白河桃子さんに聞く!第1回【結婚につながる婚活のはじめ方】

2015年09月18日

20代後半に入り、友人からの結婚報告を聞くことが多くなるU29女子。「そろそろ私も結婚したいな」と、思っても何からはじめたら良いのか分からないので、気持ちばかり焦ってしまうことも…。「婚活」と聞くとつい身構えてしまいますが、どのように始めたら良いのでしょうか?山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱した、少子化ジャーナリストの白河桃子さんにお話を伺いました。第1回は、「婚活のはじめ方」についてです。

受け身でいては結婚できない時代に!?

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「いつかは結婚できるはず」と思っていたものの、なかなかいい人に巡りあえず…。「でも、きっといい人が現れて結婚できる!」と期待して、今は何もしていないという人は多いのではないでしょうか?そんな人は注意が必要です。「いつかは…」と、受け身でいては結婚できない時代になっているようです。婚活と言っても一体、何からはじめたら良いのでしょう?少子化ジャーナリストの白河桃子さんに「婚活のはじめ方」について教えていただきました。

 

受け身で結婚、出産できる時代は終わった

−−「自分も親のように当たり前に結婚できる!」と、何も行動せず過ごしてきたU29女子も多いようです。なぜ今の時代は「婚活」が必要なのでしょうか?

白河桃子さん(以下、白河さん):「『自分たちの親世代を見ると、苦労なく結婚できているから、自分も当然結婚できると思っていた』という人は多いのかもしれませんね。昔は、親や会社が結婚の世話までしてくれていたので、結婚から出産までスムーズにできていた社会があったのです。しかし、その時代はもう終わってしまいました。今は結婚の世話を焼いてくれる親も上司もいません。これからは、意識を変えて自分の欲しいものは自分で取りに行かないといけない時代なのです」

 

どうやって、「まず」出会うのか?

−−では、パートナーを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?

白河さん:「自分の生活範囲内にいる人を、改めて思い出し、洗いなおしてみてください。まったく知らない人を見つけようとするよりも、既に出会っている人のなかに結婚のパートナーとして最適な人はいないか振り返る方が有効だと思います。
会社の同僚や上司にいい人はいませんか?また、元カレ、同級生、同窓生、幼なじみなど、古い知り合いも検討してみましょう。私はこれを『出会いの時間差攻撃』と呼んでいるのですが、かなり有効な方法だと思いますよ。学生時代の仲間同士ならコミュニティがだいたい同じですし、その後のライフスタイルや価値観のすり合わせも少なくて済みます。同窓会のお誘いがあればぜひ参加してください」

−−女性しかいない職場、女子校出身でこれまで男性との接点が少なかった場合はどうしたらよいのでしょうか?

白河さん:「まず『自己開示』すること!普段一緒にいる人より少し距離のある知り合いや友人に『結婚したいから、フリーでいい人がいたら紹介して』と声をかけてみてください。転職は弱い絆の人の紹介が有効だと言いますが、結婚も同じことが言えると思います。いつも一緒に行動している女友達の紹介はなるべく避けた方がいいでしょう。結局似たような人ばかりになり、発展しないことが多いです。
もちろん、好みではない人を紹介されることもあるかもしれませんが、一度付き合ってみて。好みではない人も話をしてみると意外に相性が良かったり…そういう体験を重ねていくと、好みの幅も広がります。好みとは違う人と結婚というパターンも案外多いのですよ。」

 

ネット婚活やパーティへ参加する際のポイント

−−出会いの方法のひとつとしてインターネット婚活や婚活パーティもあると思うのですが。

白河さん:「インターネットでの出会いは今、結婚のきっかけの1割を占めています。『SNSなどで昔の知り合いに再会した』とか、『知り合いの知り合いとつながった』という例が多いようです。結婚情報サービスに入会する場合は、費用が月額になっているものが良いでしょう。相手が見つかれば、すぐに解約できますから。
婚活疲れという言葉もあるようですが、婚活パーティに参加してもいい人がおらず、疲れてしまったという声もよく耳にします。『結婚相手を見つける!』と意気込みすぎないで、『この後、お茶を飲む友人を探す』くらいの軽い気持ちで参加するのがおすすめです。お茶飲み友達の紹介で、いい人に出会えるかもしれません。構えすぎず、ゆるく楽しみましょう」

−−出会いの方法でおすすめのものはありますか?

