未経験から転職! IT関連の法人営業からバッグショップの店長へ

2014年01月16日

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」
共感できる目標と出会い、働く意味を見つけました

株式会社マザーハウス 小田急新宿店店長 兼 スーパーバイザー
山脇 亜子さん(29歳)

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株式会社マザーハウス 小田急新宿店店長 兼 店舗統括 山脇 亜子さん

Profile:海外旅行好きの母の影響で、大学卒業までに旅行した国は延べ約30か国。「世界と日本の架け橋になりたい」と考えてIT関連機器の専門商社に入社し、法人営業を4年間経験する。もっと個人の生活につながりのある、自分が意義を感じる商品を扱いたいと考えるようになり、途上国発のブランドを立ち上げたマザーハウスの店長候補募集に応募。2009年12月に入社。

自分が意義を感じる商品を扱いたい
子どもの頃の将来の夢は、「世界で活躍するキャリアウーマン」。海外好きの母に連れられて、ヨーロッパやアジアなどをよく旅行していたので、その影響もあったのかなと思います。大学卒業後はIT関連の専門商社に就職。ここでキャリアウーマンになるはずが、いざ働いてみたら私にはそんな実力は全然なく(笑)、何のために世界を目指すのかという目的も実はなかった。このことに気づいてから、働くことの意味を考えるようになったんです。そうするうちに、もっと個人の生活に関わりが深く、何か意義のあるものを扱いたいと考え始めて。そこで思い浮かんだのが、以前テレビで観て興味を持っていたマザーハウスでした。

マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」ことをミッションに、バッグを中心にバングラデシュやネパールでモノづくりをするブランドです。貧しい国だから「買ってあげる」のではなく、純粋に「欲しい」と思ってもらえるバッグをつくることが私たちのこだわり。実際、お店にはマザーハウスを知らずに入って来るお客さまもたくさんいますので、そうした方々にバッグの背景にあるストーリーを伝えることがショップスタッフの大事な役目です。でも、最初のころは熱く語りすぎてしまったり、レザーやジュート(麻)など素材の知識がなくて商品説明すらできなかったり。いろいろな失敗をして仕事を覚えていきました。

人には必ず可能性がある
入社3カ月目に副店長に、9カ月目に店長になり、今は全国の店舗の統括も兼務しています。お店全体を見るようになった今は、一つのバッグを売ることの意味をよりリアルに感じるようになりました。お客さまからいただいた代金は、次のチャレンジの源泉になります。新しいお店を出すことができ、それによってバングラデシュのスタッフが増え、新しい商品もつくることができる。そしてまた、お客さまに新たな商品をお届けしてブランドが成長していく。一つのバッグの先には、たくさんの未来があります。2006年に1店舗から始まったブランドが、今では全国12店舗にまでなりましたが、それもすべて一つひとつのバッグをお届けしていった先にあったもの。そう考えると、毎日お店に立つことの意味を感じるんです。スタッフにも自分たちの日々の仕事が何につながるのかを知って欲しくて、機会を見つけてはこうした話をしています。

もう一つ、スタッフに対して思うのは、みんな何か可能性を持っているということです。「途上国にも素晴らしい資源と可能性があることを伝えたい」ということが会社の理念なのですが、人も同じで、誰にでも必ず可能性があると思うんです。でも自分で気づいていなかったり、自分で無意識にフタをしていたり。そんなスタッフも「こうしてみたらいいんじゃない?」とちょっと背中を押してあげると、スッと成長することがよくあります。自分の可能性を信じられない人は、他人の可能性も信じられないし、途上国の可能性だって信じられなくなってしまう。これからも“信じる”ことを大切にやっていきたいと思います。

●ある日の流れ
9:30 出勤。店内の清掃など開店準備。(早番の日)
10:00 開店。
12:30 遅番スタッフと朝礼。オフからオンに自然に気持ちが切り替わるように、和やかな朝礼を心がけている。
13:00 ランチ休憩
15:00 スタッフの接客にアドバイス。一方的に伝えるのではなく、まずは意図を聞いてからアドバイスする。
19:00 店頭業務終了。バックヤードでメールチェック。他店の店長に店舗の近況をヒアリング。そこで得た情報をもとに、週1回の会議の議題を考える。
19:30 勤務終了

●転職before / after
・雇用形態……正社員 → 正社員
・給与(月収)……一人暮らしして貯金と旅行もできる程度 → 共働きで貯金もできる程度
・勤務時間……8:30~20:00 → 9:30~21:30(シフト制、実働8時間)
・休み……完全週休二日制(土日) → 月8日
・休日の過ごし方……ゴルフ、映画、友だちと遊ぶ → ヨガ、映画、料理

●転職して変わったこと
仕事はお金を稼ぐためだけのものではなく、生きる意味を感じるものでもある。そう思えるようになってから、生きることや働くことが楽しくなってきて、いい意味でオンとオフがつながりました(山脇さん)。

●編集部より
どんなに大きなことも、小さなことの積み重ねでできている。「積み重ねる」は、取材中、山脇さんが何度も使った言葉です。やりたいことや、なりたい自分に一足飛びには近づけなくても、小さな一歩を踏み出し続ければ、いつかは到達できる。その可能性を信じて、私たちも積み重ねを大事にしたいですね。

取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康