転職?今の職場に復帰?出産後のベストな働き方に悩む…【働く女子お悩み相談】

2014年12月09日

20代から30代の働く女性は仕事やキャリア、そして恋愛、今後の人生プランなどいろいろと考えることも多いハズ。そんな悩みを抱えるとらばーゆ読者にキャリアカウンセラーの水野順子さんがアドバイス。リアルなお悩み相談に解決の糸口を見つけます。

働く女子お悩み相談【今回の相談者】
佐々木由紀さん(31歳/仮名)

大学卒業後、インターネット会社のコールセンターに正社員として就職。オペレーター経験後、SV(スーパーバイザー)となるがクレーム対応に疲れ、24歳で現会社に転職。ショッピングサイトの広告営業推進を担当し、転職当初はアシスタント職の契約社員として採用されるが、昨年から成果重視の契約社員と形態が変わる。既婚4年目・子どもなし

「責任ある仕事」に挑戦するも精神的なプレッシャーに

水野さん:新卒で入ったコールセンターは正社員入社で、現在の会社ではずっと契約社員としてお勤めなんですね。

佐々木さん:コールセンターでは最初の1年はオペレーターとして、2年目はSV(スーパーバイザー)としてオペレーターの研修などをしていました。ただ、正社員といっても、お客さまとの話し方やクレーム対応などは学ぶのですが、ワードやエクセルなどの一般的なPCスキルがまったく身に付かないんです。ほかの会社でも役立つスキルを身に付けたいという思いと、クレーム対応にほとほと疲れ果ててしまい転職しました。

水野さん:今の会社を選んだ理由は何ですか?

佐々木さん:実は明確な理由はなく、大手企業なのでいいかなぁ、という単純な気持ちで転職したんです。

水野さん:現在の具体的なお仕事内容は?

佐々木さん:ショッピングサイトの商品企画チームの営業推進をしています。企画側が作った商品を営業に接続する際に勉強会を行ったり、広報ツールを作ったりなど営業がクライアントへよりスムーズに案内するためのツールを考えています。ただ、昨年から成果重視の報酬制度に変更し、同じ契約社員ではあるのですが仕事の範囲が少し広くなりました。

水野さん:それは佐々木さんの今までの働きが認められた形ですよね。自ら志願したのですか?

佐々木さん:いえ、上司から「やってみない?」と声をかけられて。アシスタントの仕事に物足りなさも感じていたし、当時、30歳目前だったので、チャレンジの気持ちで首を縦に振ったのですが…。

水野さん:上司から直々に言われるなんて、佐々木さんに期待したのでしょうね。でも、浮かない顔ですが、この辺りがお悩みでしょうか?

佐々木さん:その通りです。アシスタントはあくまでサポート程度でしたが、今は自分が主体となり人前でプレゼンすることも多くて…。日々、「この企画は通るかな…、そのためにこれもあれもやらないと」と不安とやることが多すぎて胃が痛くなることもあります。自分にどんどん余裕がなくなってくるのがわかるんです。

水野さん:責任ある仕事がプレッシャーになってしまったんですね。

出産後、今の会社に残るか転職すべきか悩む日々

佐々木さん:そんな中、妊娠していることがわかりまして。この仕事で育児と仕事を両立できるのかますます不安になってしまったんです。

水野さん:出産後も働き続けたいと思っていますか?

佐々木さん:はい。出産後も社会とつながっていたいですし、自由に使えるお金を自分で稼ぎたいと思っています。ただ、それが今の業務だとキツイかなと。常に成長を求められるし頑張り続けないといけない。当たり前のことかもしれませんが、育児や家事をしながらこの厳しい状況で仕事を続けられるか不安です。

水野さん:それでは出産後、どのように働くことが理想ですか?

佐々木さん:今の会社でワードやエクセルのスキルも身に付いたので、別の会社で働いてみるのもいいかなと思っています。ただ、夫も同会社の同じチームにいるのですが、「せっかく責任ある仕事を任されているんだから、辞めるのはもったいない」と言われてしまい悩み中です。

水野さん:佐々木さんの気持ちも旦那さんの気持ちも両方わかりますよ。確かに、収入を安定させて一生働きたいのであれば今の働き方が望ましいでしょう。ただ、今は母体が何より大事。仕事がキツイのであればセーブしたほうがベターです。ちなみに産休制度などは整っていますか?

佐々木さん:整っています。上司に妊娠を報告したら、少し仕事を減らして産休に入ろうと言われていますので。

水野さん:ならば、今すぐ辞めるのではなくて復帰後1年くらい働いてみて考えてはどうでしょうか。女性はライフステージが変わると気持ちも大きく変化するものなので、出産後に育児に専念したいと思うかもしれないし、バリバリ働きたいと思うかもしれない。その時にベストな選択ができるよう選択肢は多いほうがいいですからね。

佐々木さん:出産後に働くことを選択した場合、何を重視すべきでしょうか。

水野さん:定時であがれるなど勤務時間や収入、やりがいなど人それぞれではありますが、すべての理想がかなうことはありません。自分でこれだけはゆずれないという1つを重視してください。きっとその1つは出産してから見えてくるものだと思いますよ。

佐々木さん:出産後、ベストな答えが出せるよう、今は任されている仕事を体を大事にしながら取り組んでいきたいと思います。

水野
■プロフィール
水野順子
株式会社キャリアコレクション代表取締役。キャリアカウンセラー、ビジネスメンタルトレーナー。女性とキャリア研究所主宰。女性のライフプランとキャリア支援を得意とし、これまで2万人以上、6万人以上の講演・研修を行っている。著書に『責めない しがみつかない 投げ出さない』。

オフィシャルサイト http://www.mizunojunko.com