最新版・ワーキングマザーを支援するサービス【ユニーク編】

2016年02月19日

働きながら子育てを頑張るワーキングマザーを支えるために、さまざまなサービスが増えています。今回は育休後コンサルタントの山口理栄さんに、最新のワーキングマザー支援サービスについて伺いました。後編では、ワーキングマザーの間でも話題のユニークな支援サービスをご紹介します。なお、ここで紹介するサービスは主に首都圏で展開されているものです。首都圏以外にお住まいの方も同様のサービスがあるはずなので、ぜひお住まいの地域で探してみてくださいね。

保育園の入園が難しい場合の駆け込み寺「保育ママ」

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【代表的なサービス名】
東京都文京区「家庭的保育者(保育ママ)制度」(http://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/kosodate/okosan/nicchu/hoikumama.html)

【概要】
保育ママに認定された人の家に、保育園と同じように子どもを毎日預けることができる制度のことです。地域の保育園が満員で入れなかった場合などに、行政の窓口で紹介を受けることができます。東京都文京区の場合は、保育士や教員などの資格保有者で、現在養育中の6歳未満の子どもがいない保育経験者が保育ママとして認定されます。

【料金】
※東京都文京区の場合
基本保育料金:2万円(月額)
雑費(光熱水費など):8,000円(月額)

通常の保育園と同じように、事前の見学や正式に預ける前に保育ママの家に子どもを慣れさせていく「慣らし保育」もできるので、子どもと保育ママとの相性を見てから預けることができます。

「最初は全然知らないご家庭に子どもを預ける不安もあったが、家庭的な雰囲気の中で愛情いっぱいの保育を受けられる。今では子どもものびのびと過ごしている」「保育ママの家庭に子どももすっかり馴染むことができ、私たちにとって、もうひとつの家族のような存在」とワーキングマザーの支持を得ています。ただし、自治体によって制度や料金などが異なるので、利用する際にはお住まいの自治体にお問い合わせください。

保育園よりも家庭的な雰囲気に包まれてきめ細かい保育を受けられると、ワーキングマザーに評判の保育ママ。近くに親兄弟がいないときに、近所に子育ての不安や悩みなどを相談できる保育ママがいるというだけでワーキングマザーも安心できるはず。

終業時間が遅いママも安心!「ファミリーサポートセンター」

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【代表的なサービス名】
東京都中野区「ファミリーサポート事業」(http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/242900/d010332.html)

【概要】
子育ての援助を受けたい人と援助をしたい人が会員になり、地域の中で助け合いながら育児を行う会員組織です。ファミリーサポートセンターの設立・運営は市区町村が行います。東京都中野区の場合は、会員登録すれば、保育園や幼稚園、学童クラブなどへの送迎や一時預かりなどを利用することができます。

【料金】
※東京都中野区の場合
〈一般援助活動〉
平日:800円(1時間)
休日(土日祝日):1,000円(1時間)
〈特別援助活動(緊急預かりや病児預かりの場合)〉
1,200円(1時間)

近所の方に預ける感覚に近く、リーズナブルに利用できるのがメリット。「保育園の保育時間と勤務時間が少しずれているので、保育園に預ける前後で少しだけ子どもを見てもらう、という柔軟な利用ができてうれしい」「急用や休日出勤のときも預けやすいので助かる」と利用するワーキングマザーも少しずつ増えているようです。

入会金も不要で、登録講習会に参加して登録するだけで利用できるのはうれしいポイント。どうしても定時に仕事が終わらないときに、時間単位でしかもリーズナブルに利用ができるので、忙しいワーキングマザーが注目しているサービスなんです。遠方ではなく、近所のご家庭で預かってもらえるのも安心ですね。

お子さん連れの外出をサポート「子育てタクシー」

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【代表的なサービス名】
子育てタクシー(http://kosodate-taxi.com)

【概要】
子育てタクシードライバー養成講座課程と保育実習を終了したドライバーが専門に乗務するタクシーです。乳幼児連れの外出や保育園や習い事などの送迎など、子育てをサポートします。全国エリア別タクシー検索(http://kosodate-taxi.com/member/)で子育てタクシーを検索し、事前に利用登録しておけば利用できます。

【料金】
※東京都・日の丸タクシーの場合
子育てタクシー乗務員指定、チャイルドシート・ジュニアシート希望の場合
最初の1時間は4,650円(およそ15kmの走行距離を目安)、以降30分毎に2,110円

特に、子どもを健診で病院に連れて行くときや子連れで出かけるときはベビーカーなどの荷物がかさばりがち。そういったときに玄関先まで荷物を運んでくれるのはうれしいですね。どうしても仕事で遅くなって保育園や習い事の送迎ができないときも、ママの代わりに子育てタクシーが送迎に行ってくれます。

リピーターというワーキングマザーの間では「最初は子ども一人で乗せるのがとても心配だったけど、子どもの扱いになれているとても優しいドライバーさんなので、子どもも安心して乗ることができる」と好評です。ベビーシッター代+タクシー代でこの料金と考えれば意外とお得なのも、多くのワーキングマザーに利用されている理由の一つなんです。

妊娠中に子育てタクシーに登録しておくと、陣痛が来たときにも病院まで送迎してくれます。子どもが産まれる前から子育てタクシーを使っておけば、ドライバーさんの印象や使い心地を知ることができるので、ワーキングマザーになっても利用しやすいかもしれません。

まとめ

自治体が運営する「保育ママ」や「ファミリーサポートセンター」のほか、保育園や習い事の送迎にも利用できる「子育てタクシー」まで、ワーキングマザーを支援するためのサービスは多岐にわたります。出産してからも働くことは自分には難しそうと思っている人もいるかもしれませんが、このようなワーキングマザーを支援するサービスはどんどん登場しています。うまく活用すれば仕事と子育ての両立が無理なく実現できるようになるはずです。
「子どもも産みたいし、仕事も頑張りたい!」という方は、ぜひ心強い支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか?

(大井あゆみ+プレスラボ)

 

(プロフィール)
山口理栄(やまぐち りえ)
1984年3月筑波大学情報学類卒業、4月総合電機メーカー入社。ソフトウェア開発部署にて大型コンピュータのソフトウェアプロダクトの開発、設計、製品企画などに従事。2度育休を取り、部長職まで務める。2006年から2年間社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。2010年6月育休後コンサルタントとして独立。ダイバーシティ経営企業100選の14社を含む100以上の企業や官公庁、自治体に女性活躍推進コンサルティング、社員向けセミナーを提供。個人向けには2011年から育休後カフェ、育休後面会相談などのサービスを提供している。