自分の「市場価値」を高める3つのステップ

2014年05月29日

自分の「市場価値」を高める3つのステップ
自分の社会人としての「市場価値」をとらばーゆ読者に聞いたアンケートでは、「高い」「比較的高い」と答えた人はわずか13%。過半数の55%が「低い」「比較的低い」と回答しました。

自分に自信が持てない人が多いことがわかる、とても気になる結果です。どうすれば市場価値を高められるのか。働く女性を支援するキャリアカウンセラーの弓ちひろさんに聞きました。

Step1:「市場価値」とは何か理解する

■ 持ち運べるスキルを持っている人
「仕事に必要なスキルは、テクニカルスキルとトランスファラブルスキルがあります。前者は仕事に必要な専門性のことで、後者は向上心や人間関係の構築力、交渉力や忍耐力など、どんな仕事でも活用できる『持ち運べるスキル』。仕事をする上で土台になる大切な能力です。

専門性が高くても、土台がなければ力を発揮できません。『市場価値』の高い人、つまり企業が採用したい人は、この『持ち運べるスキル』をしっかり備えている人なのです。」(弓さん)

では具体的には、どのような『持ち運べるスキル』が求められるのでしょうか。共通して求められるスキルに「主体性」がありますが、そのほかに優先順位が高いものとして弓さんが挙げたのは、次の3つでした。

■ コミュニケーション能力
「最も重視されるのは、コミュニケーション能力です。仕事で関わる人といい人間関係を築く、業務をスムーズに進めるなど、あらゆる場面で必要になる大切な能力だといえますね」

■ ストレス耐性
「最近はメンタル不調の人が増え、多くの企業がストレス耐性を求めるようになってきました。これは、ストレスに耐えるだけでなく、自分の感情をコントロールできる自己管理力も含めた能力のこと。コミュニケーション能力が昔から必要とされてきたスキルなのに対して、ストレス耐性が重視されるのは、最近の特徴的な傾向です」

■ 人を育てる力
「年齢を重ねると、『人を育てる力』も求められるようになります。リーダークラスや管理職になる人はもちろん、そうでない人も後輩を持てば必要になるスキルです」

Step2:自分の現状の「市場価値」を知る

■ 周囲に自分を評価してもらう
「人には誰にでも、自分の知らない側面があるもの。自分で自分を振り返るだけでなく、家族や友人、上司、同僚など、周囲の人にも客観的な評価を聞いてみましょう。ただし、誰か他人と比べると、比較対象によって評価が変わりますので、あなた自身の時系列の変化を聞くことがポイントです」

例えば前述の3つのスキルについて、1年前と今とで少しでも成長しているものがあれば、その部分の市場価値は高まっている証拠。変化がなければ、これから意識して取り組む必要があるということ。自分の現状を主観と客観の両面から知ることがスタートになるのです。

■ 短所から長所を見つける
自分の知らない自分の価値に気づくもう一つのやり方として、「短所から長所を見つける方法もおススメです」と弓さん。

「自分に自信がない人は、自分のどんなところが嫌なのか紙に書き出してみてください。実は短所は長所と表裏一体。例えば『引っ込み思案』は『控えめ、思慮深い』ということでもあるのです。そうして視点を変えてみれば、自分にもいいところがあると気づくはずです」

Step3:小さな達成感を積み重ねる

「大きな目標を掲げると、途中で息切れしてしまいます。3カ月程度のスパンで、例えばコミュニケーション能力をテーマにするなら『朝のあいさつは自分からする』など頑張ればできる目標を立て、できたら次の目標に移ることが、スキルを確実に伸ばすコツ。小さな達成感の積み重ねが、大きな自信につながっていくのです」

いかがでしたか? 毎日少しでも前進すれば、1年後、2年後には成長した自分に出会えるはず。手始めに向こう3カ月間のスキルアップの目標を、今日さっそく立ててみませんか?

(株)キャリアバランス代表取締役 弓ちひろ【プロフィール】
弓 ちひろ
(株)キャリアバランス代表取締役。電子機器メーカー退職後、フリーアナウンサーと企業研修講師を務め、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の1期生としてキャリアカウンセラーの資格取得。ワークライフバランスの推進に力を注ぎ、行政、大学、企業へのコンサルティングや研修、講演活動などを行っている。

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