白河さん:「アウトドア派にはマラソンなどスポーツのサークル、インドア派には読書会がおすすめですよ。自分の興味のある趣味の会から関係が発展することは多いです。ですがやっぱり期待しすぎは禁物。出会いの場でいい人に出会えなくても落ち込まないでください。どの経験も必ず学びになりますから!」

 

自分に合う夫の選び方と条件

−−ちなみに、どのような男性が結婚相手に向いているのでしょうか?また結婚相手を選ぶときのポイントはありますか?

白河さん:「嫌いな物、許せない物が一緒の人が良いようです。また、深い話ができるかどうかも重要です。東日本大震災の後、離婚する夫婦が増えました。原因は、原発の問題や地震後の生活について、嫌でも深い話をせざるを得なくなったからだと思います。深い話ができない人や話し合いをしても何を考えているか分からないというような人とは、夫婦関係は難しいのです。
また、話を何でも聞いてくれる人はおすすめです。女性の話の腰を折らずに聞いてくれる人は貴重です。ただ、こういう人はあまりいないのが現実。次点として、女性が何か言ったらその通りにしてくれる人が良いでしょうね」

−−シビアな問題ですが年収も気になります。

白河さん:「『自分が理想とする年収から自分の年収を引いた額』これを理想の年収として考えると良いでしょう。自分も働き続けるという前提で、理想年収を決めましょう。相手が非正規社員でも、自分が正社員なら補い合って一緒に暮らせば良いのです。自分の年収を引いた値にすることで、相手に求める年収は下がりますよね。そうすれば、対象となる男性もグンと増えますから」

 

「結婚を焦る気持ち」は必要

−−結婚相手に出会えず、焦っているU29女子は多いと思いますが、この焦りはどうしたらよいのでしょう?

白河さん:「焦る気持ちがあるからこそがんばれるのですから、その焦りを大切にしてください。嫌いな人と無理やり結婚する必要はありませんが、少しでも関係を深めていけそうだなと思えば付き合ってみてはいかがでしょう?現在の姿だけを見ているから結婚相手として遠ざけてしまっているのかもしれません。「一緒に暮らせるか」「一緒に子育てができそうか」という将来を想像して見極めましょう。家庭サービス、家事スキルが今は見えなかったとしても、柔軟性があり対応してくれそうな男性ならOKだと思います。その男性なりの個性をおもしろがって、できないところは育ててあげる。という気持ちで探すと意外な場所にいい人がいるかもしれませんよ」

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周りから結婚報告を聞くたびに不安ばかりが募りますが、まずは「女性も積極的に動かないと、結婚できない」と意識を変えることが大切だと言うことが分かりました。
(1)過去の人間関係を振り返ること、(2)「結婚したい」と周囲に意志表示すること、(3)婚活パーティでは構えすぎないこと、(4)現在の姿だけを見ずに将来も見据えること。この4つのポイントを踏まえて、早速行動に移してみましょう!
次回(9月25日公開)は「白河桃子さんに聞く!第2回【こんな状況から結婚を手にするには?】」についてです。

<プロフィール>
白河桃子(しらかわ とうこ)

少子化ジャーナリスト・作家・相模女子大学客員教授。
東京生まれ。住友商事、リーマンブラザースなどを経て著述業に。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。
著書:「婚活症候群」「女子と就活」「格付けしあう女たち」「産むと働くの教科書」「専業主婦になりたい女たち」など。