保険料や税の優遇でトクする! 結婚・出産しても働くことのメリット

2015年12月14日

「結婚したら専業主婦になろう」と考える人もいるかと思います。しかし、家庭や仕事・趣味のバランスを取って働くのもまた、人生を豊かにする生き方のひとつ。それに、結婚や出産後も働き続けていると経済面でいろいろなメリットを得られることもあります。今回は結婚・出産における税優遇や保険料について紹介します!


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扶養の範囲内で働けば、国民年金の保険料支払いが不要に!

結婚後、社会保険に加入している夫の収入で生計を立てて、自分はパートやアルバイトなどで扶養家族の範囲内で働く場合、配偶者は国民年金の「第三号被保険者」になって、年金を支払わずに済むようになります。

○「第三号被保険者」とは
国民年金の加入者のうち、
①夫が厚生年金、共済組合に加入していて、
②かつ本人の年齢が20~59歳で年収130万円未満(月給約10万円未満)
の人のことを指します。

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ちなみに平成27年度の国民年金保険料は15,590円/月。さらに、保険料は平成29年度まで段階的に上がることが決定していますので、これが無料になったら経済的にもかなり大きいと思いませんか?

働いてない期間もお金がもらえる!?
会社勤めの特権「出産手当金」と「育児休業基本給付金」

出産、育児についても、働いている人のほうが専業主婦よりも金銭的に有利になります。
産前・産後休暇のあいだ、本来は働いていないのでお金はもらえないはずですが、企業勤めで会社の健康保険に加入している労働者は「出産手当金」「育児休業給付金」といった給付金を得ることができます。

○「出産手当金」とは
会社の健康保険組合が立て替えて支払ってくれる、産前・産休時の無収入状態をカバーするための手当金です。金額は、「その年の4~6月の残業代も含めた給料の平均額の3分の2」が給付されることになります。
※給付条件:勤務先の健康保険に加入していること。(派遣社員の方の場合は、派遣元への確認が必須!)

○「育児休業給付金」とは
出産後、育児中の無収入状態をカバーするための給付金です。
育休開始~180日(6カ月)までは月給の67%、181日目~50%が支給される制度です。

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月給20万円の方が育休を1年間とった場合、
( 20万円×67% )×6カ月 + ( 20万円×50% )×6カ月 = 140万4,000円
も支給されることになります!

※給付条件:
1.雇用保険に加入していること
2.育休前の2年間のうち、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あること
3.育休期間中の1カ月ごとに勤務先から8割以上のお金をもらっていないこと
4.休業日数が毎月20日以上あること
(ただし、休業終了日が含まれる支給対象期間は休業日が1日でもあれば20日以上である必要はない)

「出産手当金」「育児休業給付金」いずれも専業主婦や自営業、パート・アルバイトでは受け取ることができない制度になります。

「結婚してからもちょっとだけ働きたい」と思うなら…

「結婚後はバリバリ働く気はないけれど、自分で使う分くらいは自分で稼ぎたいかな?」と考えている人は、年収を103万円以下に抑えることで「配偶者控除」を受けることができ、夫の課税所得から38万円分を差し引くことが可能です。

○「配偶者控除」とは
「結婚後、配偶者を養うなら税金を安くします」という制度。ひとりの経済力では生きていくのが困難な「扶養家族(養われている家族)」を養っている人は大変だから、少しでも税金を安くしますよ、という施策です。

ただし、この制度は2017年には廃止予定となっているので注意が必要です。また、「配偶者控除」に該当するためには、以下の条件を満たしておく必要があります。

1.民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
2.納税者である夫と生計を一緒にしていること。
3.給与収入が103万円以下であること。
4.夫が個人事業主で、自分もその仕事に就いているが、一年間給与を一度ももらったことがないこと。
(参照元:国税庁ホームページ)

これらの諸条件を満たしていると、38万円分の所得控除が適用されて、所得税が安くなります。

○夫の年収が500万円だった場合の所得税の金額イメージ
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※平成27年4月1日現在の税率で計算しています。

上記の計算でわかるとおり、38万円そのものが手に入るわけではないですが、税金が安くなるので家計を助けることになります。
ちなみに103万円は、月収で言うと8万5,000円程度。確かに一人で生きていくのは難しい金額ですが、家計の足しにはなりますよね。

会社によっては「結婚祝い金」や「出産祝い金」、「育児支援金」もある

ほかにも法律では定められていませんが、会社によっては、ライフイベントのたびに現金や記念品をもらえるところもあります。
一部の上場企業では、「結婚祝い金」が一人当たり5万円出産記念品がベビーカーなど、思いのほか大きな金額が支給されることもあるので、みなさんも一度、調べてみてはいかがでしょうか。

まとめ

扶養内で働いて育児や家事、趣味をメインに置いた働き方をするのもよし、契約社員や正社員として働くことで育休期間中も収入を得て、より生活を安定させるもよし、多様な働き方が可能になります。みなさんも大きなライフイベントを迎えるまえに、今後の働き方を見直してみてはいかがですか?