内定から退職、入社までの流れは?

2014年06月05日

内定から退職、入社までの流れは?
内定をもらってから入社するまでにやるべきこと・確認すべきことはたくさんあります。特に、まだ在職中の人は、退職日と入社日の調整や引き継ぎなど、慌てることがないように、流れを把握しておきましょう。

内定連絡・労働条件通知書等の受け取り

転職の場合、まず電話で内定の連絡があり、その後、労働条件が書かれた「労働条件通知書」または「雇用契約書」が郵送または手渡しされます。それに署名をすることで内定承諾または労働契約の締結となりますが、中小企業の場合は電話で意思確認を済ませるところもあります。後々のトラブルを避けるためにも、できれば書面で受け取り、内容の確認を。
なお、労働条件通知書等には少なくとも下記項目が記されているので、面接時に話した内容と相違ないかをチェック。詳しく聞きたい場合は電話で問い合わせるといいでしょう。

- 入社日
- 契約期間、契約更新する場合の基準等(有期雇用の場合)
- 勤務地、配属予定部署、仕事内容
- 給与(月収、賞与)、計算方法、支払いの方法、締め切りと支払日
- 給与以外の支給(通勤交通費、時間外手当、住宅手当など)
- 勤務形態、勤務時間、休憩時間、交替制、時間外労働の有無
- 休日・休暇
- 試用期間(試用期間がある場合のみ)
- 退職や解雇について
- 署名欄

内定の承諾/辞退の連絡

条件の確認が済んだら、入社の意思表示を行います。承諾・辞退どちらも2〜3日中に、遅くとも1週間以内に返事をしましょう。特に辞退の場合は早いほうがよく、内定通知が来る前であっても、辞退を決めた段階で返事をします。
承諾の場合、1週間以上待たせると、入社の意思がないとみなされる場合があるので注意を。もし他社の返事を待っていてすぐに返せない場合は「○月○日までに必ずお返事します」と電話で伝えましょう。

退職の意思を現職場に伝える

法律上は退職願が受理されると2週間(*1)で退職が認められますが、多くの企業は就業規則で1カ月前と規定しています。さらに、引き継ぎ期間を考慮すると1~2カ月前に伝えるのが常識的。現職場の就業規則や習慣を確認してから、まずは直属の上司に伝えましょう。同僚などから伝わると職場が混乱する場合があるので軽はずみな発言はしないように。

(*1)月給制など期間によって報酬が定められている場合は、翌月以降(次の賃金計算期間以後)の退職が認められるとされており、その申し出は退職する前の月(賃金計算期間)の前半にしなければならないことになっています。例えば、月末締めで給与計算がされる会社であれば、12月末以降に退職するには12月15日までに申し出る必要があるということです。

退職日の確定と入社日の最終連絡

上司と相談の上、残務整理や引き継ぎに必要な期間をとり、退職日を決定します。有休消化を希望する場合は現職場に負担にならないような気遣いを。
希望退職日の延期を求められたら、入社日に支障がない範囲で対応するのが円満退職のコツ。
退職日の調整によって入社日がずれる場合は転職先と相談して調整します。
退職日が確定したら、引き継ぎやあいさつ回りなどのスケジュールを立てましょう。後任者がなかなか決まらない場合には、引き継ぎ資料を先に作成しておくとスムーズです。

退職願の提出

多くの会社の就業規則には、退職願の提出があります。規定の書式に沿って、退職理由と退職日を明記し直属の上司に提出します。口頭で意思表示をした後、就業規則等のルールに従って提出しましょう。
なお、退職理由は具体的に書く必要はなく、「一身上の都合により」でOKです。

仕事の引き継ぎ・あいさつ回り

引き継ぎは口頭だけでなく、資料として残しておくのが常識。また、後任者と一緒に一度は仕事を進め、取引先や関連部署へ退職のあいさつと後任者の紹介をしておきましょう。
有給休暇をとる場合も、退職までは引き継ぎのスケジュールを優先して。

退職手続き

会社から受け取るものと返却するものがあるので、漏れがないよう人事に確認しましょう。
社会保険関係(厚生年金・健康保険)は、間が1日もあかないのであれば、転職先とのやりとりだけで済みますが、しばらく間があく場合には国保への切り替えなど手続きが必要なので注意を。

■ 受け取るもの
- 年金手帳(入社時に返却してもらっていなければ)
- 雇用保険被保険者証(入社時に渡されていなければ)
- 健康保険被保険者資格喪失証明書(退職後、国民健康保険に加入する場合には)
- 退職証明書(退職後、健康保険上の被扶養者になる場合には)
- 離職票(失業給付を受給する場合には)
- 源泉徴収票
- 厚生年金基金加入員証(厚生年金基金に加入しており、入社時に渡されていない場合には)

■ 返却するもの
- 健康保険証
- 会社の身分証明書等
- 制服、作業服
- 名刺
- 会社から貸与された事務用品や備品など

入社書類の用意

一般的には下記書類の提出が必要となります。慌てないように事前に準備を。また、このほか内定時に提示された諸条件の承諾書の提出が必要な場合もあります。

- 年金手帳(基礎年金番号の記載があるページの写しでも可)
- 雇用保険被保険者証(写しでも可)
- 源泉徴収票(原本)
- 扶養控除等申告書(*2)
- 健康保険被扶養者異動届(*2)
- 給与振込先の届書(*2)

(*2) 入社する会社から用紙等は事前または入社日以降に渡されますので、それらに記載して提出することになります。健康保険被扶養者異動届は、扶養家族がいる場合には提出します。