とにかく生活にゆとりが欲しい!!お金の使い方を見直すための4ステップ

2017年04月19日

今お金の使い方を見直せば、これからの生活が安心で楽しくなる

「毎月いっぱいいっぱいで、貯金する余裕はゼロ」
「今も実家生活。一人暮らしは憧れるけど、やりくりする自信がない」
「結婚は未定。将来のプランが立っていません…」

そんなU29女子たちのために、今回は、自立して、かつ、ゆとりある生活を送るための家計術をご紹介します。すぐに見直せるお金の使い方や、将来に向けて準備したいことなど、今からやっておきたいことを、ファイナンシャル・プランナーの横川由理さんにうかがいました。

 

1.まずは給料3か月分の貯蓄を目標に

自立してゆとりある生活を送るには、ある程度の貯えがあることが不可欠。なぜなら、お金はいざというときにいろいろなことに活用できるからです。例えば、資格試験に挑戦したり、結婚の費用にしたり、一人暮らしを始める資金にしたりと、自立の足掛かりに使うことができます。貯金があるだけでも安心でき、気持ちに余裕が生まれるのです。

現在、貯金がほとんどない場合、まず目標にしたい貯金額は、お給料の3か月分。例えば手取り20万円の方なら、60万円です。

なぜなら、もし転職を希望するなど自己都合で会社を退職することになった場合、失業保険が給付されるのは、失業が認定されてから約3か月後だから。次の仕事を決めて収入があるまでに3か月以上かかるとしても、3か月分の貯金があれば安心ですね。

給料3か月分の貯金を達成できたら、次は100万円、150万円と、目標額を上げていきましょう。

 

2.家計を見直す第一歩は、どれだけ使っているか自覚すること

ここで質問です。
毎月のお給料、いくらもらっているかは分かりますよね。では、自分が毎月、何にいくら使っているかは、把握していますか?  

何にいくら使うかは意識せずに使い、気が付いたら残高が少なく慌てて節約生活……という方もいるのではないでしょうか。

貯金をする場合、いろいろ使って「余ったお金」を貯金に回す、という考え方ではお金は貯まりません。まず現在の手取りで無理のない貯金額を決めて、残りのお金でやりくりするのが鉄則。だからこそ、今自分が何にいくら使っているかを把握して、ムダな支出は徹底的に見直すことが大切です。

まずは、今、自分が何にいくら使っているかを具体的に把握するため、以下を実行しましょう。

・お金を使ったら必ずレシートをもらう
・レシートを項目別に分け、それぞれの1か月分の合計額を出す

実際に自分の支出を算出することで、「コンビニで月に2万円も使ってた…」「今月はランチの外食が多かったかな」といった出費の傾向を実感できるはずです。

 

分かりやすいように、月給が手取り20万円の場合の、項目別の支出額と割合の例を挙げます。項目別に設定した割合を参考にして、自分の手取り収入額の場合の各項目の支出額を算出してみましょう。

手取り20万円の場合の生活費

では、自身の支出のバランスをチェックしてみてください。

お金がかかってしまう、もしくは、洋服や映画・ライブなどの趣味への投資でお金をかけたい項目をはっきり決めるのも、貯金を長続きさせるための一歩。

その代わり、切り詰められる項目に対して、「ペットボトルの飲み物を買うのはやめて、水筒にお茶を入れて持っていく」「コーヒーが飲みたくなったら、カフェのコーヒーではなく、コンビニやスーパーの安いコーヒーにする」「週に2回はお弁当を作る」「お金をおろすときは、手数料のかからない時間帯、窓口でおろす」というように、できうる範囲で出費を抑える努力をしなければ、コツコツ貯金の実現は厳しいです。

 

3.注意したい「クレジットカード」と「保険」

支出を抑えるのに効果的なのが、大きな出費や決まって出ていく固定費を見直すこと。U29女子の場合、注目したいのはクレジットカードと保険です。

クレジットカード
買い物はクレジットカードで、という方も多いと思います。でも、クレジットカードではお金を使った月と引き落としされる月がずれるので、言わば「借金」をしているのと同じ状態です。さらにリボ払いでは約18%の金利が付く場合もあります。

それなのに、現金払いに比べて「お金を払っている」という実感が薄いため、家計の管理がしにくくなります。いつのまにか利用金額が残高をオーバーして引き落としができなくなる、などのトラブルに陥りやすいのです。

「クレジットカードでの支払い=借金」であることを自覚して、金利の高いリボ払いは避ける、必要最低限の利用にとどめることを意識しましょう。さらに、持ち歩かないという決断ができたら、貯金達成が近づくかもしれません。

医療保険
「医療保険」に加入している、または加入を考えているなら、見直しを検討すべき。保険料と給付金を冷静に比較してみましょう。

例)保険料月額4000円、30年間の場合、支払う総額は
    4000円 × 12か月 × 30年 = 144万円

   入院1日当たり5000円の給付金が出るとして、2か月入院した場合の給付金総額は
    5000円 × 60日 = 30万円

実際に入院したときの医療費は、高額療養費制度により、1か月に支払う医療費の上限が定められています。また、会社員の場合は仕事を休んでも給料の66%が傷病手当金として支払われます。その点も踏まえて、保険が本当に必要か、よく考えてはいかがでしょうか。

 

4.キャリアアップも「自立」と「ゆとり」の基盤に

日常の家計の見直しをしつつ、キャリアアップすることで収入アップを目指すのもいいでしょう。今よりお給料のいい仕事に就くにはスキルが足りない…と感じている方も多いと思いますが、そんな方こそ思い切ってスキルアップのための勉強や資格の取得にチャレンジしてください。

確かに、資格をとるにもお金がかかる場合が多いので勇気が要ると思います。でも、お給料が変わらないまま支出の節約だけをする生活を続けていくと、ライフステージが変わった時に対応しきれなくなる可能性がありますね。

20代ではあまり周りと差を感じないかもしれませんが、今種をまいておくことで、5年後、10年後の収入が変わってくるはずです。会社員であれば、雇用保険の教育訓練給付を利用すると資格取得費の2割が戻ってきますよ。

また、目の前の支出だけに気を取られずに、長い目で見て、マネープランを考えるのも大切です。その際、参考になるのが、「ライフプランシミュレーション」。

現在の収入や、これからの予定や目標から将来の家計を予測するもので、銀行などのWEBサイトで試すことができます。どの年代でいくらくらい貯蓄できそうかの目安になり、また、家計が大変な時期を知ることで貯蓄プランを見直すこともできます。

 

人生には楽しいことがたくさんあります。興味があることに出合ったとき存分に楽しむには、お金が役に立ちます。金銭的な余裕があることが、やりたいことに手を伸ばす後押しになるのです。

確かに貯金には根気が必要。でも目標額を貯めることができると、大きな達成感を得られ、自信がつき、貯めることが楽しく感じられるようになりますよ。
これからの人生のために、無理のない貯金ライフを楽しみましょう。

記事監修:横川由理(よこかわ・ゆり)
FPエージェンシー代表。ファイナンシャル・プランナー。大手旅行会社、生命保険会社に勤務したのち、ファイナンシャル・プランナーに。マネーセミナーやFP資格試験対策の講師、保険やライフプランのカウンセリングなどを行っている。著書に『老後にいくら必要か?』『よい保険・悪い保険 徹底見直し編』(いずれも宝島社)『保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)など多数。