未経験から転職! 飲食店の接客スタッフから介護スタッフへ

2014年02月13日

アイデアを介護に活かせて、入居者さまの笑顔が見られることがやりがいです

社会福祉法人常盤会 総合福祉施設ときわぎ国領
近藤 雪さん(30歳)

社会福祉法人常盤会 総合福祉施設ときわぎ国領 近藤 雪さん

Profile:音楽大学在学中に飲食店でアルバイトをしたことがきっかけで接客の仕事に興味を持ち、卒業後はホテル内の和食店で接客を4年経験。体調を崩したことからホテルを退職。祖父が入院の末に他界した際に十分な看病ができなかったことから介護を学びたいと考え、職業訓練学校でホームヘルパー2級養成講座(現・介護職員基礎研修)を受講して資格を取得し、2009年10月に入職。

|介護はこれから必要とされる仕事
大学は音楽大学に進みましたが、飲食店のアルバイトで接客の面白さに目覚め、サービスを極めようとホテルに就職しました。配属は和食店。常連のお客さまが多くてきめ細かな対応ができ、結納の席なども担当できて楽しかったです。でも、一日中和服で働くのは重労働。契約社員から正社員への道がなかったこともあり、転職を考えたんです。

介護職を選んだのは、今後必要とされる仕事だと思ったから。祖父の他界もきっかけでした。和食店が忙しかったとはいえ、私は看病してあげられなかった。同じ後悔をしないよう、家族のためにも介護を学ぼうと思ったんです。それに4世代同居の大家族で育った私は、自分の世話よりも人のお世話が好き。そんな性格も合っていたのだと思います。

ただ、介護を仕事にする自信がすぐには持てず、職業訓練校でホームへルパー2級養成講座(現・介護職員基礎研修)を受講して老人ホームで実習し、介護の現場を体験。ここで出会った方々が、仕事に熱い気持ちを持つ方ばかりで、そのことにすごく感動して。自分の人間性を成長させたいと感じて、気持ちが決まったんです。

転職先も、施設を実際に見学して決めました。当時、通勤できる範囲にある老人ホームで求人していたのは4件。すべて見学した中で、施設内の雰囲気が一番よかったのが「ときわぎ国領」でした。1ユニット9名で家庭的なケアをする“ユニットケア”を行っていることも転職の決め手。親密な介護をしたいという希望にぴったりの施設でした。

|家族のようにケアをしたい
ときわぎ国領に来てよかったと思うのは、アイデアを介護に活かせる環境があること。例えば乾燥肌の入居者さまがいて、シャンプー剤を保湿効果の高いものに変えたんです。効率を考えれば個別対応はしないほうがいい。でも、これが自分の家族なら何かしてあげたいと思いますよね。まして認知症の方は自分で希望を言えないことも多い。限界はありますが、なるべく私たちが気づいて家族のようにケアしたい。それがここでは実現できるんです。

悩むこともあって、体調を崩される方がいると、もっと早く気づけなかったのかと思いますし、介護の方法ももっといいやり方があるのではといつも思います。どれだけお世話しても、認知症の方には名前を覚えていただけないのもこの仕事の常。でも、ご家族が「近藤さんが担当でよかった」と言ってくださったり、入居者さまが笑顔を見せてくれるとうれしくて、また頑張ろうと思えます。

音楽大学で学んだ声楽とピアノも、介護に活きています。入居者さま向けのクラブ活動がいくつかあって、私が転職してきたことを機に、上司が音楽部をつくってくれたんです。月に1度、15名ほどの方に集まってもらって、一緒に歌っています。不思議なことに、認知症がかなり進んでいる方も、昔歌っていた歌は歌詞が自然に口から出ることがあるんです。音楽っていいなあと思います。

もう1つ、転職で人生が変わったことがあって、職場の同僚と昨年結婚しました。夜勤のある仕事ですが、理解してもらえるので家庭と両立できています。家でも、2人でつい介護談義になることも(笑)。今年で転職して5年目になります。昨年、介護福祉士(ケアワーカー)の資格を取りました。これからもいろいろな資格に挑戦できたらと思っています。

●ある日の流れ
7:00 出勤(早番の日)。夜勤の担当者から引き継ぎ。起床介助。
8:30 朝食の食事介助。持病などで薬を飲んでいる方に服薬介助。薬の取り違えがないよう細心の注意を払う。
9:30 排泄介助、水分補給。
12:00 ランチ休憩
13:00 入浴介助。浴室は転倒事故が多い場所。滑らないよう注意、体調に変化がないか全身の観察を行う。
16:00 勤務終了

●転職before / after
・雇用形態……契約社員 → 正社員
・給与……手取り14万円程度 → 手取り18万円程度
・勤務時間……11:30~20:30(ほか3勤務形態あり、シフト制) → 日勤・夜勤の6勤務形態
・休み……シフト制月8~9日 → シフト制月9~10日
・休日の過ごし方……自宅でゆっくり → 家事、ジム、読書

●転職して変わったこと
以前は、休日は家でゆっくり疲れをとることが多かったのですが、今はジムに行くなど活動的になりました。夜勤もある今のほうが元気なのは自分でも不思議ですが(笑)、現在の仕事が私に合っているのかもしれません(近藤さん)。

●編集部より
取材で施設を訪れた際に、廊下ですれ違うスタッフの方が皆「こんにちは」と明るくあいさつしてくださったことが印象的でした。近藤さん自身も面接で見学した際に感じた快活な職場風土が、転職の決め手になったそう。肌で感じる直感、大切ですね。

取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康