U29(ユニーク) 女子プロジェクト

悩んでいるのはあなただけではない!販売女子の「働き続けることへの不安」

第1回 「ありたい姿」をイメージするきっかけをつかむ

集合写真

「販売の仕事は好き」だけど「働き続けることは不安」。多くの販売職の女性たちが、このようなことで悩んでいるのではないでしょうか?
事実、このような「販売女子」たちは、仕事への満足度が高い一方で、3年以内の離職率は他の業種より高いという調査結果がでています。*1*2

勤務時間が長い、休日やシフトの融通がききづらい、いざとなった時自分の代わりがいない、ほかの社員との横のつながりが持ちづらい…など、販売女子の悩みは尽きません。結婚や出産というライフイベントを前にして、気軽に相談できる人も少なく、もやもやした気持ちを抱えてしまっている人がとても多いようです。

一方で、日々個人や店舗の売り上げ目標の達成やスタッフへの育成などに追われて、とても忙しい毎日。どうしても、日々の「やるべき」事を積み重ねていくだけのキャリアプランになってしまいがちで、将来の「ありたい」姿を描けないでいます。

イベント風景1その状況を抜け出すヒントとなるのが、5~10年先のライフ・ワーク両面を見据えること。自分がどう「ありたい」かのビジョンをもつことが、壁を自分で乗り越えて未来をつくる大きなきっかけとなるのではないでしょうか。

こんな思いで、『とらばーゆ』が、他社との交流からの刺激や、率直な悩み・不安の共有の場として、2016年6月22日、販売女子を応援するワークショップ「販売女子の未来を語る会」を開催しました。

(*1)とらばーゆ編集部:「販売職女性についての定量調査」 2016年6月結果
(*2)独立行政法人労働政策研究・研修機構:「平成25年若年者雇用実態調査」2012 年3月卒業者

「こうあるべき」よりも「こうありたい」で未来は変わっていく

イベントでは、さまざまなワークスタイルや壁を乗り越えた経験をもつ先輩社員が登場。これまでの仕事での経験や今後の「ありたい姿」を語ってくれました。

ブックオフコーポレーション株式会社の長谷川さんは、なんと3人の子どもを持つ母親。現在の会社でも、出産・育児というライフイベントを経験したとのこと。
「出産を終えて店長として復職したのですが、当初は仕事と育児の両立に苦労しました。他の社員やスタッフにお願いできることはお願いし、自分は自分にしかできない仕事をするようにしました」

イベント風景2アパレル企業で働く杉浦さんは、出産を終えて、復職した後に自身の目標を叶えることができたそうです。
「入社してずっと店長になりたいと思っていました。復職後もその思いは変わりませんでした。エリアマネージャーに自分の思いを一生懸命伝え、念願の店長として働くことができました。もちろん家事や育児との両立は大変ですが、夢が叶って、とても充実した日々を送っています」

株式会社アダストリアで働く坪谷さんは、エリアマネージャーという管理職への挑戦から得られたことを話してくれました。
「洋服を売る仕事でも『人を育てられる』と知り、この会社に入社しました。そして、念願のエリアマネージャーに。当初は苦労したものの、なんとか成果が出るようになったのですが、次第にそれだけでは物足りなくなってしまって。そこで視野を広げ、自ら手を挙げて、社内の他部門の人と仕事をすることでモチベーションをまた高めていきました」

イベント風景3株式会社キタムラの西村さんは、想定したキャリアと異なる仕事をチャンスに変えた経験をこう話してくれました。「私はキタムラの店舗が好きで入社したのですが、人事異動でスタジオマリオという店舗で働くことになって。最初はがっかりしたこともあったのですが、『続けてみて嫌だったらやめればいいや』と開き直ったら、だんだん今までと異なる環境での仕事も楽しく思えるようになりました」

主体的に5年後、10年後のキャリアプランを描きたい

株式会社アダストリア 永田さん「今日のワークショップに出るまでは、来年のことくらいしか考えられていなかったです。3年後、5年後は漠然と今の仕事を続けているのかなと思うくらいでした」

そう話すのは、株式会社アダストリアで入社13年目を迎える永田さん。彼女は今回のワークショップに参加して、自分のキャリアプランに対して受け身であったということに気づいたそうです。
「来年は、新人のエリアマネージャーへのフォローに携わり彼女たちが成果を出せるようになれればと考えていました。ただ、その先については自分が決めるというよりも、会社が決めるものであって、自分ではどうにもできないと思っていました。ただ、今回参加して、5年後、10年後のキャリアを自分で描くことの大切さを実感しました」

