作り出している人もいました。得意・不得意は生まれつきによるものもありますが、ちょっとした努力や気の持ちようで伸ばせることも多いもの。“仕事に自分を合わせる”という発想を持ってみると、自分でも気づかなかった能力が見つかるかもしれません。

「得意なものがある」と答えた人へ。それは活かせてる?
  • コツコツと取り組むことが得意。数字を扱う仕事なので、コツコツ地味にやってます(39歳・データ入力・派遣スタッフ)
  • 段取りよく進めることが得意。そのお陰で、仕事を納期までに仕上げることができている(37歳・営業事務・契約社員)
  • 臨機応変に対応することが得意。ミスをしてもずっと落ち込むのではなく、前向きに考えられる(23歳・一般事務・派遣スタッフ)
  • 人と話すことが得意。活かせる職種を選び、接客に役立てている(26歳・販売・契約社員)
  • ミスなく処理することが得意。ミスが許されない仕事なのでまさに活きている(25歳・経理・正社員)
  • コツコツと取り組むことが得意。地道に取り組んで、内容の濃い書類や企画を仕上げ、上司に褒められた(37歳・一般事務・契約社員)
  • コツコツと取り組むことが得意。納期との闘いになることが多いので、とにかくやる。辛くても前向きにやる、がモットー(28歳・Web制作・契約社員)
  • コツコツと取り組むことが得意。今の仕事には地道な作業が多いので、コツコツ型の私に合っている(26歳・生産管理・正社員)
  • 段取りよく進めることが得意。仕事が円滑に回るための役目に徹している(24歳・一般事務・契約社員)
  • 段取りよく進めることが得意。職場でも、いかに無駄なく、みんなが楽にできるようにするかを考えて提案している(30歳・一般事務・契約社員)
  • 臨機応変に対応することが得意。患者さまで具合の悪そうな人には臨機応変に対応し、不満を抱かせないように努力をしている(32歳・医療事務・派遣スタッフ)
  • 臨機応変に対応することが得意。作業内容の変更が多々あるので、変更個所を整理することで戸惑うことなく対応できるようにしている(35歳・プログラマー・契約社員)
  • 人と話すことが得意。患者さんとのコミュニケーションに活かしている(32歳・正社員・歯科衛生士)
  • 人と話すことが得意。会社の顧問先やお役所などに少し無理なお願いをしても、普段からのコミュニケーションで引きうけてもらうことがある(29歳・契約社員・一般事務)
  • 相手の要望をくみ取ることが得意。もとが消極的だからこそ、人の気持ちを思いやって接客ができていると思う(29歳・契約社員・販売)
  • 相手の要望をくみ取ることが得意。お客さまには、親切で丁寧な対応ができていると思う(30歳・一般事務・派遣スタッフ)
  • ミスなく処理することが得意。大雑把な上司が仕事をしやすいようにいろいろと工夫したら、上司のミスが減った(33歳・特許事務・正社員)
  • アイデアを考えることが得意。ディスプレイを工夫するといったときに活きている(27歳・販売・契約社員)
  • モノをつくることが得意。CADオペレーターなのでまさに活きている(28歳・CADオペレーター・派遣スタッフ)
  • みんなをまとめることが得意。そのお陰でチーフになった(24歳・一般事務・正社員)

Q3.どうすれば、得意なものを作れると思う?

「得意なものを作れると思う」ランキング

一方で、得意なものがないという場合には、どうすれば作ることができるのでしょうか。アンケートで「得意なものはない」と答えた人が挙げた方法の1位は「勉強する、資格を取る」で、わずかの差で「自分に自信を持つ」が2位。自分を磨くことと、自分を認めてあげること。この2つが必要だと考えている人が多いようです。

ただ、得意なものがある人の中で、その根拠に保有資格を挙げた人はゼロ。勉強も、「先輩のテクニックを真似て、自分なりに活かせるように考える」と、毎日の仕事を通じて自分を伸ばしている人が多数派でした。

さらに、得意なものがある人は、「雑談だけで帰ったお客さまが、翌日買い物にきてくれたので、コミュニケーション能力は高いと思う」など、仕事がうまくいったときには、それをたまたまだと思わずに、自分で自分を認めています。そうすることで、一つひとつの仕事を自信につなげているんですね。

皆さんも仕事がうまくいったときにはぜひ、自分をほめてあげてください。得意なことがある人はさらに強化され、得意なことがない人もこれがきっかけになって一歩前に進めるはず。今の自分に自信を持って、仕事を楽しんでくださいね!

*調査会社によるインターネット調査を、関東・東海・関西在住の20〜39歳の働く女性を対象に2010年5月に実施。
文・構成/編集部、デザイン/河村俊子(studio PAWOZ)