働き女子の投資レッスン 【ステップアップ編】

2014年06月12日

働き女子の投資レッスン 【ステップアップ編】
ボーナスアップも期待できるこの夏に、投資について学ぶコラムのステップアップ編。初級編(//toranet.jp/contents/money/know-how/9482/)に続き、ファイナンシャルプランナーの柳澤美由紀さんに教えていただきます!

株式投資に挑戦してみよう

初級編では投資信託をご紹介しましたが、次のステップとして「株式投資に挑戦してみましょう」と柳澤さん。といっても1日に何度も売買するデイトレードではなく、もう少し長いスパンでの投資。仕事が忙しく株式相場をマメにチェックできないという人も、無理なく運用できる方法です。

NISA(ニーサ)を利用する

NISAとは、「少額投資非課税制度」の略称。銀行や証券会社に「NISA口座」と呼ばれる専用口座を開設し、その口座で株式や投資信託を購入すれば、毎年100万円まで、総額500万円までの運用益や配当金などの利益が非課税になる仕組みです。

通常は投資による利益には20.315%が課税されますので、例えば10万円の利益が出ても、2万315円が税金として徴収されます。それがゼロになるうれしい制度です。今から株式投資を始める人は、このNISAを利用するのがおススメです。

ただし、NISAにも注意点があります。非課税期間は、ある株を買った時点から最長5年。NISA自体も2027年までの期間限定の制度です。2019年までは満期時に更新もできますが、仮に100万円で買った株が80万円に下がっていれば、更新後のスタート価格は80万円に。その後100万円まで株価が戻っても「20万円の利益」と見なされてしまいます。この状態でNISAが終了すると、実際は儲かっていないのに、課税されることに。そうしたリスクもあることは知っておきましょう。

株式(銘柄)は、株価チャートを見て選ぶ

株価チャートとは、株価の推移をグラフに表したもの。過去10年分、できれば30年分くらいのものをチェックしましょう。株は安く買って高く売るのが原則。より本格的には、企業の業績や財務内容、経済全体の動きなど、さまざまな指標をもとにしますが、まずは株価が安い時期なのか高い時期なのか、大きな流れをまずつかむことが大切です。

利食い・損切りラインを決める

利食いとは「株価がここまで上がったら売る」、損切りとは「ここまで下がったら売る」と決めておくマイルールのこと。株式投資を始めたばかりの人に多い失敗として、株価下落時に「今売ったら損」と判断が遅れて損失がさらに広がる、上昇時には「もっと上がるかも」と欲張るうちに下落局面に入り、利益を逃すといったケースがあります。

「利食い・損切りライン」は株価が今後どのように動くのか、最高のシナリオと最悪のシナリオを描くことで見えてきます。投資を楽しむには欠かせないルールです。

株式への投資は資産の30%を目安に

投資は自分のリスク許容度の範囲内に収めることが大切です。株式投資の目安の一つとなるのは「金融資産の30%以内」という考え方です。

何か経済危機で株式相場が暴落するときの平均下落率は、おおよそ30%と言われています。手持ち金融資産の30%分の株式が30%値下りすると、失うのは全体の9%分。つまり、資産の10%弱までなら失っても大きなダメージはないとする考え方です。それはイタイ…という人は20%に抑えるなど、自分のリスク許容度を設定しておくことが大切です。

最後に、柳澤さんからのアドバイスがもう1つ。「投資をするなら、新聞は読みましょう!」。投資した会社や業界の動きはどうか。経済全体はどう動いているのか。株式投資は、世の中に詳しくなるチャンスでもあります。この夏、挑戦してみるのもいいかもしれません。

株式会社家計アイデア工房 代表 柳澤美由紀■プロフィール
柳澤美由紀
株式会社家計アイデア工房 代表。CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。子ども時代にサラ金の取り立てを経験した異色のFP。どん底生活の中でチャンスを引き寄せた習慣と、お金のエネルギーをチャージする仕組みづくりを伝える活動を行っている。著書に『親と子の夢をかなえる!”私立”を目指す家庭の教育資金の育て方』(近代セールス社刊・共著)など
オフィシャルサイト : http://www.kakeiidea.com/