未経験から転職! ブライダルコーディネーターから歯科助手へ

2014年06月19日

患者さまの“不安”を“安心”に変える仕事です

医療法人社団京和会 渋谷KU歯科
柴田早緒梨さん(23歳)

医療法人社団京和会 渋谷KU歯科 柴田早緒梨さん

Profile:短大卒業後、ブライダルプロデュース会社に就職し、コーディネーターを2年経験。100組以上の挙式を担当し、一生に一度の感動に携わるやりがいを実感する。しかし、学生時代にブライダルと並んで関心を持っていた歯科助手への思いも捨てきれず、転職を決心。2013年7月に現クリニックに入職。

|総合歯科医院で、幅広い経験を積みたい
歯科助手の仕事には、短大時代から関心がありました。口元は顔の印象を変える大切な部分。悩みを持つ方の治療のお手伝いをしたいと思ったんです。ただ、「人を笑顔にする」という同じ発想で、ブライダルの仕事にも興味があり、先に内定が出たことからブライダルプロデュース会社に就職。やりがいのある仕事でしたが、歯科助手への思いも捨てきれず、転職を決心しました。

転職先は、規模の大きな医院がいいと決めていました。その方が幅広い経験が積めると考えたんです。そこでまずは、どんな大規模医院があるのかをネットでチェック。そうして見つけたのがKU歯科です。都内6カ所に医院があり、一般歯科のほか審美歯科や口腔外科も手がける総合歯科医院。イメージにピッタリのクリニックでした。

ただ、実は私自身は歯が健康で、歯医者さんに通ったことがありません(笑)。だから、見るもの聞くものすべてが初めて。器具の種類や歯科の専門用語など覚えることが膨大にあり、最初は大変でした。先輩の仕事を見て動きを頭に入れて、予約の空き時間に使っていない診療室で器具の配置を確認し、基本をマスターするのに約1カ月半。それでやっとゼロ地点に立った気がしました。

|患者さまが笑顔になっていくことがうれしい
ゼロ地点というのは、そこからようやく本来の仕事ができるようになるということ。歯科助手は、先生と患者さまとの橋渡し役です。治療への不安が大きい方、口に異物が入ることが苦手な方など、症状以外の情報も先生に伝え、治療中は患者さまが不安にならないようお声をかける。自分に余裕ができて、そうしたサポートができるようになると、仕事がどんどん楽しくなってきました。

KU歯科には通常のカルテのほかに、スタッフ間で共有するカルテがあります。これは「来週は旅行のため仮歯が外れないように」など、プライベートについてお聞きしたことや、診療中に気づいたことを書き留めるためのもの。次の治療時に違う歯科助手がついても、情報が共有されていれば「自分のことをわかってもらえている」と患者さまに安心してもらえるかもしれない。それが少しでも快適な診療につながればと思います。

前職のブライダルコーディネーターも、今の歯科助手も、お客さまを笑顔にするというやりがいは同じ。でも楽しい結婚式と違って、歯の治療は苦手な方も多くいます。それだけに、治療が進むにつれて患者さまが前向きに取り組むようになり、笑顔になっていく姿を見るととてもうれしいです。私自身は2年目に入りましたが、知識も経験もまだまだ。もっと勉強して、早く一人前の歯科助手になりたいです。

●ある日の流れ
8:30 出勤。診療器具を消毒・滅菌、朝一番の予約内容に合わせて、各診療室に器具をセッティング。
9:00 診療開始。事前にカルテに目を通し、患者さまの診療への要望や体質など、先生に伝えるべき情報はあらかじめ報告。
13:00 ランチ。
14:30 受付を担当。電話での予約受付は、症状を聞き、急患でないか確認したうえで日時を確定する。
19:00 翌日の予約を確認し、勤務終了。

●転職before / after
・雇用形態……正社員 → 正社員
・給与……今より少し低め → 一人暮らしできる程度
・勤務時間……10:00~19:00 → 9:00~19:00
・休み……月6日 → 完全週休2日制(土日)
・休日の過ごし方……買い物、映画、音楽鑑賞 → 買い物、掃除・洗濯、家事全般

●転職して変わったこと
以前は年間で忙しいシーズンとそうでない時期との差がありました。メリハリのある生活も楽しかったけれど、今は毎週必ず2連休があります。家でゆっくり家事をしたり、休日が充実するようになりました(柴田さん)。

●編集部より
柴田さんが取材で話してくれた仕事のやりがいは、実はもう1つあります。それは歯科の専門知識が身に付くこと。「将来、子どもを持ったときには子育てにも活かせるなと思います」と柴田さん。一生モノの知識が得られるという、歯科助手の新たな魅力も発見した取材でした。

取材・文/大崎直美 撮影/平山諭