未経験から転職! 生命保険会社の総合職からブライダルのドレスコーディネーターへ

2015年03月19日

ドレスを試着した瞬間のお客さまの笑顔が、私のやりがいです

株式会社ストーリア ドレスサロン LA VIRAGO
近藤いづみさん(29歳)

株式会社ストーリア ドレスサロン LA VIRAGO 近藤いづみさん

Profile:4年制大学卒業後、生命保険会社に入社し、営業や職員の育成・管理を約3年経験する。早朝から遅くまで働く忙しい毎日にやりがいを見失い、一度リセットしようと退職を決心。直後に友人の結婚式を手伝ったことをきっかけに、ブライダル業界への転職を志望。テレビ業界から参入したストーリアに、結婚式の総合演出の新しい可能性を感じ、2011年10月に入社。

|人生の大切な一日に寄り添う仕事
両親が金融関係の仕事をしていた影響で、大学卒業後は生命保険会社に就職しました。仕事は営業職員の育成や管理、法人営業など。忙しく充実していましたが、保険のご利用者さまの顔が見えなくて、自分の仕事がどう役に立っているのか実感できない毎日に疲れだけが溜まるようになり、入社3年目で退職を決意しました。

次を決めずに退職し、半年ほど充電するうちに浮かんだのがブライダルの仕事です。実は大学時代から漠然と憧れてはいたのですが、退職する少し前に友人の結婚式を手伝うことがあって、すごくやりがいのある仕事だと感じたんです。結婚式の1日のために、大切な人たちが集まって一堂に会してくれる。そんな場に携われたらどんなに素敵だろうと。

ブライダル業界の大手から小規模な会社まで求人を調べたなかで、ストーリアは異色の存在でした。フジテレビで知られるフジ・メディア・ホールディングスが設立した会社で、テレビ局ならではの総合演出をするというコンセプトに面白さを感じたんです。

最初はウエディングプランナーを担当しました。お客さまはたいてい複数の会場を下見されますが、設備だけでなくスタッフも大切な要素。「近藤さんだから」と決めていただけたときはうれしかったですね。小さなことを疎かにしない、細やかな気配りを大切にする。お客さまはそんなところを見てくださっているのかなと思います。信頼していただくだけに責任も重大です。手配に不備があると大切な一日が台無し。気が抜けない仕事です。

|接客と手仕事、2つの楽しさがある
約2年ウエディングプランナーを経験し、2013年8月に「LA VIRAGO」のオープンに伴いこちらに異動しました。私が裁縫などの手仕事が好きなことを知っていた上司が、声をかけてくれたんです。ドレスコーディネーターは接客だけでなく、サイズのお直しやアイロンがけ、細かなシミ抜きなども自分たちでします。ドレスは生地がしっかりして縫い目が硬く、繁忙期は指がタコだらけになってペンも持てないくらい。でも苦にはならないんです。人と接することと、細かい作業をすること、どちらも好きなのでこれ以上の仕事はないと思います。

扱うのはスペインやイタリアのインポート物ですが、異動した当初はドレスの専門知識は皆無。私にできるのか不安で一杯でした。でも、何事も経験ですね。1年半経った今では、お顔立ちや雰囲気を見てこの方にはこの生地、このラインが似合うとわかるようになってきました。

もちろんお客さまのご希望が最優先ですが、ご提案したドレスを気に入っていただけるとやはりうれしいです。何といっても、試着室のカーテンを開けた瞬間の新婦さまの笑顔! 付き添いの新郎さまが惚れ直したような顔をされたり、お母さまが涙ぐまれたり。ウエディングドレスはやはり特別だと感じます。

ただその一方で、ときにはお客さまが人には言えず抱えるコンプレックスをお聞きすることもあります。そのお
悩みを受け止めるのも、ドレスコーディネーターの役目。気になる体形をカバーするには、どんな生地やラインがいいか。デザインの知識を身に付けるだけでなく、お客さまの心の機微を感じ取ってご提案の仕方にも気を配る、細やかな対応を大切にしています。

今はスタッフを育てる立場になりましたので、そうした心配りを伝えることも今後のテーマです。誰が担当しても同じ高いクオリティで接客でき、「提案力のあるサロン」としてLA VIRAGOが知られるようになる。そんなドレスサロンに育てていくことが目標です。

●ある日の流れ
9:00 出勤、朝礼。今日のご予約を確認。
10:00 3回目の試着のお客さまがご来店。前回までの試着内容を基に、ご提案するドレスは予め用意しておく。
試着数は1回に5着。悩む方は5、6回来店され、30着以上試着されることも。納得の1着が見つかるよう、お客さまの気持ちに寄り添ってご提案する。
13:00 ご予約の合間をみてランチ休憩。
14:00 ドレスのメンテナンス。1着1時間近くかけて丁寧にアイロン。シミやほつれもないかチェック。
16:00 初めてのお客さまがご来店。初回はカウンセリングをじっくり行い、挙式プランやドレスのご希望をヒアリング。試着をしていただきながら、2回目以降のご来店に向けて方向性を確認する。
18:00 事務処理。
19:00 勤務終了。

●転職before / after
・雇用形態……正社員 → 正社員
・勤務時間……8:30~21:00 → 平日10:30~20:00、土日9:00~19:00
・給与……一人暮らしできる程度 → 一人暮らしできる程度
・休み……完全週休2日制 → シフト制(公休数は月により変動)
・休日の過ごし方……友人と外出、自宅でゆっくり → 友人と外出、自宅でゆっくり

●転職して変わったこと
仕事が楽しくなったことが一番の変化です。休日も、つい海外のウエディング雑誌を見てしまったり、ブライダル関連のことに何かと目がいくんです。いい意味でオンとオフの境目がなくなりました。(近藤さん)

●編集部より
趣味の裁縫が、ドレスコーディネーターの仕事にも活きているという近藤さん。「好きなことは仕事にしないほうがいい」という見方も世間にはありますが、「お客さまの笑顔」には仕事でしか出会えません。料金をいただくお客さまの目はシビア。それをクリアし、期待を超える満足を提供して初めて得られる「笑顔」や「ありがとう」の言葉は、趣味の世界では味わえないものです。好きを仕事にすることの喜びを改めて感じた取材でした。

取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康