未経験から転職! 一般事務から医療事務へ

2014年08月21日

在宅医療専門の医療事務。往診で患者さまとも接する、やりがいある仕事です

メディカルホットライン株式会社 東京在宅医療クリニック
高野春奈さん(27歳)

メディカルホットライン株式会社 東京在宅医療クリニック 高野春奈さん

Profile:高校卒業、歯科医院に歯科助手・受付として3年勤務した後、知人の誘いを受けて建設会社で一般事務を4年半経験。医療事務として働く母の勧めをきっかけに、専門学校で医療事務の資格を取得。2014年2月に現社に入社。

|資格を取って長く働きたい
医療事務に興味を持ったのは、同じく医療事務として働く母の勧めがきっかけです。資格の勉強が難しそうでずっと避けていたのですが(笑)、20代も半ばを過ぎて今後の働き方を考えるようになり、やっぱり挑戦してみようと。専門学校に通って医療事務の資格を取り、在宅医療のクリニックを運営するメディカルホットラインに転職しました。

在宅医療とは、患者さまのご自宅や介護施設などを訪問して行う医療のこと。外来の医療事務とは違う知識が学べそうだと思い、興味を持ったんです。往診範囲は半径16キロ。クリニックのある新宿を拠点に、東京23区ほぼ全域と神奈川県や埼玉県の一部をカバーしています。

往診には医療事務スタッフも同行し、ドクターや看護師を車に乗せて運転も担当。往診先はグループホームや有料老人ホームなどの施設が中心ですが、個人宅にうかがうこともあります。診察中はドクターの横で診療内容を電子カルテに入力し、クリニックに戻ってから処方箋の処理やカルテの整理、請求書の発行など。

いろいろな仕事があって覚えることも多く、入社後3カ月間は何がわからないかもわからない状態。「私には無理!」と挫けそうになったこともありました(笑)。でも、最初が大変なのはどんな仕事でも同じ。もう少し続けようと頑張るうちに、だんだんと仕事の流れが把握できるようになってきました。

|患者さまの医療情報を預かる大切な仕事
クリニックが受け持つ患者さまは約500人。連携先の病院で精密検査を受けた、入院されたといったことも電子カルテに入力し、患者さまの医療情報がすべてわかるように管理します。だから、カルテに間違いがあってはいけない。任された責任の重さを実感します。

往診エリアが広いので、訪問スケジュールや移動ルートを効率よく組むことも、医療事務スタッフの大事な役目。といっても、カーナビがあるので道を知らなくても大丈夫ですが、慣れてくると交通状況を見ながらルートの変更を判断できるようになりました。高速道路にも詳しくなりましたよ(笑)。ずっと机に向かっているのではなく、いろいろなところに行ける勤務スタイルが気に入っています。

入社して半年経ちましたが、まだまだ勉強中。保険証もいろいろな種類がありますし、介護保険を利用する方の請求処理は、何度やっても難しいです。でも、クリニックのスタッフみんなで一緒に勉強しながら頑張ろうという雰囲気があるので楽しいです。仕事を任される実感があり、仕事にこんなに責任を感じるのは初めて。仕事に対して真剣になりました。それだけでも、自分が変わったなと思います。

●ある日の流れ
8:30 出勤。一日のスケジュールを確認。
8:50 ドクター、看護師と往診先に出発。
9:30 往診先の有料老人ホームで診察開始。今日は月に1度の集団診療の日。午前中いっぱいかけて約30人を診察。血圧などの基本データを電子カルテに入力する。
12:00 ランチ。
13:00 個人宅への往診に同行。看病する家族へのドクターのアドバイスも記録として電子カルテに入力する。
16:00 クリニックに戻り、事務作業。
17:30 勤務終了。

●転職before / after
・雇用形態……正社員 → 正社員
・勤務時間……9:00~17:00 → 8:30~17:30
・給与……一人暮らしできる程度 → 一人暮らしできる程度
・休み……土曜隔週、日曜 → シフト制月8日
・休日の過ごし方……ショッピング、レジャー → ショッピング、レジャー

●転職して変わったこと
仕事を任されるようになり、やりがいや責任感もグッと高まって、しっかりやらなくてはと思うように。今までにはない心境で、毎日が充実しています(高野さん)。

●編集部より
往診は、効率よく動かないと予定していた患者さまをすべて訪問できないといったことにもなりかねないのだとか。状況に応じた臨機応変な判断が求められる、アクティブな楽しさが垣間見える取材でした。

取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康