突撃!ワークライフバランスの現場訪問!この会社の手当制度がスゴイ

2016年02月08日

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産前産後休暇や育児休暇、時短勤務といった、法律で定められた育児支援制度の他に、育児と仕事を両立する女性にとってありがたいのが手当制度。そんな、保育手当をはじめとする各種手当制度に力を入れているのが株式会社Wiz(ワイズ)です。今回は、福利厚生の各種制度を企画運営する、総務部兼企画・管理本部 課長の米田麻季さんにお話を伺い、女性が働きやすい環境づくりのヒントを探りました。

Wizについて

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IT通信代理店・メディア運営などを手がける株式会社Wiz。3年という短いスパンで従業員が12名から676名(2015年11月現在)にまで増員。男女比率は6対4と、同業種のベンチャー企業に比べ女性の割合が高いという特徴があります。また、全社員のうち、既婚者は3割程度、20代の社員が約7割と若い人たちが多く働いています。

保育ママ手当をはじめとする充実した手当制度

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Wizの特徴は、「保育ママ手当」や「子ども手当」、「クリスマス手当」といった手当制度の充実。

・「保育ママ手当」子どもが保育園や幼稚園に通っている場合、月額の半額(最大10,000円)を支給
・「子ども手当」子を持つ社員全員に子ども1人につき毎月5,000円を支給
・「クリスマス手当」子を持つ社員全員に1年に1回5,000円を支給

手当制度だけではなく、子どもが保育園、幼稚園、小中高に入園、入学した場合10,000円を支給する「入園入学お祝い金制度」、「出産育児一時金」、「出産手当金」、「育児給付金」、「出産お祝い金」といった、一時金制度も充実しています。

導入のきっかけとなったのは、2014年に女性人事部長が出産時期を迎えたこと。最初に取りかかったのは、早急に必要とされる「産前産後休暇」「育児休暇」などの休暇面でしたが、同時に経済的にも支援できるよう「出産育児一時金」「出産手当金」などの制度を施行していきました。

「人事部長の体験は、モデルケースでもあります。人事部長の出産をきっかけとして、子どもの成長に合わせて社員をフォローできるような『こんなのがあったらいいな』という制度を具体化していったんです。例えば、子どもの入園・入学のタイミングは出費がかさむので、『入園入学お祝い金制度』をつくったり。頭で想像するのと実際に体験するのとでは目の付けどころが異なることもあると考え、部長の実体験を参考にしつつ、社員の意見も取り入れて制度化しました」(米田さん)

Wizが支援金や手当などの制度に力を入れているのには、こんな理由もあるのだとか。

「仕事をする上では、家族の協力が必要不可欠です。『保育手当』や『出産祝い金』、『出産育児一時金』『クリスマス手当』といった手当は家族に少しでも還元できる制度なので、働くことを家族に応援してもらって、社員が頑張ろうと思える糧になれば嬉しいなと思っています」(米田さん)

実際に社員からは、「元々の予算に『クリスマス手当』を上乗せして、子どもに良いプレゼントを買ってあげることができて嬉しい」という声や、「子どもが通っている保育園は、保育園料が高いので『保育手当』や『子ども手当』はとても助かる」という声があがっているそう。

また、Wizでは必要な人材であれば、子どもがいる、いないに関わらず、積極的な雇用を進めています。2015年は、3歳と5歳の子を持つワーキングマザーが入社し、入社後すぐに『保育ママ手当』を支給したそう。他にも、米田さんが所属する「総合本部」の責任者は、入社した会社の立ち上げの際から時短勤務をしているワーキングマザー。多忙を極める立ち上げ時から時短勤務が許可されたことに当人は驚いたそうです。

「ママさんって時間のやりくりが上手で、バイタリティのある方が多いと思うんです。そのため、働きたいと思っているママさんが、『保育料が高く、子どもを保育園に預けられないから』といったような理由で、働けない、力を発揮できないというのはもったいない。そういったところを補助できればと思っています」(米田さん)

上層部の人たちが積極的に利用することが、取得しやすい雰囲気づくりにつながる

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Wizで大切にしているのは、闇雲に制度化するのではなく、『社員にとって本当に役立つもの』にこだわること。そのためには社員たちへのヒヤリングが欠かせないといいます。

「経営陣を囲む食事会を頻繁に開催するなど、日頃からスタッフと意思疎通を図るよう努めており、宴の席であろうとも、良いアイデアがあれば実現化を目指しています。代表の山﨑は従業員全員の業務報告書に目を通していますし、『こんな制度が欲しい』と、社員が直談判することも可能です」(米田さん)

代表をはじめとする経営陣と従業員の距離が近く、風通しの良い環境もWizの特徴の一つなのだそう。提案は直ちに米田さんによって具現化され、早いときには翌日に制度が施行されることもあるといいます。

また新しい制度を導入するとき、経営陣や上層部の人間が積極的に制度を利用するようにしているのだとか。

「制度は利用されないことには意味がありません。まずは上層部の人間が積極的に利用することで、部下も気軽に利用しやすい空気づくりができればと。役職問わず誰もが利用する権利であることを意識付けたいですね」(米田さん)

全員が満足して働ける制度をつくることで、自然と働く女性を応援したくなる環境に

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育児にまつわる制度ばかりではなく、Wizには全社員が利用できる制度がたくさんあります。驚くのは、その数。すべて合わせると44項目にのぼります。

なかでもユニークなのは、風通しの良い社風づくりのモトにもなっている「Wizコイン」。仕事やプライベートを問わず「良いこと」をした人を、社員が評価する画期的な制度です。仕事に限らず、良いことであればすべてが評価対象になります。例えば、通勤途中に階段でおばあさんが持っていた重そうな荷物を、代わりに持ってあげていた人がいて、それを見た別の社員が申告したら、Wizコインを一枚進呈。コインが貯まるとパソコンのディスプレイなど豪華賞品が贈呈される仕組みです。

「この制度により、常に相手の良い面を見ようとする思考癖を養うことができますし、誰かが評価されれば、もっと頑張ろうと周りも奮起する。社員からも『頑張りが評価されるのが嬉しい、やりがいになる』という声もあり、モチベーション維持の一助となっています」(米田さん)

まずは、一人ひとりが社内環境に満足して働ける環境をつくること。そうすることで、働く女性を含む周りの社員を応援したいという意思が自然と芽生えるのだといいます。

まとめ

出産費用や子どもの医療費、教育費など、出産や育児にはお金がかかるもの。そんなときに家計の助けになる「手当制度」は、働く女性にとっても嬉しい制度の一つですが、実際に出産した人の実体験を参考にすることで、社員が「本当に助かる」と思える制度がつくられているようです。Wizのような、家庭も仕事も大切にする雰囲気づくりができている会社であれば、今後、結婚や育児を経験するU29女子も安心して育児と仕事を両立していけそうですね。