TOPネイリストインタビュー:高野尚子さん

TOPネイリストインタビュー 高野尚子さん

何の特技もない自分が初めて技術を身に付けたのがネイルだったんです

Profile10代から美容を追求し、会社員時代を経てネイリストへ。ファッションとリンクした鮮やかなネイルアートで雑誌をはじめ広告の世界でも活躍。現在、都内にネイルサロン2店舗、ハワイにプロデュース店舗を構える。2007年にはネイルスクール「高野尚子インテグレイティッド ネイルカレッジ」を開講。オリジナルコスメ「レアンスパキュア」を発売するなどネイル業界だけでなく、美容アドバイザーとしてもフィールドを広げている。ネイディーンネイルズ代表取締役、NAR代表取締役、高野尚子インテグレイティッド ネイルカレッジ 学院長。

16歳からエステ通い! 美への思いは何より強かった

ネイリストながら、美容フリークとして数々のメディアに取り上げられている高野尚子さん。事実、お会いするとネイルをはじめ、髪形、メイク、スタイルとどこにも手抜きナシ!という言葉がぴったりだ。それもそのはず、なんと高校1年生からエステに通い、アルバイト代はすべて美容につぎこむ筋金入りの美容マニアなのだから。「中学生の時にバスケ部に入って、よく食べていたらどんどん太っちゃって。それがきっかけで痩身系のエステに通い始めたんですよ。そこから美に興味を持ち出して、針や耳ツボなど美容にいいと聞けばすぐ試していましたね」。でも、自分がキレイになって満足ではないのだ。「自分が試して良かったものは、すぐ友達に伝えていましたね。見よう見まねでマッサージをしてあげたり、身体にいい食材を使って料理を作り家でふるまったり。そのころから、人に美容を通じて何かをやってあげることが向いているんじゃないかなと感じていました」。ダイエットを始めて6年で20kgも体重を落とした自らの経験で、美しくなる楽しさを人にも伝えたいと思っていた。そうなると、短大卒業後、美容系の商社に入社したのも自然な流れだ。と、思ったらなんとも意外な言葉が!「美容を仕事にしたいと思っていたわけではなく、仕方なくなんです(笑)。就職難の時代でしたから20社ぐらい受けてやっと受かったうちの1社。それも営業に回されてしまい体育会系の現場が辛くて、最初は泣いてばかりいました」。ところが、この会社に入ったことが高野さんにとって大きな転機となる。

高野尚子さん写真

自分がやりたいことを見付けたとき 結婚なんて一瞬で吹っ飛んだ

OL生活を2年ぐらい続けた後は結婚退職して主婦になる…そんな将来設計を思い描いていた高野さん。ところが、人生は何があるかわからない。「仕事がものすごく楽しくなっちゃったんですよ。最初は嫌でしょうがなかった営業も、仕事に真剣に取り組み始めたら、開発会議に参加させてもらえるぐらいに認められたし。いろいろな人と会って話をすることも純粋に楽しかった」。そして、当時付き合っていた彼と本当に結婚が間近に迫ってきた時、改めて考えたという。「女性はどんなに楽しい仕事とめぐり合っても結婚や出産によって人生が変わってしまう。じゃあ、自分にとって人生をかけてずっとやりたい事って何だろう、と初めて考えるようになったんです」。そこで、出た答えがエステティシャンだった。「自分が20kg痩せて人生が変わったように、今度は誰かが美しくなるお手伝いができればいいなと思ったんです」。

そこで、母親の知り合いのエステサロンで見習いからスタートすることになった。ところが、ここでも大きな転機が…。「サロンメニューにネイルを取り入れることになったので、ネイルスクールへ通うことにしたんです。でも、私は自分の爪にすごくコンプレックスがあって、こんなに不恰好の爪でネイリストになんてなれないと思っていたんですよ。だけど、スクールで学んでいくうちに、自分のイメージで爪にアートを描くことが面白くてしょうがなくなってきたんです。今まで何の特技もなかった自分が特殊な技術を身に付けていくことで"こんなこともできるんだ!"と自信が湧いてきたんですよね」。結局、エステサロンは辞めてネイルスクールに通いながら、ネイルサロンで働き始めるようになる。ちなみに、結婚は…?「自分にやりたいことが見付かったこともありますが、彼と考え方や方向性の違いもあり結婚はしませんでした。でも、今でも彼にはとても感謝しています」とニコニコ。女性は好きなものを手にすると強い!