今の仕事は店舗の入るディベロッパー等、アパレル関係者以外との接点が多く、様々な知識が身につけられて楽しいとのこと。これからもこの仕事を続けるためには、今後の「こうありたい」を自分で明確に持ちたいと話す永田さんでした。

結婚と仕事を両立する女性社員のロールモデルになりたい

ブックオフコーポレーション株式会社 津田さんブックオフコーポレーション株式会社で働く津田さんは、入社後、店長として働き7年間書籍部門にて勤務。その後、ブランドバッグなどを扱う仕事を担当しています。今回のワークショップに参加して大きな目標ができたそうです。

「『特殊な職種や部署でなくても、産休・育休を取得して当たり前に戻ってこれるんだ』と周りの社員・スタッフが思ってくれるような存在になれたらと思っています」
同社では、社員の育休取得後復職率がほぼ100%であるものの、結婚や育児との両立にチャレンジする前に退職してしまう女性社員がまだ多くいるとのこと。

「結婚するときに同期から『仕事を続けるんだ』と驚かれました。それだけ女性社員が続けることが珍しいのかなと思いました。会社として女性が働きやすい環境をつくろうとしているのは伝わってきているので、その一員になれたらなと思っています。今回のワークショップに参加して、私でもできることがあるなと思いましたので、今後はもっと会社に働きかけられたらなと思います」

ライフプランとキャリアプランを上手につなげたい

アパレル企業勤務 浴野さん「『働く女性を助けたい』という夢を持っていました。その夢を叶えるために、今の会社に入社したんです」

そう話すのは、アパレル企業で働く浴野(えきの)さん。入社半年で店長を務め、昨年の9月に人事部に自ら志望して異動しました。

「3年前に結婚をして、子どもについて夫と話すことがあったのですが、そのときは『人事部に異動してから』と決めました。まずは自分のやりたい仕事に携わってから、出産したいと思いました」以前からキャリアプランを明確に描いていた浴野(えきの)さん。それでも、今回のワークショップでは大きな発見があったそうです。

「自分の意志を持っていたつもりでしたが、どこか周囲の人たちや環境のせいにしたり、頼ったりしてしまいがちでした。先輩方の話や皆さんの話を聞いて『自分で決める』ことの大切さを実感しました。それに皆さんは仕事だけではなく、ライフイベントをうまくつなげていたので、自分も見習いたいなと思いました」

現在、念願の人事部で女性店長向けのイベントを企画しているのだとか。今回の経験をこの企画にぜひ活かしたいと力強く語ってくれました。

『脱イエスマン!』本来の自分を隠さずに、意思を明確に伝えたいです!

株式会社キタムラ 芝原さん「他社の方とお話ができたのが、何よりよかったと思います。みんな同じような悩みを抱えていて、自分だけではなかったと安心しました」

そう、ワークショップに参加した感想を振り返る株式会社キタムラの芝原さん。入社以来、店舗での勤務でしたが、昨年の8月に産休・育休を経て復職。現在は社員研修や売上を上げるための企画を考える部署で働いています。そんな芝原さんは、今回のイベントに参加したことが、自身の将来を考えることで、大きな分岐点となったそうです。

「それまでは、自分の置かれている環境や思いは『言ってもわかってもらえないだろうな』と思っていました。特に、復職後は周囲に子育て中のママさんも少なかったので言えなくて。それがストレスになっていました。でも、今回のワークショップに出て自分の意思を伝えることがいかに重要なのかを知り、それ以来本来の自分を隠して迎合してしまう『いい人』でいるのをやめて、自分の感情を伝えるようにしました。思いを吐き出したことで気が楽になりましたね」

そんな、芝原さんは自分がママであることを活かし、今後は会社にいろいろと提案したいと話してくれました。

周りをどんどん巻き込んで「ありたい」自分に近づいていこう

結婚・出産と仕事の両立はもちろんのこと、今後のキャリアプランや、今の働き方についてなど、会社や仕事が違っても、「販売女子」それぞれがみんな何かの悩みはもっているもの。そんな悩みを自分だけのもとして一人で抱え込まずに、相談をしたり、どんどん発信をしていくことが大切になってくると思います。

今回のワークショップでも、「自分だけで抱え込まず周りを巻き込む」、「目の前のことだけではなく長期的な視点を持つ」など、販売女子の働き方や仕事へのスタンス、さらにはライフプランの考え方について多くのヒントが出たようです。こういった行動の積み重ねで、みえる世界もきっと変わってくるのではないでしょうか。

無理せず、自分らしく、輝き続けるために。「ありたい姿」を見つけて、前向きな未来を作っていきましょう!

ほかの記事もチェック