ネイルサロンを開きたい そう思って3カ月で経営者に

高野さんの話を聞いていると、本当に人が好きで、人から好かれていることがわかる。個人サロンを開いたきっかけもまさにそれ。「通っていた整体で仲良くなったお客さんを働いていたネイルサロンに呼んで施術していたんです。そうしたら整体の先生が"じゃあウチのお店の一角でネイルをやれば"と言ってくれて。そこからお客さんが付き始めて、気が付けば個人の売り上げだけで商社の月収の倍になっていました。小さい店でもいいからネイルサロンを開きたいと思い始めたとき、知り合いが経営コンサルタントの方を紹介してくれて経営者になる段取りを一から教えてくれたんです。それが28歳の時」。店を持って経営者になりたい、そう決意した3カ月後には経営者になっていたというから驚きだ。ただ、スタッフの育成には本当に苦労した。「通っていたスクールやサロンでやり方がまったく違うため、技術の足並みをそろえることは予想以上に大変でした。そこで、サロンの一角でスタッフに向けて勉強会を開くようになったんです」。スタッフ数が増えるにつれて勉強会の規模も大きくなる。そんな時、サロンが入っているビルの1階が空いた。「これはいいタイミングだと思って、スクールを開くことにしたんです」。サロンを開いて12年、スクールを開講して6年、最近は仕事への思いも変わったという。「国内外問わず、サロン出店のお話をたくさんいただくんですが、今は店舗展開よりも質のいいものを残していきたいと考えています。自分自身、家庭ができたこともあり、身近な人たちひとりひとりと向き合いたいと思うようになりました。それは家族だけでなく、周りにいるスタッフたちとも」。

ここ最近では、ジェルネイルのプロデュースや美容アドバイザーの仕事も増えてきた。10代のときに実践していた"美を通じて何かを伝える"思いが形になってきたのだ。「ネイルをしながら大好きな美容関係の仕事もできて、本当にありがたいです。今後は自分がプロデュースした商品が定着するために、本当に良いものを作っていきたいですね」。高野さんは人に恵まれ、商才がある人、だから成功した。そう思う人も多いかもしれない。それは事実だが、彼女には確固たるネイルへのポリシーがある。「私はネイルのデザインをするとき、誰ひとりのネイルも参考にしません。だから、一緒のものは絶対にないし、自分だけのデザインが生まれる。ネイルはアートだと思っていますから、自分のインスピレーションを何より信じています」。クリエーションを大切にする思いが根底にあるからこそ、今があるのだ。

高野尚子さん写真

スクールの運営のほか、商品プロデュースなども精力的に行っている。ハンド&ボディミルク「レアンスパキュア」やマッサージバスソルト「ペロロ ビューティジェラート」(写真下)

高野さんに11の質問

好きなファッションブランドは?
DIANE VON FURSTENBERG、Pucci、LEONARD
好きなコスメブランドは?
最近パワフルなのはPOLA。あとはランコム、ヘレナ ルビンスタイン
最近注目していることは?
すべてのアートに関すること
平均睡眠時間は?
昔は3時間でしたけど、今は8時間は寝ます
よく読む雑誌は?
VOGUE、コレクション誌、WWD
お気に入りの場所は?
溶岩盤の上(でヨガをしている時)
自分へのご褒美は?
仕事や子育ての合間の美容時間
好きな言葉は?
持続と努力
得意のネイルは?
ネイルアート
爪のケアは?
サロンのスタッフにお願いしています
最近のお気に入りのネイルは?
テーマは60sグラフィカル。60年代風な赤ピンクを使った色合わせが好きです
ネイル写真

店内写真

nadine NAILS表参道店

東京都港区南青山5-6-24 バルビゾン23 1F
TEL/03-6418-4705 営業時間/11:00〜22:00  休/第2日曜 http://www.nadine.jp/
高野尚子が主宰する癒やしのネイルサロン。恵比寿店、ハワイ店も展開。

高野尚子インテグレイティッド ネイルカレッジ

東京都渋谷区東3-24-4 高間ビル1F TEL/03-5485-7095 実践的なトータルネイルのテクニックやサロンワークのノウハウを教えるネイルスクール。

インタビュー・文/中屋麻依子、撮影/八木虎造、デザイン/Studio PAWOZ

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